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本を面白くする 【箕輪厚介「本のつくり方講座」第三回ダイジェスト】

数々のベストセラーを世に生み出してきた編集者、箕輪厚介が本気で届ける「本のつくり方講座」。

全5回に渡って、本を出す意味やタイトルの付け方、出版する時に知っておいた方がいいことから、売り方まで。常に、最前線に身を置いてきた編集者だからこそ伝えられる内容です。

販売にあたり、箕輪自身による「商品説明会」を開催します。6月26日(月)20時よりオンラインで。

お申し込みは、こちらから!

アーカイブ動画販売を記念して、全5回の講座のダイジェストをお届けしていきます!

編集講座の第三回は、タイトルや構成、表紙など「本を面白くする」ことをテーマに、編集者ならではの裏側トークを交えて解説しています!

本の面白さを決めるのは、タイトルが7割

本の面白さを決めるのは、タイトル、目次、表紙の3つであると箕輪は話します。

本のインパクトや売上の7割を決めるのは「タイトル」だそうです。内容の明快さに比例して、タイトルは決まります。内容がぼやけているものはタイトルが決めにくく、逆に内容がいいものは、タイトルが決めやすいのです。

つまり、タイトルを面白くしたい場合は、内容を明快にする必要があります。内容とリンクしているからこそ、「タイトルが7割」を決めるのです。
箕輪にとっても、本のタイトルを決めることは本当に難しいそうです。

いいタイトルをつくるには、三つの条件があります。

まず、一つ目は、「分かりやすい」こと。タイトルを決めるのに最も重要です。基本的に商品というものは、遠い存在のお客さまに何としてでも伝えるもの。タイトルが分かりにくいと、内容が想像できず、何も伝わりません。

よく、横道にそれたものや、変化球を狙ったタイトルをつける人がいますが、基本的にはやめましょう。

村上春樹さんやあいみょんさんのようにすでに有名人であれば、どんなタイトルをつけても売れます。しかし、一般の人で自分の世界観をつくれている人はなかなかいません。
また、英語や聞いたことのない言葉を組み合わせて造語をつくる人がいますが、非常に危険です。

これらは、タイトルが思い浮かばず逃げてしまっているだけなのです。
自分と編集者で、そのタイトルは、本当にど真ん中にいけているかをチェックしましょう

二つ目は、「インパクトがある」ことです。今の世の中では常識とされていないことや、そんな考え方もあるんだと思われるのが大切です。言葉にはしないけれど、思っている人はいる。それが共感できる、刺さるというのが理想的です。
当たり前のことを言うようなタイトルの本なら、わざわざ時間をかけて出版する必要がないのです。

三つ目は「引っ掛かりがある」こと。以前、箕輪が編集した鈴木おさむさんの著書『新企画』の中に、「マイナスとプラスの法則」というのがあります。どういうことかというと、箕輪の編集本ではないですが、鈴木さんのエッセイ『ブスの瞳に恋してる』のタイトルを例に挙げて解説されました。
「ブス」というネガティブな言葉に対して、「恋」というポジティブな言葉をくっつけることで、インパクトがある上に引っ掛かりのあるタイトルになっています

本のお品書きである「目次」のつくり方

タイトルが決まったら、次は構成をつくります。本の構成、つまりは「目次」です。目次ができれば、本の8割は完成したようなものです。


多くの人は、本を買ったら最初に目次を読むのではないでしょうか。目次を見れば、その本に何が書いてあるのかが大体分かります。また、本を書く側も目次をつくることで「何を書けばいいのか」が明快になります。
つまり目次は、料理店でいう「お品書き」なのです。どういう順番で、どんな料理を出していくか。それによって食材や調理法が決まってくるのと同じです。

目次を考える時、頭を固くして考えてしまうのは危険です。1章はこれで、2章はこれ、3章を応用篇にして4章をまとめに…、と考えると、型通りのつまらない本になってしまう。

目次は、映画やライブなど好きなエンターテイメントに置き換えて考えるといいです。箕輪が編集したガーシー(東谷義和)さんの『死なばもろとも』では、目次を考える時、映画をイメージしたそうです。

110円を握りしめ、警察に追われながら空港に行きドバイへ逃げる。ドバイ空港に降り立った瞬間、これからどうしようかと考えた時「俺は悪党だ、これから復讐してやるんだ」と始まる。

これが、ただ時系列に進んでいく目次だったとしたらとてもつまらない本になったでしょう。読む人が面白くなければ、意味がないのです。

面白い目次は、何も見なくても頭に内容を描いて思い出すことができます
まずこうで、こういう話になって、最後はこう落ちるんだよ、とストーリーが話せるような目次が理想的です。

人に見せたくなる表紙のつくり方

本の面白さを決める残りの要素は、表紙です。表紙は、それだけで買いたいという人がいるくらい重要な存在です。

実は、世の中の表紙はダサいものが多いです。では、どうすればいい表紙をつくることができるか。
それはただ一言、「いいデザイナーに依頼する」に限ります。


表紙のデザイン費は、大体相場が決まっています。どれだけ大御所のデザイナーでも、20万円以下がほとんどです。
箕輪の著書『死ぬこと以外かすり傷』は、日本で一番大御所と言われている鈴木誠一さんに表紙を制作してもらいましたが、18万円くらいだったと言います。お金がなさすぎるとかではない限り、プロのいいデザイナーを選びましょう。

いいデザイナーを見つけるためには、自分がかっこいいと思う本の表紙を集めて、クレジットを確認します。ほとんどの本のクレジットには、装丁したデザイナーの名前が入っています。インターネットなどで名前を検索し、オファーをしてみてください。

表紙のデザインを決める時、編集者が適当にデザイナーの名前を出してくることがあります。初めて本を出すとなると、自分でデザイナーを指定していいのかと思う人がいますが、ぜひ指定しましょう。自分が好きな本をデザインしたデザイナーに依頼するのが一番です。

初めて出す本だと気合が入り、ラフ画を描いてデザイナーに渡す人がいますが、これはやめた方がいいです。なぜなら、デザイナーのモチベーションが下がってしまうからです。ラフが既にあるなら、デザイナーは「あなたがつくればいいのでは」と言う気持ちになってしまいます。

「若者がかっこいいと思うような」「つい手に取りたくなるCDジャケットみたいな感じ」「ちょっと名著っぽくなったら嬉しい」といったように、思いだけを伝え、あとはデザイナーの引き出しに委ねましょう。

タイトルや目次でも同じですが、人に語りたくなる、見せたくなるのは、面白いものです。表紙も同じで、人に見せたくなるものが大事です。
箕輪は、編集した本の表紙を発売前からTwitterでどんどんツイートします。これは販売戦略というより、いい表紙だからすぐにツイートしたくなるからだそうです。

本を面白くする大きな鍵は、タイトル、そして目次と表紙。

この3つが本のよさ、面白さを決めます。全てに共通して大切なことは、分かりやすく、インパクトがあり、変に奇をてらわないことです。

次回は、「本を届ける」ことについて解説します!

本を読んでもらうためには、届け方の設計も重要です。面白い本ができたら、次はお客さまに届けていきましょう!
プロモーションがうまいと評判の箕輪が、宣伝方法やAmazonランキング1位の取り方などをお伝えします。

商品説明会でも、本をつくる時に役立つ情報をお届けする予定です。
ぜひ、ご参加ください!





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