何についての本を出すのか【箕輪厚介「本のつくり方講座」第二回ダイジェスト】
ベストセラーを多数生み出してきた編集者、箕輪厚介による「本のつくり方講座」。
全5回に渡り、本を出す意味やタイトルの付け方、出版する時に知っておいた方がいいことや売り方まで、リアルな内容を詰め込んでお届けしています。
もはや伝説となっているこちらの講座、アーカイブ動画を販売することになりました!
販売にあたり、箕輪自身による「商品説明会」を開催します。
6月26日(月)20時よりオンラインで。
お申し込みは、こちらから!
アーカイブ動画販売を記念して、全5回の講座のダイジェストをお届けしていきます!
第二回は、箕輪によると”全5回の中でもかなり重要なテーマ”とのこと。
そもそも出版をしようと思ったとき、どんな本をつくっていったらいいのか?
「何についての本を出すのか」の部分は、いかに掘り下げるかでほんのクオリティを左右するそうです。
ここを考えるためのポイントからテーマの見つけ方まで、解説していきます!
本のテーマを考える時の3つのポイント
出版をしたい。本をつくりたい。
その時、まずぶち当たるのが「何についての本を出すのか?」ということです。元々これ! といったテーマを持った人ならばいいのですが、そうとも限りません。
実際に、ここを曖昧にしたまま、とりあえず何か書き始めるみたいなケースも多いそうです。特に自費出版の場合は、適当にテーマを決めてしまいがちだそう。
しかし、ここをいかに粘るかで本のクオリティや深みが変わっていくので、とても重要なポイントだと箕輪は言います。
どんな本をつくったらいいのかを考えていく上で、重要な3つのポイントがあります。
箕輪が本をつくる時には、基本的には著者の方と雑談を繰り返すそうです。
長い人生の歴史やこだわりを聞いたり、仕事でうまくいったこと、うまくいかなかったこと、プライベートのことを含めていろいろ話をする中で、その人の核となるものが何なのかを探る。
なぜこれをするかと言うと、岡田斗司夫さんがおっしゃっていたそうですが、基本的に才能というのは、「自分では当たり前で普通にやってしまうけど、周りの人から見たらそれ凄いねと言われるようなこと」なので、自分では気付けないものだからです。
本を書く時には、一人で悩む時間ももちろん大事なのですが、自分とは真逆の人など色々なタイプの人と話すことによって自分の才能とか他の人と違う部分を見つけていくのが意外と大事なのです。
企画で大切なのは、情熱を燃やすこととツッコミを入れること
では、実際に本の形にするにはどうしたらいいのでしょう。
企画をつくる際には、「拡散と収束」を繰り返して探していくことが大切です。
具体的なことを考えたと思ったら、発想を広げ、実現可能性は低いけど面白い、冗談みたいなことを考えたり、また具体に戻ったりということを繰り返し、落としどころを見つけていきます。
本の企画の立て方については、現在、GMOインターネットグループ株式会社の代表取締役熊谷正寿さんの本を担当しているとのことで、15分くらいでつくったという企画のたたき台が講座中に披露されました。
熊谷さんにあった企画の切り口の見つけ方については、アーカイブ動画でぜひ、ご確認ください!
さて、自分の核を見つける上では、「テーマ軸でいくのか、人生軸でいくのか」について考えることが大切です。
この二つの軸は明確に分かれているわけではなく、グラデーションになっています。
テーマ軸
テーマ軸では、自分の一番強みとなる部分を掘り下げていきます。
自分のビジネススキル、ノウハウ、技術などで一番の強みは何なのか。
例えば、堀江貴文さんだったら「多動力」、前田裕二さんだったら「メモ」など、他の誰にも負けないユニークさや凄さを持っています。
それが、自分にとっては何なのかというのを考えます。
テーマを考える際には、幻冬舎社長の見城徹さんの「ヒットの4原則」を参考にするとよいでしょう。
4つのポイントがそれぞれ当てはまっているのかを点検しながら、探していくことが重要です。
そして、テーマに熱中して情熱を燃やす自分と、冷静になりツッコミを入れてくる自分とを行き来することもまた大切です。この、冷静なツッコミをやらずにつまらない本になっているものも少なくありません。
情熱と冷静の行き来を繰り返すことで、企画に「締まり」がでてきます。
人生軸
人生軸でテーマを設定する時は、自分が一番大切にしている信念は何か、というのを見つけていきます。
簡単なやり方は、時系列で振り返ること。そもそも自分の根っこは何なのか、というのを探っていきます。これは、就活の時の自己分析みたいなものに近いため、自己分析書を一冊買って取り組んでみるのも非常にいいそうです。
たった一人の誰かに向けて、手紙を書くように本を書く
自分がどんな人間で、何がやりたくて、なぜ、これを本のタイトルにするのか。
大したエピソードである必要は全くなく、「本に書くようなものじゃないけれど、自分にとってはものすごく重要な原体験」を見つけるのが大事です。
ビールを売る時、広告代理店の人はいわゆるペルソナを設定すると思います。しかし、これは広告とコンテンツ作品の違いで、本はものすごく深く特定の一人に刺さらないと話題にならないし、売れません。
何となく本をつくっても、誰にも届きません。一人の明確な人に向けて、痛烈なメッセージを考えて本にする。一人に明確に刺さるということは、その裏に同じような悩みを持った人というのは無数にいるので、必ず伝播していきます。
逆に言うと、「何となくみんなに受けそうなもの」というものは、実は、何となくという人は一人もいないので、結局、何となくみんなに受けないのです。
次回、第三回は、実際タイトルをどうするのか、目次をどうするのかという具体的なプロセスについて解説します。
著者はもちろん、編集者なりが熱いものを持って、たった一人で孤独に熱狂することが全てを切り開く。「この人のために書いています」という本が売れていきます。明快に、明確に、一人に手紙を書くように意識して書きましょう!
アーカイブでは、実際にベストセラーになっている本を例に取り上げ、テーマのつくり方、掘り下げ方を解説しています。
商品説明会でも出版する時に役立つ情報をお届けする予定です。ぜひ、ご参加ください!