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「悩み抜いて課題を乗り越えた時がめちゃくちゃ美しい」 遊びチーム・三浦佑介 #みの編LEADERSの素顔

憧れの蜷川幸雄さんの厳しい指導を乗り越えて、現在舞台演出家として活躍している遊びチームリーダーの三浦佑介さん(以下.三浦王子)。

そんな三浦王子に、「今後遊びチームをどうしていきたいか」「人生の自分ゴト化」「仕事ゴコロに火がつく瞬間」などを聞いてきました。

(取材時:2021年2月)(聞き手:佐藤圭

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ーーみの編に入った経緯を教えてください。

入ったのは2018年です。
僕は作家として活動していて、箕輪さんのプロジェクトに参加したらおもしろそうだったので、思い切って参加しました。その時はみの編に入るには人数制限があり、一ヶ月待ってなんとか入会できたという状況でした。

ーー三浦王子は遊びチームのリーダーをされていますが、どういった経緯でリーダーをやることになりましたか?

元々人前に立ってする仕事なので人々を楽しませたりすることが好きで、誰もやらないから僕から立候補した感じですね。リーダーになる前もイベントで司会とかもやっていました。

やってみて分かったのは、意外とみんな人前に立ちたくないんだなってことです。僕はしゃべりたくて仕方がなかったので、とても楽しいですよ。

ーーリーダーをやられてどれぐらい経ちますか?

だいたい2年です!

ーー結構長いんですね! 今リーダーとして考えている事はありますか?

失敗できる場所にしておこうという思いはありますね。自分でプロジェクトを始めるにもやっぱり失敗って怖いなって思いますが、安全に失敗できたらチャレンジしやすいので、失敗が許される場所をつくりたいです。

演劇の稽古場も同じなんですよね。
役者さんとかにも「安全安心の失敗空間」と言っています。でも最近思うのが、チームに共通言語がないのは難しいなと思いますね。
地方やキャリデザには共通言語があると思いますが、遊びには特になく、作ろうともしましたが意外と難しいですね(笑) 。

これからはサウナランドの動画の脚本をやっていこうと思います!

演劇を通じて社会に足りないことを伝えていきたい


ーーキャリアについてお伺いします。今に至るまでの経緯を教えてもらえますか?

普通に高校まで進学して、もっとパッとしたいなと思い、1年間ニューヨークで演劇の勉強をして演劇大学に進学しました。
そこで蜷川幸雄さんの劇に出会いまして、それがめちゃくちゃおもしろかったんですよね。この人についていこうと決めて、ついていきましたね。当時はストーカーのように見えたかもしれません(笑) 。

それで、20代半ばに本腰を入れて役者と脚本をしつつ、本業の舞台演出家をしていました。ニューヨークに行った時はほぼ毎日演劇を見て。一日に2、3本はハシゴして見る生活をずっとしていましたね。

大学に行ってからも熱が冷めることはなく、3年生から受けられる蜷川さんの授業も忍び込んで受けていました。周りから「何だあの1年?」と思われていたかもしれませんが、僕は夢中でしたね

ーー今後はどういった仕事をしてみたいですか?

僕は元々面倒臭い人で自意識も強いし、変なところ尖っているし、そんな人間だったんですが、蜷川さんにボロボロにされる度に、もう一度勉強し直そうと思いました。

それで何度もやり直して色んなことを学べて、表情一つにしろ変えることの重要性や言葉で人を傷つけている事を、20代の頃の僕は知らなかったと思います。きちんと一つひとつの言葉や相手の気持ちを慮ることはとても大切だし、今の社会に足りてないことだと思います。

そういった要素を演劇で伝えていきたいですね。
相手の気持ちを理解するための要素が演劇にはあるので。演劇は紀元前5世紀からあるぐらいだから、奥が深いんですよ。人間臭さを研究するのが演劇ですから。
もう少しギスギスしない社会を見てみたいですね。

今ではそういった要素をコミュニケーションの一つとして、色んな方々に伝えています。そういう世界を「言葉が通じる世界」と僕は呼んでいます。演劇への恩返しなのかもしれませんね。

課題を乗り越えた瞬間が美しい

ーー三浦王子の仕事ゴコロに火が付くのはどんな時ですか?

人の成長が見られた時ですね。演劇は何ヶ月も練習するんですよ。映画とかはその場で持っている力を発揮することが求められますが、演劇は人の成長を見ることができるんです。

どんな有名な役者さんも必ず課題はあります。だから、毎回課題を見つけてあげて超えられる範囲で提示して、これを超えてくださいと言います。最初はみんな悩み苦しみますが、最後にプリッと一皮むける時が一番感動的な瞬間です。

例えば、関西チーム前リーダーのゆーじろーくんは大人数の前で話すのが苦手という悩みがあって、プリンスブートキャンプで克服しようとしました。それで少しずつ、苦手を克服できる課題を与えていきました。そして、最後にZoom演劇をお客さん入れてやった時に堂々と芝居をしていたのを見て、見えないところで泣きました(笑) 。

みんな課題を抱えててそれを乗り越える時はめちゃくちゃ美しいですよね。僕が今担当している授業でも「僕の仕事はあなた達の課題と武器を見つけることです」って言っています。
先生によっては捨てる子は捨てるのですが、僕は見てておもしろいから、みんなの課題と武器を見つけてあげるようにしています。

ーーすごくいいですね! 「人生の自分ゴト化」をするには何が必要だと思いますか?

自分で責任を取ることだと思いますね。
昔親がよく「こうすれば失敗しないよ」「こうすれば要領よくできるじゃん」と教えてくれましたが、ふと、成功体験だけが良いのかな? と疑問に思った時があり、親に「俺は俺のやり方で生きていきたいし、失敗も成功と同じで俺の物なんだ、半分を取ることはしないでほしい、やっちゃいけない失敗は理解しているし、踏み外すことはしない」と言ったことがあったんですよ。
これが、自分ゴト化において大事なことだと思うんです。

自分で責任を取れば自分にバカって言える自由があるじゃないですか。だから、人の言ったことで失敗した時は、他人を責めることしかできないから自由はないんですよね。

福沢諭吉は、「自由とは無軌道に進むことでは無くて、自分で責任を取れて人に迷惑をかけないで自分の好きなように動くことである」と言っていて、これが自由なんだと思います。

だから、遊びチームでは失敗できる場所にしたいですね。これが「安全安心の失敗空間」と呼んでいる理由です。

ーー最後に、三浦王子が頑張る理由を教えてください!

頑張っている意識はないんですよね(笑) 。ただ楽しいことをやっているだけなんです。
僕は夢中にやることしか続けられないんで、努力をしていると思うとできなくなってしまうんですよ。その夢中になれることが、演劇だったんですね! 

生徒と話をすることも演劇に繋がるので、繋がる事であれば何でもできるのかもしれません。
ゲームを止めなさい! と言われても楽しくて辞めたくないことや、箕輪さんが言う「努力は夢中に勝てない」というのと同じですね。
僕はそれを大切にしています!

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すごくメンバー思いで、多くの人に慕われている三浦王子。
ご自身が夢中になることの大切さを実感されてきたからこそ、夢中になっている人を見捨てずに面倒を見る優しさがあるのだと思いました。

「安全安心の失敗空間」だという遊びチーム。リーダー自らの言葉でこう伝えてくれると、参加もしやすいですよね。
遊びチームのこれからにますます期待です!

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執筆・編集:佐藤圭
Web版編集:黒羽大河
バナー:なかむ

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