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何かが「ない」ことは武器に変わる

5月27日、滋賀県長浜市にて「幻冬舎編集者 箕輪厚介氏に聞く!これからの時代の生き抜き方@滋賀」と題した講演会が開催されました。開始前から沢山の質問が寄せられており、それに答える形で講演は始まりました。

やったことがないことを選択し続けろ

司会:箕輪さんがワクワクすることってどんなことですか?

箕輪:ワクワクすること?

司会:オンラインサロンや書籍の編集など沢山のことをされていますけど、今一番ワクワクすることは何ですか? また、ワクワクしたことの共通項は何ですか?

箕輪:わからないけど、 やったことないことかな。何十万部の本を作っても、また同じことをしてたらワクワクしない。例えば、一万部しか売れなくてもやったことない方法で作ったら面白い。長浜(滋賀県の市)の居酒屋行って楽しかったのは、行ったことないから楽しいわけ。(ワクワクするのは)未経験のことをすることかな。

司会:なるほど。好奇心が強いんですか?

箕輪:好奇心は強いのかな。てか、特に仕事においては同じことしてもあまり意味はないですからね。もうやったことじゃん!って。

司会:仕事をルーティンでやらないといけない人はいると思うんですけど、そういうところで同じことをしないようにはどうしたらいいでしょうか?

箕輪:それは大事だと思う。同じことをしていると成長しないので。ルーティンになるってことは慣れたってことだから、自分が成長したってことでもあるんだけど。ただサラリーマンで定年までするとなると…。

永遠に会社が潰れないならまだしも、今の時代ルーティンになった瞬間ちょっと違うなって思う習慣づけをするのは大事な気はしますけどね。

司会:その感覚を持つということですね?

箕輪:会社にとっては利益になっているけど、自分は何も成長してないわけだから。ルーティンって言っても、イチローみたいに周りから見たら毎回素振りして道具磨いて同じことしてるじゃんって思っても、自分の中で新しい発見があるならいいと思うんですけど。全く同じこと繰り返しているのは、せっかくの人生だから勿体無いよね。

独自性を貫き、戦え

司会:箕輪さんは現在、地方巡礼と言って講演会をされてますが、地方のどういうところに着目しているんですか?

箕輪:地方の可能性ね。長浜って凄く魅力的なのに(シャッターが)閉まっている率半端ないよね(笑)。どんだけ閉まっているのっていうぐらい閉まってますよね。

司会:長浜に到着してからずっと「びっくりしてる」って言ってましたよね。

箕輪:閉まりまくりのシティですけど(笑)。なんだろうな、魅力。落合陽一とかが言っている一般論だと、2020年までに自動運転になる。そうなると移動という概念が変わって、こうやって喋っている時に移動もしていられる。ハンドルを握る必要がないから移動時間を別の時間に充てられる。

それと同時にスカイプとかがもっと便利になって、電話のようにタイムラグなく繋がるようになると、間違いなくテクノロジーの力で地方という概念が大きく変わるだろうなぁってのがあって。

そうなるといい所に住みたいってのは間違いないでしょうね。温泉がいいからここに住みたいとか。昔だったら、田舎に住んでも働けないじゃんってあったけど。

司会:ありましたね。

箕輪:立地が気持ちいいとか、住みたい場所に住んでもビジネス的に最前線で働けるようになるから、相対的に地方の価値は確実に上がりますよね。そうなってくると地方は独自性で戦わなくてはいけない。すげぇマニアックでもいいんだけど、この地方はこれが凄いみたいな。

逆に言うと、あまりディスるとよくないですけど、仙台にこの前行ったら東京の劣化版にしか思えなくて。要は、東京っぽいけど少し不自由で店が少ない東京みたいな。ちょっとした都市なんだけどさ。そういう所ってむしろ住む理由がなくなったりする。

長浜とかは意味分かんないほうがいい。意味分かんないって言ったらあれですけど、柴犬が可愛いとか、川が綺麗とかここに住んでいる自分が落ち着くとか。独自性があるほうが絶対強くなるから。

独自性を今の若い人たちが発見してより強くしていくことが大事ですよね。自分で住んで生きているからこそ分かるこの土地の魅力だったり、歴史を紐といたら分かるこうすべきっていうストーリーだったり。そこから魅力を作っていく。

それがはっきり言って凄くマニアックでもいいと思う。東京的な感覚と違ければ違うほどいい。そういうふうにすごい独自性があれば再発見される流れになる気がしますけどね。

箕輪編集室をセーフティネットに

司会:地方の独自性に注目した上で、「これがやりたい」というものはありますか?

箕輪:リバ邸っていうCAMPFIREの家入一真さんがやっているシェアハウスみたいなのがあるんだけど、箕輪編集室とコラボしようと。リバ邸とお金を半々出し合って、地方で物件を借りて管理人を決めて『みの邸』を作ろうと思ってる。

例えば「長浜で10万円でいい物件ありますよ」って誰かが紹介してくれて、こっちがいいなって思ったら、箕輪編集室とリバ邸で5万円ずつ出し合って物件を借りる。時間ある人ややる気ある人を管理人にする。10万円だから家賃2万円で5人集めてトントンになればいい。

箕輪編集室は月約6000円なんだけど、箕輪編集室に入ってて、プラスで『みの邸』に入るのに2、3万円払えればいい。要は月3、4万円払えれば死にはしないよね、という状況を日本全国に張り巡らすことができれば、相当世の中変わるんじゃないかなぁと思ってる。

東京に出てきてない人にはわからないかもしれないけど、東京って普通に暮らしていたら月15〜20万円ぐらい必要ですからね。

司会:家賃がすごく高いですからね。

箕輪:基本的に生きるために働かざるを得ないみたいな。単純に東京に出てきて、がむしゃらに働いて、やっと暮らせるギリギリみたいな。そういう世の中だと多分、自分が本当にやりたいことや、自分のクリエイティブな感覚や創造性は発揮できないと思う。

だから、死にはしないという状況を作ったほうがみんなすごく個性的な才能を発揮すると思ってる。例えば、『みの邸』をやったとして、管理人になったらタダとかそういうふうにすれば。

司会:いいですね。

箕輪:やりたくないことをやってがむしゃらに働いて我慢して生きるって、何のために生きているか分からない気がする。食うためとか生きるために働くのはとりあえず必要といえば必要だけど、そのハードルを下げるってことですね。

食うとか生きることは余裕でできるっていうふうにして、そのあとにやりたいことや好きなことに邁進できるような環境を整えたい。だから、色々地方を回ってこういう風に話して、賛同できる人を増やそうかなって感じですね。

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テキスト 壁井裕貴

編集 大原瞬

バナーデザイン 山口ともみ

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