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『ハック思考』発売直前インタビュー【前編】知恵を出し合いより良い未来へ。世界をハックで攻略せよ

2020年3月18日発売の『ハック思考』。
著者はKaizen Platform代表取締役の須藤憲司さんです。
マーケターでもある須藤さんの下記noteと合わせて、当日のインタビュー内容をお楽しみください!


頑張っても成果に繋がらずモヤモヤしている方に、世界にインパクトを与える「考え方」を届けたい

――本日はお時間をいただきありがとうございます。では最初に、須藤さんが『ハック思考』を書こうと思ったきっかけを教えてください。

須藤さん:今ってすごい世の中が急速に変わってきていますよね。日本の人口が増えていた頃は、真面目にコツコツ頑張ればある程度報われていたと思います。でも日本の人口が減り続ける今は、真面目にコツコツやっているだけでは報われないし、評価もされないし成果もでない。だからみんな、なんだかモヤモヤしているんだと思います。

こういうときは、ただ頑張るんじゃなくて、頑張り方をちょっと工夫する必要があります。そのちょっとの工夫がすごい成果に繋がるので、今モヤモヤしている人たちにその考え方を届けたいと思ったのが『ハック思考』を書くきっかけでした。

――副題の仮タイトルを途中で変更されたそうですね。

須藤:そうなんです。最初は【あなたが最短最速で世界を変える方法論】という仮タイトルをつけていました。

でも、編集の箕輪さんと今回プロデュースしてくれてるビリギャルの坪田さんと3人で話しているときに「世界を変えたい人って実はあんまりいないよね。むしろ、世界の方が変わってほしいってみんな思っているよね」という話になり、たしかになと。

たとえば一夜にしてスターになる人も、もちろん日々努力しているのが前提ですが、世間や世界の方があるときを境に勝手に変わって「いきなりスターになっちゃった」というのが真実なんだろうなと思うんですよ。だから副題は「あなたが変える」ではなく「世界が変わってしまう」ニュアンスの【最短最速で世界が変わる方法論】に変更しました。

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世界を変えようと思っても、自分一人の力では小さな範囲しか変えることができないし、周りに影響を及ぼすことは本当に難しい。自分の力がより大きく波及する考え方や切り口を知り実行することで、世界が変わる経験をみなさんにもしてもらいたいと思ったんです。

僕自身、世界にインパクトを与えたいと思って、これまで色々なハックを実践してきました。自分のためや周りの人のために使ってきたこのハックの方法を、もっと多くの人に共有して、みなさんの周りの世界が変わったらいいなと思い筆を執りました。

伝記マンガで気付いた偉人達の共通点。彼らは、普通の人には見えていない世界が見えていた

――須藤さんがハックするようになったきっかけは?

須藤さん:僕すごい歴史が大好きなんです。コロンブスとかエジソンとかキューリー夫人とか織田信長とか。小学校に上がる前からまんが伝記シリーズを全巻読んでいたのですが、読めば読むほど全部同じ話だってことに気付いてしまって。

どういうことかというと、あの伝記のマンガって、世界になにか大きなインパクトを与えたり世界を変えた人達が出ていますよね。そんな世界を変えた人達が見ている世界は、普通の人が見ている世界とは違っていたっていう話が全巻にわたって描かれていることに気付いたんです。

ニュートンはりんごが木から落ちるのを見て、ただ落ちているのではなく引っ張り合っているように見えた。ガリレオは周りの天体が動いているんじゃなくて、地球が動いているように見えた。読めば読むほど、この人もそうだ。うわ、この人も!ってなって。

今みんなが信じている当たり前は、もしかしたら未来では当たり前じゃないかもしれない。伝記や偉人伝を読み漁るうちにそう思って物事を見るようになったのが、僕のハック思考の始まりかもしれません。

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――それに幼稚園の頃に気付いてしまったんですね。

須藤さん:まあ幼稚園生なので「よく分からないけどみんな同じだ!すごい!」みたいな感じだったんだと思います(笑)。

実際、スティーブ・ジョブズがiPhoneを発表したときだって、彼にはスマートフォンが当たり前になる世界が見えていたけれど、2007年の発表当時は彼以外誰にも見えていない世界だった。ソニーの盛田さんのウォークマンもそうですよね。みんなが手の平サイズの機械で音楽を持ち出して聞くのが当たり前の世界が、盛田さんには見えていたのだと思います。

だからハックをする上で最も大事な最初のステップは、「今の当たり前を疑う」ことになるんですよね。すごい単純です。単純なんですけど、とても大切なことだと思っています。


ハックの醍醐味の一つは、ちょっとの工夫で自分の影響力があがること。やらないのはもったいない

――須藤さんがこれまでハックを使って、どんな成果をあげられてきたかを教えていただけますか?

須藤さん:僕は新卒でリクルートに入社し10年間勤めました。いろんなプロジェクトに携わらせてもらうなかで成果を残し、表彰も数多くもらいました。当時史上最年少で執行役員にもなることができています。現在はシリコンバレーで起業したKaizen Platformというスタートアップを経営して7年目になります。VC(ベンチャーキャピタル)や事業会社から34億円の資金調達をしたり、創業からわずか2年半で自社サービスを利用いただいたお客さんの売上を合計で240億円増加させることができました。

もちろん、リクルートやKaizen Platformでの成果は僕だけのものではありません。チームやお客さんに恵まれ、みんなで協力して成し遂げたことです。ただ、どんなときも僕自身が周りの人達に何かしらの影響を与えながら、物事を良い方向に変化させることができたからこそ実現できた事も事実としてある思います。

僕がやってきたことは、幼稚園児の時に偉人たちから学んだ「目の前の現実を疑って、今までとはちょっとやり方を変えてみる」「問題に対する考え方や視点を変えてみる」といった、ちょっとした工夫の連続でした。

これを読んでくれている方のなかにはビジネスマンも多いと思いますが、ビジネスマンにとって実績や成果は大事ですよね。僕はそれに加えて、評価されることがやはりすごく大事だと思っているんです。
これは単に数字を達成したり会社で表彰されること自体を指してはいません。評価されることで自分の力が周りに波及して、自分のアクションの波及効果がものすごく上がることが重要なんです。

だから、せっかくコツコツ頑張っているのに評価されない人がいたら、すごくもったいないと思っています。自分のインパクトを最大限に波及させるための“見せ方”や“伝え方”を知って実践するだけで、得することはたくさんあります。

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――その“見せ方”や“伝え方”といったハックが、本書には書かれている?

須藤さん:『ハック思考』には僕自身が実際に経験してきたビジネスシーンを紹介しながら、どのように考えてどのように行動したか具体的な手法がたくさん書いてあります。もちろんハックはビジネスシーンに留まりません。

今は普通に幸せに暮らすということが、以前よりも難しくなってきている時代です。プライベートシーンにおいても、難しい問題がそこら中に溢れていますよね。時間に追われる中で、子育てをしたり、家事をしたり、仕事したり、趣味もしたいし…と考えると同じ時間で高い成果を求めたくなるのは人として当然のことだと思うんです。

誰かが解決してくれるのを待つのではなく、自分たちの知恵、努力、創意工夫で、できることや変えられることから変えていけるような内容になっています。『ハック思考』に出てくる事例を自分の課題に置き換えながら、読み進めていただけたらと思っています。


『ハック思考』はハックのネタ帳。知恵と経験をまるごとハックして、自分の課題に応用してほしい

須藤さん:この本にも書いたのですが、『ハック思考』は僕のネタ帳なんです。うっかり書き忘れてしまったことや、ここには書けなかったこともたくさんありますが、僕自身の考え方や体験をみなさんに盗んでほしいと思って事例を詰め込みました。

要は、めちゃくちゃパクってほしいんです。逆に言うと、僕もパクってます(笑)。僕は「この話いいな」「こういう事をみんなに知ってほしいな」と思ったら、もう息をするように秒速でパクる特異能力を持っているんですよね(笑)。

だから僕のtwitterでは、日々「#ハック思考」でハックのネタになることをツイートしています。そうすると面白いことに、大きなコンペの相談がきたり大企業から悩みを相談されたりするんですよね。実際、「その問題は先週呟いたこの方法で解決できますよ!」なんてことがよく起きています。

だから『ハック思考』を読んでくれた方もtwitterで「#ハック思考」を読んでくれた方も、「何か役に立ちそうだ」とか「これパクろう」と思ったら、バンバン使ってほしいです。もちろん本でも伝えていますが、本以上にタイムリーなハックを「#ハック思考」でつぶやいているので、twitterやツイートをフォローしてもらってみんなで知恵を共有できたらいいなと思っています。

直接じゃなくても、「どこかで誰かの役に立つ」ことは必ずあります。

これからの時代をつくるみなさんと一緒に知恵を共有し、「次の社会はもっと良くなるよね」「もっと面白くなるよね」と希望を持って、より良い未来をつくっていきたいなと思っています。


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後編は、発売日当日の明日公開します。
気になる方はぜひご予約&須藤さんのnoteもご覧ください!

写真/森川亮太
バナー/松儀愛侑
協力/阿部愛荒木利彦鹿田正弘田中ゆかり氷上太郎柳田一記
取材・執筆/土居道子








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