野球選手になるより難しい。一部のオンラインサロンのみが成功している理由
こちらは、『死ぬこと以外かすり傷』300冊購入者の限定特典である対談記事です。今回対談したのは、起業家の岡本翔さんです。
<岡本翔さんプロフィール>
福岡の大学在学中に起業し、福岡の大学生とベンチャー企業をつなげる採用イベントを主催する。誰もが自分らしく生きられる国を作るということをビジョンに掲げ、自分らしさを見つける機会の創出と、自分らしくいられる環境の創出を行う。
今年8月に上京し、新たにコミュニティビジネスやオンラインサロンビジネスを開拓しようと思案中。
12月に若手起業家と会えるバーをオープンする。来年1月には、都内でビジネスプランコンテストを開催。地方エントリーで残った5名を都内に集め、投資家へのプレゼンや都内の若手起業家25名との交流を企画している。
インフルエンサーのいないオンラインサロンはうまくいかない
箕輪:今やっていることを徐々にオンラインサロンみたいな感じに変えていこうと考えてるんですか?
岡本:そうです。コミュニティ系のオンラインサロンをやりたいです。
箕輪:最近会う人の8割ぐらいが、「オンラインサロンやりたいんですけど」って言うの(笑)。
岡本:なんで皆さんオンラインサロンって言うんでしょうか?
箕輪:理由は2つあって、1つ目は多分、新規開拓的なノリかな。西野さんのサロンや箕輪編集室とかを見てると、入会者数の変動はあれど母数は一定であるから、必死でやらなくてもいいと思ってるんじゃないかな。
2つ目は、やっぱりコミュニティの力ですよね。何をするにせよ、気心 知れた人の繋がりがあった方が確実にうまくいくし、むしろそれがないと難しいってみんな思ってんじゃないのかな。
岡本:そうですね。ちなみに僕たちがやりたいのは、オンラインサロンっていうよりコミュニティを作って、誰もが自分らしく自分の好きなことを「好き」と言えて、それを補えるというか支える環境作りなんです。
つまり、インフルエンサーが中心ではない、コミュニティビジネスをやりたいんです。
箕輪:みんなそう言うの。それ1000回聞かれて1000回考えるんだけど、分かんないんだよな...。
それがあるとすれば、フラットに全員横並びっていうパターンだと思うの。
でも、基本的にコミュニティってプロジェクトが発生しないと仲良くなれないんですよ。ただ集まってるだけだと、イベントとたいして変わらないからね。
別に面白くもないし、成長もしないし、新たな機会もない。だから、飽きて熱量が下がって、自動的に過疎化するんだと思うんですよ。
逆に、箕輪編集室や西野サロン、HIUとかはいろんなプロジェクトがあって、それを一緒にやってるとなんか仲良くなるんですよね。性格とか職業は違っても、自分の強みを生かす役割を見つけていくの。
そうするとやってて楽しいし、成長して自分の仕事にも活かせたりするから、成長実感があるんだよね。そうやって、仲間とのネットワークができることでコミュニティが強くなっていくと思うんです。
そういう意味で言うと、インフルエンサー的な旗印がないサロンは、まずプロジェクトが発生しづらいから弱い。全員横並びだと「これやりたい」って誰かが言っても動員力がないから、熱が起きにくいと思うの。
逆に、インフルエンサー的な人が「これやる」って言ったら、「やろう」って盛り上がってプロジェクトが発生しやすいんですよね。
だから、フラットな組織だとプロジェクトの発生が難しくて、プロジェクトの発生しないコミュニティは過疎化する。
あとはやっぱり、人脈やスキル、実績とかに差がないとお金は払わないですよね。例えばみの編で言うと、「落合さんと本を作るから手伝って」「ホリエモンとこれやるから誰か来て」っていうプロジェクトが起こるんです。
自分の業界で何者かになったりしないと出会えない人と、まだスキルも経験もない状態で絡める。さらに、それをきっかけに目立って自分をブランド化できる。そういうことを提供できないと、わざわざそこに集まる価値がないから難しい。
西野さんがブログで、「みんなオンラインサロンって言うけど、野球選手になるよりも難しいですよ」と書いてたけど、まさにそうだと思う。
フラットなコミュニティでは、課題を共有する
岡本:旗印である箕輪さんが「このプロジェクトやりたいからやろうぜ」って言うからいろんな人を熱狂させることができるのであって、特に実績とかがない人が言っても、人は熱狂できないということですよね?
箕輪:当たり前だけど、差がないとできないよね。
でも、1個方法があって。この前、面白法人カヤックの柳澤社長と対談した時に「旗印となる人がいない地方コミュニティってどうやったらうまくいくんですか?」って聞いたの。
そしたら、地方の課題にすでに取り組んでいる人が課題をプレゼンして、その地方に住んでいる人たちで集まってディスカッションをするんだって教えてくれた。いろんなディスカッションをすることで、みんな自分事になっていってプロジェクトチームのようになる、と。
そうするとコミュニティ化してくる。だから、旗印みたいな人がいなくても、共通の課題を解決しようというプロジェクトを、すでに取り組んでいる人と一緒にやるパターンはアリなのかな。
(次回に続きます)
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テキスト 湯田美穂 山内富美子 北村有 古口雄大 林加代子 氷上太郎
編集 國友克弥 橘田佐樹
写真 泉光太郎 遠藤稔大