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「ぶちまけろ! 己を誇示しろ!」  箕輪編集室はもっと殺伐としていていい

過激な言動は時として軋轢を生み、誤解を生む。
箕輪編集室で彼の発言が物議を醸したことは一度や二度ではない。
今でも彼のTwitterアカウントをブロックしているメンバーは多いという。

だが、それでいい。

彼の主張は至ってシンプルだ。
「ぶちまけろ。手を動かせ」
「甘いことはするな」
行間に感じるのは箕輪編集室へのプライド、そして箕輪厚介への愛。

「予定調和を破壊せよ」
「言ってはいけないことを言ってしまえ」
「バカなことにフルスイングせよ」
これらは『死ぬこと以外かすり傷』(箕輪厚介著)に書かれている文言だ。

この言葉が具現化した組織が箕輪編集室だとするならば、彼は箕輪編集室そのものだと思うのだ。賛否両論あっていい。全員が「良い」というものほどつまらないものはないのだから。


箕輪編集室メンバー紹介企画。箕輪編集室に咲く「徒花」、駒月麻顕さんを取り上げたインタビュー最終回は、駒月さん視点で語る箕輪編集室についてです。

1回目の記事はこちら

2回目の記事はこちら

箕輪編集室はそこらの社会人サークルとは違うんだよ

柳田:そういえば、駒月さんはなぜ箕輪編集室に入ったんですか?

駒月:箕輪編集室に入ったのは、去年の4月にあった「落合陽一の夜会」に参加したかったからです。彼の『日本再興戦略』は読んでいたので、入る前から箕輪さんの存在は知っていました。当時は「本を編集する人なんだ」というくらいの認識で、特別な思い入れなんかはなかったですね。

僕はもともと新しいコミュニティに入っていくことが好きなんです。ただ、僕が求めているのは、いわゆる社会人サークルみたいなノリとは違う。経歴や考え方が似ている人間同士が集まる集団には面白みを感じないんです。オンラインサロンはメンバーの住んでるところも違うし、バックボーンも年齢層もバラバラじゃないですか。そういうのが好きなんですよね。

柳田:入会してみて実際どうでしたか? 箕輪編集室の雰囲気は。

駒月:よかったと思います。僕が入会した頃の箕輪編集室は、所属する人数がドッと増えていった時期で、今とは違った形の勢いがありました。何をするにしても稼働しているメンバーの熱量がヤバかった。僕ですら「こいつらなんでこんなに熱狂してるんだ?」って思うことがありましたもん。

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駒月「あいつらヤベーよ・・」 柳田(いや、お前もな・・・)

柳田:そんな熱量がヤバかった時代と比較して、現在の箕輪編集室はどうですか?

駒月:最近になって、ようやく生き返ってきたんじゃないですかね。ただやはり去年の秋以降は停滞してたと僕は思ってます。

柳田:ほう。停滞していたと感じるのは具体的にどのような部分からでしょうか。

駒月:明確なきっかけがあったわけでもないし、誰が悪いということもないんですよ。ただ、去年の10月くらいから「今の箕輪編集室は死んでるな」って感じてました。クリエイティブであることに対しての貪欲さがなくなった。箕輪さんが言っていることの本質をうやむやにして、適当に処理しようとし始めてた。箕輪編集室の意識が総体として「内」を向き始めていた。箕輪編集室を覆う雰囲気が以前と変わってしまった。その雰囲気は少なくとも僕にとっては面白いと感じられるものじゃなかったです。

柳田:内輪感が強くなりすぎたって感じですか。

駒月:そうですね。内輪のノリで仲良くしたいだけだったら、それこそ他の社会人サークルでいいと思います。仲が良いことは全然いい。一緒に箕輪大陸を作ったメンバーのことを僕は好きですし、尊敬もしています。でも全てはアウトプットあってこそだと思うんですよ。

箕輪大陸を制作してた時に、たぶん一番キレてたのは僕なんですね。もう本当に毎日「作り続けろ」とか「甘いことをやるな」と言い続けた。それは誰か特定の人間に向けて言っていたのではなくて、全体に向けて言っていたんです。箕輪編集室はもっと殺伐とするべきだと思うんですよ。「こいつら遊んでる」って思われた瞬間に、ガチな奴から抜けていきますから。

みんなもっと箕輪厚介で遊べ! 箕輪厚介から搾取しろ!

柳田:不満を感じていたのにもかかわらず、残り続けた理由は何ですか?

駒月:それはひとえに箕輪厚介への恩ですよ。「箕輪大陸」みたいな全国で上映される映画の制作なんて普通に生活していたら絶対にできない経験じゃないですか。みんな箕輪さんのおかげです。だから受けた恩は返さなくちゃいけないと思ってます。箕輪さんを「使い倒した」経験のある人間は、たぶんみんな同じようなことを言うんじゃないですかね。組織がつまらなくなったから「はい、さようなら」という感覚にはどうしてもなれないですよ。

柳田:箕輪さんに恩義を感じてるんですね。

駒月:編集者、コンサルタント、格闘家、そして今度は歌手。箕輪さんはあれだけ僕たちがアウトプット出来る素材を用意してくれているわけじゃないですか。自分の持っている技術を活かして、箕輪厚介を最大限利用すればいいと思うんですよ。それこそ箕輪さんを遊び道具だと思えばいいんです。僕自身、箕輪さんを遊び道具だと思ってるんで。

箕輪さんを踏み台にして名をあげたのは、株式会社PYROを立ち上げた吉田タカオミや前田デザイン室の前田高志さん、ライターの篠原舞さんだったりするわけですよ。最近はああいう人たちがマジで出てきてない。みんなもっと箕輪厚介や箕輪編集室を使い倒せばいいと思うんです。

柳田:でもそれは駒月さんたちみたいに写真や動画を作れたり、デザインができるから言えることで・・・。

駒月:それは絶対に違う。別に何だっていいじゃないですか。例えば僕は今、箕輪さんに着せる服を作りたいと思ってるんです。それがメチャメチャ格好良くて、箕輪さんが着てくれて「あれは誰が作ったんだ?」って話になったら面白い。あとは歌ってもらえる曲を作るとか、食事を作るとかイベントでもいい。箕輪さんをストーキングしてその動向を毎日ツイートするような変な奴もいていいと思う。

彼の時間や衣食住をいかにハック出来るか。それこそが箕輪厚介をおもちゃにするってことだと思うんですよ。箕輪編集室なんだから、箕輪厚介を利用してやりたいことをやって名を上げるっていう行為は全然有りだと思うんですよね。

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みんなもっと尖っていい

柳田:箕輪編集室のメンバーはまず何をすればいいと思いますか?

駒月:ぶちまけることですよ。それしかないんです。今、僕は箕輪編集室は蘇りつつあると思っていて、それはなぜかというと、箕輪狂介や企業CM発表会の案件のような大きな企画がドカンと立ち上がって、外に向けて手を動かし始めたからだと思うんです。とにかく手を動かさないと何も始まらないんですよ。月に6,000円もお金を払って箕輪編集室に所属しているんだから元を取らないともったいないでしょ。

柳田:まずは手を動かせ、と。

駒月:そうです。ぶっちゃけ箕輪編集室というブランドにぶら下がってる状態ってクソださいじゃないですか。それは「不良集団に属している俺は不良だぞ」みたいな感覚ですよ。クソださい。「箕輪編集室に所属しているからクリエイティブなんじゃなくて、クリエイティブな人間が集まるのが箕輪編集室」という状態にしないといけないと思ってます。

そのためには、それぞれが何かしらの「出来ること」を持ち寄って、その全てをコンテンツにつぎ込まないといけない。それが箕輪編集室に所属する醍醐味だし、僕が考える「楽しい」ということの本質なんですよ。そのためにも、自分は何が出来る人間なのかアピールした方がいいと思いますけどね。コミュニティの中で自分の存在を誇示することは大切ですよ。

柳田:なるほど。。

駒月:もっと尖った奴が出てきて全然いいと思いますよ。運営とバトルすることだって大切でしょうし。僕なんか柴山由香さん(箕輪編集室運営メンバー)にツイッターで怒られましたもん。「駒月君は視座が低い。あなたの考え方は独りよがりに過ぎない」って。でもそれでいいんですよ。僕にバトルを仕掛けてくる奴がいても全然いいと思ってるんですけどね。でも、誰もバトルしかけてこないんですよね〜・・・。

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(いや、こえーわ)

柳田:ははは。。。なかなかいないんじゃないかなー。そんな尖った人は。

駒月:一つ面白い話があるんですけど、箕輪編集室には月に1度開かれる定例会があるじゃないですか。出席者が座る椅子が用意されていて、みんな真面目に椅子に座って、箕輪さんとゲストの話を聞いている。ただ、そんなレギュレーションを無視して、床にゴロンと寝そべって、ゲストの話を聞いている人達も一定数いる。

あれをやって許されるのは、「こいつは普段だらしなくしているけど、いざという時には何かやってくれる」ってことを証明できる人たちだと思うんですよね。定例会で規定の座席以外に座っている奴は、少なからずできる奴ですよ。願わくば、箕輪編集室に所属している人間全員にああいうふうになってほしいんです。

柳田:よぉ〜し、今度、僕も定例会で地べたにゴロンって寝そべっちゃおー。

駒月:ああ、そういう本質を全く捉えないで、形だけ真似するようなクソださい奴はマジで嫌いですね。

柳田:・・・。

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(さて問題です。この連載中、彼は何回「クソ」と言ったでしょう。。。。)

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テキスト/柳田一記新井大貴
取材・編集/柳田一記、柴田佐世子
写真/藤澤俊秀
バナーデザイン/惣島厚

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