その現象の名前は、箕輪厚介。 『死ぬこと以外かすり傷』 #熱狂書評
8月28日、箕輪編集室の主宰者である箕輪厚介さんの初の著書『死ぬこと以外かすり傷』(以下、死ぬカス)が発売されます!
『死ぬカス』は、箕輪さんの編集者人生における集大成であり、これからを見据える上での道しるべでもあります。
変わらない日常の中で、いまいちパッとしない、モヤッとして物足りないと感じている若い人を徹底的に鼓舞する箕輪さん。
本書の目次からも分かるように「目的だけをにらみつけろ」「バカなことにフルスイングせよ」「3歳児レースに勝ち残れ」「努力は夢中に勝てない」と、とにかく動け!と檄を飛ばしてくるのです。
箕輪編集室ライターチームの熱狂書評プロジェクトも、当然『死ぬカス』を盛り上げていきます!
トップバッターは、箕輪編集室メンバーの清水翔太さんです。
ハイボールを片手に満面の笑みを浮かべる箕輪さんが表紙の『死ぬカス』と、情緒あふれる清水文学のカクテルをどうぞご堪能ください。
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その現象の名前は、箕輪厚介。
静かでだだっ広い海の中を、小さな小さな泡が、しゅわしゅわ音を立てて舞い上がっていく。琥珀色の海の中はたちまち気泡で満たされ、すぐに消えてまた音のない世界に戻る。
“「なんか今、もの凄い大きな音がしたけど、どっかで爆発でも起きたのか?」と思われるような、不確かで、何の意味もなく、解釈のしようがない存在でいいと思っている。”
底に溜まったウイスキーに注がれるソーダ水は、飲み物というよりは一種の現象のように鮮やかに生まれて、どこかへ去っていく。
出版業界を四方八方に転がりながら爆発を起こす箕輪さんは、まるでソーダ水のようで、だからこそいつかはどこかに消えてしまうのかもしれない。
だって、見城徹さんやホリエモンを口説き落としたのも、NewsPicks Bookをビジネスの最前線に送り込んだのも、ベストセラーを毎月のように連発するのも、「自分」というレールの最果てにある「夢中」という終着点に向かう過程で起こってきた現象なのだから。
“そこに正義感や高尚な理念などない。時代のあだ花でいい。どっかで破滅して、なんか箕輪っていう編集者いたよねって言われるぐらいでちょうどいい。“
「出版業界をアップデートしたい」とか「クリエイターが活躍できる社会を作りたい」とか、そういうことではないのだから、全くもって理念や正義なんかではなく、テロや台風のような現象でしかない。
「現象」というものは、一過性で気まぐれだから、理念や正義を重要視する人たちから、時おり敵視されたり軽視されたりする。そんなもの、何も残らないだろうと。
だけど、どうだろうか。箕輪さんが起こす大爆発の界隈にいる人たちは、その爆風を浴びてどこか知らない世界に足を踏み入れることができたのではないだろうか。
ウイスキーみたいに見通しが悪かった本の世界は、しゅわしゅわどころかドッカンドッカン音を立てて席巻していく箕輪さんによって、ハイボールのように先を見通せるクリアなそれに近づいたのではないだろうか。
“ 今、若者はチャンスだ。古い世代にはわけの分からない変化が今まさに起こり始めている。自分たちの手で、世界の輪郭に触れ、自由で新しい秩序を作り直そう。”
その現象を生み出し、チャンスを作ってくれたのは、箕輪さん本人じゃないか。「わけの分からない変化」を起こし、僕らの手をとって「世界の輪郭」に触れさせてくれたのは、箕輪さん自身じゃないか。
だから、その現象の名前は、箕輪厚介。
汗をかいたハイボール片手に、編集者として、時に悪友や戦友として著者と対峙し、心臓より奥にある才能の核に触れる男。
“僕の周りは盛り上がっている。ポジティブな未来がはっきり見える。そして何よりも楽しい。早くこっちにくるといい。こっち側で間違いない。”
時代の泡が消える前に、ソーダ水のような男が弾け切る前に、この爆風に身を預けよう。
清水 翔太
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『死ぬカス』の中で箕輪さんは、「100年語り継がれる本を作ることに興味はない」「今までにやってきた編集は、時代の爆発を一瞬の出来事として切り取るカメラのようなものだった」と言います。
また自身について「不確かで、何の意味もなく、解釈のしようがない存在でいい」と言い切っています。
この箕輪さんの心情を、清水さんはソーダの気泡に見出しました。
「死ぬこと以外かすり傷」という熱い想いを含んだ気泡は、今まで湧き出てきたものとは比較にならないほど大きい。それは発売日前から全国の書店で記録的な売上を上げていることからも明らかです。
大きな音を立てて次々に消え行く気泡。
ものすごい勢いで飛び散る箕輪さんのエッセンスは、辺り一面の地熱を上げていくことでしょう。
すべての気泡が消えてしまう前に、「箕輪厚介」現象が放つ爆風にさらされてみませんか。
箕輪厚介著『死ぬこと以外かすり傷』は8月28日発売です!
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テキスト 清水翔太
編集 荒木利彦