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オンラインサロン辞めます!


感謝と謙虚の男。箕輪厚介です。

突然ですが、2月末をもって、オンラインサロン箕輪編集室を辞めます!

この投稿で初めて知る人ばかりだと思うのでいきなりごめんなさい!

きっかけは、鈴木おさむさんの「仕事の辞め方」
を編集したことです。

自分の大切なものを辞めることで、新しいスペースを作る。

そんな鈴木おさむさんを見て、僕も大切な何かを辞めたいと思っていました。

で、何を辞めようかなと思った時に箕輪編集室が思いつきました。

最近の箕輪編集室は、僕が気まぐれで文章を投稿する場所になっていて、その割にそれなりの月額収益が振り込まれていました。

登録してるのも忘れてるみたいな人も多分多く、このままダラダラ続けたほうが都合が良かったんですが、辞めると決めた瞬間に「絶対そうするべきだよな」と思って、一気に辞める体制を整えました。

その理由は後述します。

まずは箕輪編集室にかかわってくれた全ての人に心からの感謝を伝えます!

本当にありがとうございました!

僕は箕輪編集室で人生が変わりました。

2017年6月に始めたときは、お金もなく大した実績もなく、人生を変えるきっかけを探し続けてました。

箕輪編集室を作ったことで、そこから多くのプロジェクトが生まれ、本のヒットを出て、収益的にも恵まれました。

たくさんの出会いもありました。

この七年間の思い出のほとんどが箕輪編集室絡みで、人生の大半を占めていました。

本当にありがとうございました!!

箕輪編集室のOB.OGメンバー打ち上げをやろうと思うので色々話しましょう!!

そのときに、改めて感謝を伝えます。

さて、ここから先はオンラインサロンについての考察とこれからです。

興味ある人は読んでみてください。

オンラインサロンとは


オンライサロンとは何なのか。
いかにブームになり、現在どんな状況で、これからどこに向かうのか。
僕なりの目線で話していきます。

オンラインサロンが生まれ、ブームになっていたのは何故か。何が魅力で強みだったのか。


①ダイレクト課金


まず、新しかったのは、好きな相手にダイレクト課金ができるコミュニティだということです。

当時はまだ、個人がフォロワーから直接お金をもらえる、というのが衝撃でした。
今では当たり前すぎて、時代のスピードの速さを感じます。

ダイレクト課金の仕組みが出来たことで僕みたいな少し有名なサラリーマンでも稼げるようになりました。多分当時フォロワー数万人。

月額5000円で初期メンバーの10人がすぐ集まったときの感動は大きかったです。

サラリーマンとして月給5万アップすることはとても大変なので、貧乏だった僕は箕輪編集室を第一に頑張ろうと思ってしまいました。

大物ゲストを呼ぶ定例会を軸に頑張ってメンバーが100人くらいになったときには、氷結のロング缶かショート缶で悩むみたいな金欠状態は脱しました。

そして、お金どうこうより、編集者としてこのコミュニティをいかに活用していけるかを考えるようになりました。

②ヒットやバズの熱源になる

コミュニティマーケティングとでも言うんでしょうか?

コミュニティをヒットの熱源にしていきました。

本の場合、SNS以前は本屋さんに平積みにされることや新聞広告を出すことが最大の宣伝でした。

しかし、本屋さんも新聞を読む人も減っていく中、僕が作るような若い人向けの本はなかなか売るのが難しくなりました。

そこで、20.30代のビジネスパーソンのフォロワーを持つ人に本を書いてもらったり、SNSで拡散してもらうことを頑張りました。

そんな中、堀江貴文さんの『多動力』を堀江さんのオンラインサロンメンバーと一緒に作るというトライをしました。

すると、それが仮に30人でも、それぞれが熱を持って発信することで小さな熱源を作り出すことが分かりました。

Twitterなどで、ウィルスが増殖するが如く発信がバズり、本の売りにつながっていきました。

『多動力』は僕の最初の大ヒットで30万部近く売れました。


②やり甲斐が報酬になる

箕輪編集室は、この堀江さんのサロンでの成功を再現するために生まれました。

僕は当時ニューズピックスブックの編集長として毎月一冊出していました。

完全に人手が足りないこともあって、
箕輪編集室メンバーと一緒に本を作る。
そしてみんなの発信を熱源にしバズらせるという作戦です。

これが完全にハマり「出せば売れる」みたいなビジネス書ブームが始まりました。

また「やり甲斐搾取」という言葉が生まれたのもこの辺りです。

世の中の会社が人手不足や退職で悩んでる中、
箕輪編集室やではお金を払って死ぬ気で働いているメンバーがたくさんいました。

そんなことが何で起きるのか。

僕が編集した『モチベーション革命』尾原和啓
ではこう書かれてます。

欲望は5つある。

達成、快楽、良好な人間関係、意味合い、没入。


今の50代以上は達成と快楽のために働く。それは生まれた時にまだ日本が物質的に貧しく、大きな数字を達成し、物理的に具体的に快楽のご褒美を得ることに渇いているから。

しかし今の30.20代以下は生まれた頃からある程度豊かであったため乾けない世代であり、
達成と快楽と同じかそれ以上に
良好な人間関係、意味合い、没入に重きを置く。

この欲望の変化にも箕輪編集室はハマりました。

同じような価値観の仲間と、本を作ってヒットさせるということに意味を感じ、そこに没入する。

みんなで作った本がヒットする、そうすると仲間が増える、するとさらに大きなヒットが出るというスパイラルに入っていきました。

コミュニティとは本来的に内と外に壁を作るもので、アンチが増え、アンチが増えるほど内が結束するという新興宗教的な熱狂が起きていたのもこの時期だと思います。

オンラインサロンの衰退  


いまオンラインサロンは全体的に衰退期に入っています。

箕輪編集室もそうですが、メンバーの数もアクティブ度も全盛期の半分以下になっているところがほとんどだと思います。

なぜでしょうか?

①ダイレクト課金手段の分散化

オンラインサロンブームの時期は色んなオンラインサロンが生まれました。

それはそうです。

お金を払って熱狂的に働きながらバズが起こってモノが売れる。これは魅力的です。

ビジネス系インフルエンサーがこぞってオンラインサロンを始め、市場が飽和していきました。

しかし、その辺りでコロナに入り、巣篭もり需要によるデジタルコンテンツの盛り上がりでオンラインサロンも潤います。

しかしながら、コロナは同時にオンラインサロン衰退のきっかけにもなりました。

コロナがあらゆるコンテンツのデジタル化を促すきっかけにもなり、オンラインサロンもコモディティ化していきます。

無料のデジタルコンテンツが充実し、YouTubeのメンバーシップなども始まります。

デジタルコンテンツの可処分時間の奪い合いの中でオンラインサロンメンバーのアクティブ度も一気に下がります。

また主宰者であるインフルエンサーもコンテンツの出し先が増え、オンラインサロンだけに濃いコンテンツを出すということがなくなっていきます。

そうなっていくとオンラインサロンは参加型からコンテンツ型へと移行し、みんなで激しく働きバズを生むのではなく、主宰者の投稿を読むメルマガのようなスタイルに収斂されていきます。

結果的にオンラインサロンの独自性がなくなり、

よりコミットしたいならより高額な顧問などの方向に、コンテンツが見たいなら無料や低単価なものにと、分散していきました。

僕自身、全体の収益は上がってますが、オンラインサロンの収益はポートフォリオで見た時に相対的に下がっています。

②Facebookオワコン問題

上記のダイレクト課金の分散化と同じように、Facebookオワコン化が始まります。

ハードの盛り上がりがソフトの盛り上がりを決めます。

力道山はテレビがあったから生まれ、朝倉未来はYouTubeによって誕生しました。

オンラインサロンのほとんどはFacebookを利用しており、Facebookを若者が使わないことにより、新規メンバーの流入がなくなります。

代わりに若い新しいファンはYouTubeなどをフォローします。

オンラインサロンは基本的に退会率を新規参加率が相殺してメンバー数を維持しているので、
Facebookがオワコンになったことで新規が減り、微減が続くようになります。

③意識高い系ブームの終了

さらに価値観の変化も起こりました。
ビジネス書ブームやオンラインサロンブームが意識高い系と揶揄されていたように、

自分をアップデートし成り上がるというような弱肉強食的な価値観がこの流れを後押ししてました。

しかし、コロナになり、世の中が停滞し不景気になっていったところで、こういったイケイケな価値観は鳴りをひそめます。

かわりに、ひろゆきさんなどの、「あなたは頑張っても特別になれませんよ」といった現実系、冷笑系が支持されていきます。

さらに進むと、成田さん、ガーシーさんなどの破壊系、革命系が人気になりました。

まあ、このあたりの価値観は常にシーソーのように揺り戻すものなので、最近の株高などの影響でなんとなくまたイケイケな感じに戻ってきていると思ってます。

●オンラインの課題とこれから


ここまでオンラインサロンの隆盛と変化を考えてきました。

ではこれからどうするか考えていきます。

報酬がやり甲斐だと持続しない

課題の一つはインセンティブがやり甲斐になっていたことでした。

前述したように「やり甲斐搾取」と揶揄されたりもしますが、若い世代はむしろ金銭よりやり甲斐を求めていることも事実です。

一方で、報酬がやり甲斐だけだと、持続可能にすることは難しいことにも気付きました。

たとえば箕輪編集室でデザインや動画を学び、著名人の本のデザインやプロモーション動画を作る。

最初は刺激的な体験だし、学びもあるし、実際の仕事にもつながる。

しかし、ある程度スキルが身につくと、それが日常になり、本業になっていく。

そうすると本人としては箕輪編集室での仕事より本業に比重を置くようになります。

何者でもなかった若者が、やり甲斐を求めてスキルを身につけ、キャリアを作っていくというのは理想なモデルではありつつも、

コミュニティの報酬がやりがいだけだと、なかなか活動を持続可能にしていくのは難しいなと思いました。

個人の影響力の限界

またコミュニティの大きさが僕の影響力に依存する限界にも気がつきました。

僕の知名度や人気に応じて人数は増えていき、一番多い時には3000人近くになりました。

ただここが限界です。

僕のことが好きで、僕との活動にやり甲斐を感じる、その人数はここが天井だと思います。

僕が死んだら終わるし、僕が元気じゃなくなるとコミュニティも如実に元気じゃなくなります。


トークンコミュニティの可能性

やり甲斐が報酬だと持続せず、
僕の影響力がスケールの限界。

これを解決するために、いわゆるコミュニティトークンみたいなのを発行して、コミュニティメンバーの貢献度に応じて、やり甲斐にプラスして金銭的なインセンティブも得る形にしたい。

それができたら最高だと思い、これまで何度もチャレンジしてきました。

コミュニティトークンを発行するスタートアップに投資しコラボしたりもしましたが、なかなか機能しませんでした。

簡単に言えば時代が追いついてなかった。

便利なアプリもなかったし、世間のリテラシーや法律も追いついてなかった。

しかし、今、フィナンシェというサービスがバズっていてトークンコミュニティが上手く回りそうな予感がしてます。 

箕輪編集室での経験をベースにして、最大級のトークンコミュニティを作ろうと思います。

この構想についてはまた別の機会に書きます。

コンテンツや発信方法はプラットフォームの変化に合わせてどんどん変えていくべきです。

しかし、オンラインサロンのようなコミュニティはそこに人間関係があるし、サブスク収益があるのでなかなか辞めにくいです。

でも、箕輪編集室のコンセプトは「考える前に飛べ」であり「死ぬこと以外かすり傷」です。

だったらそれを遂行するまでです。

本当に七年間ありがとうございました!
いきなり始めて、いきなり辞めてごめんなさい。

また一緒に新しいことをやりましょう!

これからもよろしくおねがいします!



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