「見つけたから見いだせる」安全安心を創りだす若きリーダーのコミュニティ論
オンラインサロン箕輪編集室には、『コミュニティデザイナー』と名乗る一人の男がいる。
箕輪編集室で活躍するメンバーを紹介する「メンバー図鑑」。「コミュニティデザインチーム リーダー こっとん」こと綿引裕也にフォーカスする第二回目の今回は、まだ何者でもない彼の、これまでの人生から紹介していきましょう。
*前編:「コミュニティデザイナーとして多くの人の居場所を作っていく」
<Profile>綿引裕也(わたひき・ゆうや) 1987年 千葉県生まれ高校ではラグビー部、一橋大学入学と共に上京し、アメフト部で汗を流した生粋のスポーツマン。広告代理店での勤務を経て、現在は教育機関で働いている。2018年3月箕輪編集室に入会。イベントプロデュースチームにてサブリーダーとしての役割である「幹事」としての活動後、コミュニティデザインチーム(以下:コミュデザ)発足と共にリーダーを拝命する。
「オンラインもオフラインもいつでもいる」
「目が笑っていない」
「Zoomのとき、なぜか部屋が黄色い」
「実際に会うと結構大きい」
チームメンバーに彼の印象を聞けば、大概上記のような答えが返ってくる。そんな中でも一番多い意見は
「包容力がすごい」
この一言に尽きるだろう。
綿引:もともとリーダー気質かというと、そうでもなくて。確かに学生時代はね、優等生な感じだったんですよ。あっでも腹黒い優等生。自分の結婚式の友人スピーチの時に、「頭のいいジャイアン」って言われましたからね。
2018年3月に箕輪編集室(以下:みの編)に入会。それまでは「何かを変えたい」という想いに駆られ、ビジネス書を読み漁る日々。中でも心を揺さぶられた本の編集者が、箕輪厚介だった。
綿引:もともとすごく頭でっかちなタイプなんです。頭で考えて、どうしようかな? こうしようかな? って考えまくって結局、何もしない。みの編に入って一番自分で変わったなと思うのは、とにかく手を上げて行動するっていうこと。行動することで何かが変わるという実感を得られたことが、大きな収穫です。
コミュニティデザインチームリーダーとしての半年間の活動の集大成とも言えるのが、2019年1月に始動するオンラインサロン「Salon×Salon」の設立。彼がここまでコミュニティデザインにこだわる理由には、たった1年前のある出来事がきっかけだった。
心が悲鳴を上げていることに気づかなかった
中途で入社した広告代理店で始まった社会人生活は、軒並み好調だった。成績も良く、時には表彰されることも。それなりの充実感と共に順調に過ごしていけると思っていた矢先、大きな転機が訪れる。
綿引:3年目に入って、関西方面に異動になったんです。そこで配属された部署がいわゆる上下関係が強い組織で、東京でちょっと実績を上げて調子に乗ってた若者は、格好の餌食だったんですよね。
プレゼンの前日、深夜に資料を全て作り直せと言われることは、もはや当たり前。
会議に出れば一挙手一投足を否定される、公開処刑のような日々。
「お前と話すだけ時間の無駄。話しかけてくるな」
面と向かって自己を否定され続ける環境を、うまく切り抜けられる人間がどれほどいるのだろうか。土日もなく毎日1時間でも寝られればいいという激務の中、自分の心が疲弊していくことにすら気づかなかった。
綿引:周りを見ても、誰にも助けを求められない。皆、自分のことでいっぱいいっぱいだったから。東京に帰るたびに、「顔が死んでるけど大丈夫か?」って心配されました。目はね、もともと笑っていないんですけど(笑)。
1年ごとに組織が変わる会社だったから、それまで頑張ろうってどうにかついていったんですけど、翌年同じチームでの続投が決まって。そこからですね、ますます当たりが強くなった。寝ようと思っても寝付けない、ふと気づくと味覚を感じない。たまたま電話をくれた中学の同級生にぽろっと話をした時に、「辞めた方がいい」って言ってくれたんです。
それまで本当に気付かなかったんですよ。この状況はやばいんだって。だって、僕には会社が全てで、この場所で頑張るしかないと思っていたから。職場での自分が、自分の99%を占めていた状態。一歩外のコミュニティの人に言われて、我に返ったんです。
ずっと自分の居場所のない辛い環境だった。もしかしたら、自分と同じような人は多いのかもしれない。
日常の外に居場所となるコミュニティがあれば。そこから居心地がいい居場所や環境を、一人ひとりに届けたい。そう願うようになった。
綿引:「あの経験があって良かった」ってようやく思えるようになりました。本当の意味で昇華できたのは、つい最近なので。2015年に結婚したんですが、それまでの状況をみていた奥さんからしたら、転職してみの編に入って生き生きしているようで良かったって思ってくれているみたいです。
1歳の男の子のパパでもある彼が、子供の写真を目の前に目尻をグッと下げて笑う。
これまでの苦難を乗り越え、今が幸せだと感じさせてくれるその笑顔に、話を聞くこちらが安堵してしまうほどだった。
コミュニティをデザインせよ!
現在彼がリーダーを務めるコミュデザチームの目的は「コミュニティ運営ができる人を増やす」こと。
綿引:最初にこの方針を定めたことで、皆が居場所と感じられる受け皿をたくさん作ったり、そこを盛り上げていくための施策を考えたり、細かくても着実にプロジェクト回していくことができました。今、コミュデザはなんかわちゃわちゃしてて楽しそうっていうイメージだと思うんですけど、実は3つのステップを設計していたんです。**1.『人とつながりを作る』2.『人とコミュニティーを理解する』3.『人と人とをつなぐデザインにする』**
例えば1つ目の「人とのつながりを作る」なら、自己紹介や懇親会でお互いを知る機会にどうしたら居心地よく盛りあがるかということを考えて実行したり。箕輪さんを目印に集まった人でも、いきなり熱量全開!みたいなのはなかなか難しいので、各々の状態を見て、徐々に温度を上げていくイメージですね。
コミュデザは立ち上げ当初から、今回の「Salon×Salon」を作るという大きな案件があったので、そこに向けての熱量を上げていくためにこの3つのステップをどう整えてチーム運営をしていくかというのが明確でした。
ガチガチにやっているようですけど、ROM専(※参加はせずに、見学している人)は大歓迎。1000人もいれば、積極的に参加できる人も、そうでない人もいる。それは本人の意思と関係なく環境によるものもありますから。これから3000人を目指していくのであれば、そういう人にも心地のいいコミュニケーション方法を、まだまだ模索していきたいですね。
一人ひとりが自分ごと化できるコミュニティを目指して
今でこそ、リーダーとして多くの人望を集める彼だが、もちろん失敗もある。
綿引:それこそ自分の熱量が空回りして、誰も付いてこなかった経験もありますよ(笑)。なんで手を上げたのにやってくれないんだろうって思いましたけど、熱量ってそんなに持続しないよな、と思い直して。手をあげた瞬間が一番熱量が高いのだから、それを冷めさせないようにするにはどういう仕組みを作ったらいいのかなという発想になっていきました。
彼がここから学んだことは3つ。
・「プロジェクトを動かすために最適な人数を設定する」
・「プロジェクトの中で役割を持ってもらう」
・「プロジェクトの募集を前もって告知する」
強制力のないオンラインサロンにおいて、自分ごと化してプロジェクトに関わってもらう為にも必要なのだという。
綿引:みの編はスピードが早いから、急に募集が始まって気がついたら決まってる、みたいなことが多いんですよね。それももちろんいいんですけど、反射神経で「やります!」って手をあげてみたものの、冷静になったら「あれ?これやりたかったっけ?」ってなることもあると思うんです。
それって熱量が急激に下がるし、取ってしまった本人も可哀想だけど、本当にやりたかった人にとっても、もったいないじゃないですか。だからコミュデザでは、プロジェクトの募集はなるべく「いつから募集開始します」と告知をします。一気に応募が来た中からチャンスを掴み取った人たちが即プロジェクトを始動させるという形ですね。
様々なプロジェクトが流動的に動く中で、チームが上手く回らない・稼働人数が減っていく‥そんな不安はないのだろうか?
綿引:「最悪、自分で巻き取っちゃえばいいや」と思っているので、あまり不安はないですね。プロジェクトの種類にもよるけど、“みんなで仲良くやる”が目的ではなく、そのプロジェクトのアウトプットを出すことが目的なのであれば、自分が最後の砦として手を動かします。
全員の熱量が冷めて自然消滅するようなら、辞めようと決断するのもありですし、それはリーダーとしてプロジェクトごとに見極めるものなので。その上で、メンバーを信頼して任せていきたいですね。
一人ひとりに安全・安心なコミュニティを
“こっとん”をよく知るメンバーが、彼のことをこんなふうに話してくれた。
「こっとんと話すと、相談して意見を求めていたつもりが、いつの間にか自分の中から答えが湧き出てくるんだよね。それを受けて、じゃあこういうことができるねって提案してくれて、走り出せるようになる。」
“ふるいにかけるのではなく、ろ過する”。
一人ひとりに向き合い、彼というフィルターを通すことで、その人の本質が見える。それがひいては、コミュニティやプロジェクトの純度を上げている、そういうリーダーなのだと。
綿引:この一年がね、本当に振り幅大きかったんですよね。転職して、みの編でとにかく動いて、リーダーをやって‥。来年は「Salon×Salon」が始まるし、また楽しい一年になりそうです。
箕輪編集室って、それこそタカオミ(※タカオミ動画道場)だったり前田さん(※前田デザイン室 室長)であったり、めちゃくちゃリスペクトしてるんですけど、クリエイターばっかりにスポットライトが当たっているのがすごい悔しくて。
**
ノンクリエイティブのチームでも、みの編では活躍できる**ぞっていうのを示したい。
もし、この記事を読んでいるあなたが「自分には居場所がない」と人知れず寂しさの中にいるのなら、どうか彼を訪ねてみてほしい。
その大きな目はきっとあなたを認め、
そっと、背中を押してくれる。
ー
綿引裕也率いるオンラインサロン「Salon×Salon」
**
「これからのコミュニティの作り方」
参加受付開始!
※文中に出てまいりますオンラインサロン「Salon×Salon」への加入にはこちらのイベントへの参加が必須となります。遠方の方はLIVE配信でも参加可能です。
ー
箕輪編集室への入会はこちら
<おまけ>
Q.どうしていつも目が笑っていないんですか?
A. すごい言われるけど(笑)、多分目が笑ってない時って全体を俯瞰してる時なんですよ。「この人今日絶好調だな」とか「元気ないな、話しかけに行こう」とか、物事を俯瞰している時が多いかもしれない。
頭の中でガーッと一気に情報処理している状態だから、表面が固まっちゃうのかも。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?