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人生で一冊は本を出そう 【箕輪厚介「本のつくり方講座」第一回ダイジェスト】

数々のベストセラーを世に生み出してきた編集者、箕輪厚介が本気で届ける「本のつくり方講座」

全5回に渡って、本を出す意味やタイトルの付け方、出版する時に知っておいた方がいいことから、売り方まで。常に、最前線に身を置いてきた編集者だからこそ伝えられる内容です。

もはや伝説となっているこちらの講座のアーカイブを販売することになりました!

販売にあたり、箕輪自身による「商品説明会」を開催します。
6月26日(月)20時よりオンラインで。

お申し込みは、こちらから!

この記事では、アーカイブ動画販売を記念して、全5回の講座のダイジェストをお届けしていきます!

第一回は、”人生で一冊は本を出そう”ということで、本の価値や出版する意味、出版の種類などを編集者ならではの裏側トークを交えて解説しています。

本には、人生を変えるほどの力がある

もともと情報伝達装置として強い影響力を持っていた本ですが、インターネットが登場し、スマートフォンで気軽に情報にアクセスできるようになり、相対的にその力は弱まってきました。

しかし、本には「洗脳装置」としての強みがあると箕輪は言います。

一冊の本を読み終えるのには、おおよそ10時間ほどの時間が必要です。つまりは10時間もの間、人を没入させる力があるとも言い換えることができます。
タイムパフォーマンスの時代と言われる現代では、TikTokであれば一本あたりに費やす時間はたった数十秒。本は確かに時代遅れな存在ですが、逆説的に人の時間を奪えるメディアでもあると言えます。

閉じては読み、読んでは閉じを繰り返すうちに、日常生活の隙間隙間に入り込む。そうするうちに日常と本の内容がリンクし、感情の中に染み入ってくる。
受動的でいられる映像と違い、活字は能動的に自分の人生とリンクさせながら読まなければなりません。情景や表情を、自分の頭の中で再現する必要があるのです。

すべてがライトになっていく時代、ものすごく不便で、コストも時間もかかるからこそ、本には人を洗脳するくらい、人生を変えるくらいの力があるのです。

本を書くことで、自分の”コア”に出会える

何冊もの本を編集してきて、箕輪は、書き手自身が自分の人生ととことん向き合う姿を見てきたそうです。

「呼ばれる」ビジネスパーソンの代表のような存在の田端 信太郎さんは、『ブランド人になれ!  会社の奴隷解放宣言』の出版後、会社を離れ、個人として活動をしています。

本を書く過程で、サラリーマンとしての自分と個人として世の中に発信していく自分とに向き合った結果、田端さんが本当に大切にしている「自分の言葉で世の中に伝えていく」というコアの部分に出会えたことが、今につながっているのかもしれません。

本を書くということは、「結局、何が言いたいんですか」ということを突き詰める作業です。伝えたいことはたくさんあっても、幕内弁当的になると何も伝わりません。結局、一言で言ったら何なのか。その一言がタイトルになるのです。そして、ありとあらゆるエピソードをタイトルで串刺しにして伝えるのが、本です。

箕輪は、学生時代にインドで監禁された体験があります。何とか逃げ出した後、ふと目についたインターネットカフェに飛び込み、当時流行していた「mixi日記」に顛末を書いて投稿し、友人界隈ではかなりバズったそう。

これが原体験となり、自分からトラブルにあって面白いネタを探しにいくような人間になったのだと言います。
少々の危険やトラブルだったら自分から飛び込んでいってネタにする。安定思考の若者たちに、そういう考え方もあるよと伝えたいというのがその時の箕輪の「コア」であり、後に出版した『死ぬこと以外かすり傷』につながっていきました。

人生のエピソードを洗い出して見つけた自分のコアを通して人生を並び替え、一つのパッケージ化された作品にすることができる。それは、著者にとって宝物になります。
時間も、思いも、膨大なコストをかけてつくるからこそ、本には人の人生を変える力があるのです。

本が持つ、信頼という魔力

もともと強い影響力を持っていた本ですが、インターネットの登場により相対的にその力が弱まってきたという流れがありました。

しかし、本には依然として、ある「魔力」が存在しているのです。


10万字以上の文字数があり、制作には半年以上かかる上、著者だけではなく編集者、ライター、デザイナー、そして流通など、一冊の本にはたくさんの人が関わります。誰でも発信できる時代だからこそ、手間のかかる本を出すことのできる人は「立派な人だ」と認識されるのです。

出版をすると講演会のギャラが上がったり、弁護士や税理士などの士業の方も格が上がると言われています。これは言わば、個人としての「上場」のようなもの。
「本を一冊出している=信頼できる人」という魔力のために、本を出すということを一つのプロモーションとしてとらえることもできます。

商業出版or自費出版、「本」をどのようにとらえるか

出版すると一口に言っても、いくつかの種類があります。
出版社からお願いされ、印税が発生する形で本を出す商業出版、自分で制作費用を出して本をつくる自費出版、そして、箕輪が名付けたステルス自費出版など。

まず商業出版ですが、実は基準はあいまいで、出版社に寄る部分が大きいです。ざっくりと、「7,000部で、7割売れる」が最低ラインだそう。大体、5,000人は確実に買う読者を持っているかどうかが、声がかかる目安です。

ポイントは、お金を払うファンがいるかどうか。フォロワーが多ければいい、知名度があればいいというわけではなく、あまり知られてなくても一瞬でライブや握手会のチケットが売れてしまう地下アイドルや講演家などのほうが強かったりするのだそう。

もちろん、過去の出版実績やフォロワー数、知名度などももちろん見られます。ようは、出版社が赤字になるようだと商業出版は難しいということです。

次に、自費出版です。
こちらも出版社によって異なってきますが、例として以下のように挙げられました。

750万(1,500円×5,000人)+編集費+出版社のブランド代
=大体1,000万が相場

1,000万を広告費として考えた時、高いか安いかは人によります。しかし、これまで述べてきたような本の持つ力を考えたら、自費出版だからやめた方いいとは一概に言えません。

3つ目として、一見して自費出版には見えない自費出版もあります。
箕輪が「ステルス自費出版」と呼んでいるものです。普通の商業出版のように見えますが、著者側がある程度制作費を出して本をつくるスタイルです。

自費出版レーベルは基本的にお金を出せば本をつくることができますが、ステルス自費出版は、著者の力、編集者もしくは出版社との関係値によって決まります。
条件も柔軟で、制作費や宣伝費を負担するケースや、本をある程度の数買取するなど様々なケースがあります。

一般的に、自費出版では書店に本が並ぶことはほぼありません。
基本的には売れませんが、名刺代わりとして配るなど、ブランディングの一つとして考えると、「一冊は本を出す」ことの意味は大きいと言えるでしょう。

出版の機会を最大化するために、本のつくり方の知識を持っておこう!

お金も時間もかけて本をつくるのであれば、その効果を最大限狙いたいもの。
結局、本をつくる際には編集者の力量が大切ですが、自費出版の場合、望んだような編集者がつかないケースが多いそうです。

自費出版は、基本的に売れません。そのため、面白くしようというインセティブが編集者の側にないのです。最初から出版社の利益が確定していることもあり、仕方ない部分もあります。

そのため、自費出版では自分で「本のつくり方」に対する知識を持っておくことが重要です。


次回以降、具体的な「本をつくる時に持っておきたい知識」について解説していきます!

様々なメディアがある中で、出版は、人生を変える価値を持っています。
たくさんの著者と本をつくってきた箕輪は、本を出した後にビジネルがスケールしたり、その人自身がぐわっと上がっていく姿をよくよく見てきたと言います。

成長のためには、「自分とはつまりどういう人か」にとことん向き合う経験が欠かせません。そこを言語化できたら、自分の強みを認識してアクセルが踏めるのです。

つくる過程で自分と向き合い、人生の核を見つけることができ、それを一つの作品にできる本というもの。
人生で一冊は、本を出してみませんか?


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