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「自分であること」を突き詰めてこそ一流になれる

4月21日、長崎大学にて『超現代版「生き方・働き方」変化の時代を生き抜く人々へ』と題した講演会が開催されました。

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3歳児レースを走り続けられるか

半田:与沢さんの雑誌を作ったあと編集に移って、双葉社時代に他社の社長である見城さんの本を出版されてますよね。そのきっかけってなんだったんですか。

箕輪:俺は見城さんのことが好きだったからね、ずっと。

半田:箕輪さんはいきなりトップオブトップというか、すごい大物の方といきなり仕事をされていますよね。最初から高いレベルに飛び込んでいくことが大事なんですか?

箕輪:方法論としてはそうなんだけど、結局俺が仕事をしたいと思った人が、本当にたまたまトップだったってことが大きいね。その人が三流の人でも俺が本当にこの人の本書いて欲しいと思ったらそっちに行っただろうけど、俺が本を書いて欲しいと思ったのはホリエモンであり見城さんであり、本当にトップオブトップって言われるような人だった。

けど、だからといってそれで怖じ気づいたりしないって感じで。好きな人がちょっと遠かろうがあんまり関係ないよね。

半田:そうなんですね。やっぱりトップオブトップは違いますか?話していて。

箕輪:そんなに違くないんじゃないかな。でもわかりやすくいうと、そのまんまだよね。子供みたいっていうか、誰も何も気を使わないしルールとかも関係ないし。

ホリエモンとかわかりやすいよ。あのね、僕こんな感じじゃないすか。だからすげー酔っ払ってホリエモンとの対談とかいくわけですよ。

半田:酔っ払っていくんですね(笑)。

箕輪:そう。沖縄の時とか、泥酔して短パンでサングラスかけて超派手なTシャツ着て、ういーっすホリエモンって感じで行ったら、俺突っ込んでくれると思ったの。「おい酔ってんじゃねーよ」とか、「なんだよそのTシャツ」とか。裸足だったしね。でも一言も突っ込まれなくて。

場所は変わって東京で、NewsPicksが開催した晩餐会っていう、日本を背負って立つ30人くらいが集まってた会があって。さすがに晩餐会だからスーツな訳ですよ。ホリエモンは晩餐会に呼ばれてたのに来てないの。でもやっと三次会で合流したんだけど、その瞬間にホリエモンにネクタイをぶんって引っ張られて、「おいなにダサい格好してんだよ」って言われて。

「晩餐会ですよ」って言ったら、「まじだせぇな。俺はドレスコードありって招待状に書いてあった時点で行かないこと決めたからな。お前何そんなだせえルールに負けてんだよ」とか言われて。え、ちょっとまって、俺あんな裸足と短パンで酔っ払っても注意されないのに、スーツ着てこんな怒られるのって。

あの人はちょっと異常だけど、自分であることをひたすら突き詰めてるってことだよね。それが一流の人の特徴なんだよね。人生って自分っていうものを曲げないでどこまでいけるかの競争だと思うんだよ。俺はよく3歳児最強説って言ってるんだけど、一流の人って全員3歳児みたいなの。本当にやりたいことやるだけだし、わがままだし、怒るし泣くし喜ぶし、全力でね。

でも人って、どこかでみんな常識やルールを知って3歳児レースから脱落していくの。そこから脱落せず3歳児でい続けた人がある種一流って言われている人だし。その辺は良くも悪くもあるんだけど、ありのままでむき出しの自分でいるって感じだよね。トップの人っていうのは。

半田:そうなんですね。でもやっぱり社会に出たら、一度ルールにはまってしまうとそこから抜け出すのはすごく難しいかなと思うんですけど、箕輪さんはどうやってルールから出れたんですか?

箕輪:ルールから抜け出てるかな?なんだろうなあ。

半田:自分を貫く力というか。

箕輪:やっぱね、意地っていうわけでもないけど、常にそれ意味ありますか?っていう目線を失わないようにしていたね。社会人1年目でマナー研修っていうのを受けさせられて、日報を出さなきゃいけなくて。それを『マナー研修という名の茶番劇』っていうタイトルにして、いかに茶番だったかを書いたら死ぬほど怒鳴られた。

半田:それは(笑)。

箕輪:でもね、本当に茶番だった。俺は本当にマナーないから、むしろマナー学びたいと思って行ったの。なんなら早起きしてさ、今日マナー学んじゃうぞってくらいの感じで期待満々で行ったんだけど、謎の自己啓発セミナーみたいな「あなたたちは仕事に何を求めますか?」みたいな内容で。

日報ってそもそも現場の意見を報告するためのものじゃん。だから「マナー研修で名刺の交換とか電話とかメールとか、そいういうものを1日で学べると思って期待して行ったのに、全くそういうんじゃなくて、すごいがっかりした。こんなのは研修費の無駄遣いだから来年からはやめたほうがいいと思います」って書いたの。

半田:正直ですね、すごく。

箕輪:そういうリアルな意見が本来日報に求められてることでしょ。なのにさ、死ぬほど怒鳴られてさ。その役員は俺の日報を読んでないの。単純に箕輪がそういうの書いたっていうのだけ聞いて、怒鳴りに来た感じだった。

「お前茶番ってどういうことだ!」、「いや、茶番でしたけど…」みたいな。っていうのは、俺はずっと変わらないね。結局それ言えなくなったらもう本当に社畜というか。俺がサラリーマンになった10年前くらいはある種キワモノだったと思うけど、これからは会社という概念を外して一個人として名を成していかないと生き残れないから。だから自分の言葉を持つっていうのは常に必要だよね。

半田:自分の言葉を持つ。

箕輪:うん。自分の考えをきちんと言語化するっていうのは大事ですよね。

今を楽しめ・勘違いしろ・タガを外せ

トークセッションが終わり、続いて質疑応答に。

質問者:私はこの春大学生になったんですが、大学4年間でしておくべきだと思うことを3つ教えてください。

箕輪:何になりたいんですか? どうなりたいかによって全然違うと思うんだよね。

質問者:仕事は決まってないんですけど、何か暇じゃない忙しい仕事がしたいです。

箕輪:なるほどねえ(笑)。一つ目はとにかく楽しく生きるということ。結局、俺が思うのは、将来のためにとか老後のためにとかっていうのはちょっと違って、今一瞬の人生なわけだから、何かのために就職のためにと言うのもまた違う。この瞬間が楽しいっていうのが一番の価値。それはかけがえのないことだから、今この大学生活が超楽しいというふうにする。

だから「今は辛いけど、就活のために頑張ってるんだ」みたいのはいらないと思う。とにかく今楽しい、大学最高!みたいなのをちゃんと過ごすのが大事。楽しくない人がいてもしょうがないかもしれないけど、大学楽しいというのは大事なころ。それは会社員だろうがなんでも、今が楽しいということに勝るものはない。

二つ目は、外に出ないで「私、最強」みたいな勘違いをすること。よく色々な人と話すんだけど、成功している人って大学時代にやるべきことで社会に出ろって言うのよ。世界を知れ、自分の未熟さを知れ、自分の言っていることのちっぽけさを知れみたいな。でも俺はいつも違う。本当に内輪でいいと思う。俺、本当に大学生の時大人と話すの嫌だったから。おっさんに興味ねえよとか思ってた。

すげえ小さな10人くらいのグループでずっと同じような話を酒飲みながらして、毎回同じオチの話をして、わーって笑うような最悪の内輪の集団。でも、それでどんどん根拠のない自信ができてくるわけよ。俺って話面白えなとか。

よくバカにされる自意識が肥大化した奴だったけど、俺は学生の勘違いっていいと思っている。勘違いみたいなものがあって初めて自分の強みとか、何かに生かしたいと思うわけで、あまり初期の段階で大人とか世界とかから相対化されて、自分を凡人だって知ることがある種いいことかもしれないけど、俺は自分の人生としてはそうは思わない。

三つ目はやっぱり海外旅行とかかな。俺はインドとかカンボジアとか海外を一人で旅するのが好きで、本当に修羅場みたいなもの…監禁されたりすることもあった。

要は色々なハチャメチャな体験をすることによって自分のタガが外れたり、さっき言ったこととちょっと真反対なことなんだけど自分の限界を押し上げたり視野を広げるみたいなこと。

それが俺は世界に出る、一人旅するってことだったんだけど、(人それぞれ)他の方法もあると思う。とにかく友だちとつるんで根拠のない自信を醸成するっていうのと、孤独になって一人で何かを突き詰めるっていうことかな。この両方をやるっていうのが大事なような気がします。

質問者:はい。参考にさせていただきます。

箕輪:(笑)。 ありがとうございます。

(次回に続きます)

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テキスト 原汐里 石川遼(🏌️‍♂️ではない方)
編集 篠原舞

バナーデザイン 山口ともみ

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