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リスクと嫉妬を“資産”に変える

※この記事は1月19日に静岡県立大学で行われた講演会『時代の読み方』(主催:COCOA)の内容をまとめたものです。

*前回の記事はこちら

リスクをとれ、主体になれ

箕輪さんは次なるビジョンについて次のように語りました。

「ビジョンでいうと…俺ほんとお金使わないし、お金に興味ないんだけど、お金儲けが死ぬほど好きなんですよ。じゃぶじゃぶだよっていうのが好きなんですよ。なんだかよくわからないんだけど。

金を稼ぐのが、多分ゲーム的に好きなんだと思う。こないだ大王製紙の元会長で、カジノで160億円を溶かしちゃって逮捕されちゃった人がいるんだけど、その人が出所したからリベンジっていうことでカジノに行った。彼はまた一億円負けてましたけどね(笑)。

そのとき一緒に行っていてた人の中に投資家がいて、彼と一緒に森のオアシスみたいなスパのすごいいいチェアで寝っ転がりながら話してて。で、俺は今コンサルの仕事をして、お金を貰っているんだけどっていう話をしたのね。でも、『それだと結局クリエイティブとクリエーターの限界があって、誰もがだいたい1億円で止まる』って言われた。

どんなプレーヤーでも結局時給300万円とかはあり得ないので。どんなにメディアで話題になったり希少性が掛け算で組み合わさっても、ある程度時給が決まっているし、1日は24時間で決まっているから、目一杯働いても年収1億円だと思うって言われて…なるほどと思って。別に1億円も必要ないし、1億円以上稼ぎたいと思っているわけではないんだけど、なんかね、そこを突破したいなと思うんですよね。じゃぶじゃぶだよって。

で、そうなったときに、資産を抑えないといけないなと。要は請負仕事だからそうであって、自分でリスクを犯して金を出してコンテンツを作るとか…あとは印税とか権利をもらうことができる作品を作る主体にならないといけないって思って。

例えば秋元康さんは、おニャン子クラブのとき死ぬほどヒット曲を作ったんだけど、結局は権利は事務所やプロダクション、テレビ局が持って行って、彼の下には何も残らなかったんですよ、ギャラ以外は。で、AKBという、あらゆるものがチャリンチャリンとAKBの所に入ってくるというビジネスモデルを作って。むしろ出版社が権利を使わせてもらうみたいな…写真集とか出させてくださいとか。だからこの次は俺も主体にならなければならない。

要は、1回作っちゃったら自分の資産として残るもの。『多動力』がいくら売れて会社が儲かっても俺は関係ないですから。それが別に嫌だからとかじゃなくて、やっぱり俺がお金好きって言うのは覚悟と比例するんだよね。そんだけ金が貰えるって言うことは、影響力と比例する訳だから。『多動力』がそれだけ売れて、俺に関係ないって言うのは、リスクを犯しているのは会社なんですよ。

じゃ、箕輪お前売れなくて赤字になったら赤字分給与から引いていいのかっていったら嫌ですって言うから…だったらリスクとリターンは一対なんで、ちゃんと資産を押さえにいって、そこから取ると。要はその都度その都度のフローの仕事もあるけど、別に俺が動かなくても俺の元にお金が落ちるという資産を作る

嫉妬されないような仕事はやる意味がない

お金儲けが好きだけれど、仕事をして行く上での原動力はお金ではなく「ムカつき」だと話す箕輪さん。

「結局何かハレーションが起きるわけですよ。摩擦が。最近でいうと、僕はNewsPicksとかクラウドファンディングのCAMPFIREとコラボするって発表したりしてるんですね。で、見城さんが社員に対して『もう出版社ダメだから箕輪を成功例としてお前らもやれ』、『箕輪みたいにネット企業とどんどんコラボするようなビジネスモデル持ってこい』って言ったらしいんですよ。今はガンガン俺1人でやっている感じなんだけど、みんなが箕輪仕事振れよって言うようになって。

でも幻冬舎はサポートしてくれる人はいるけど、おっさんしかいないし、30代は俺くらいしかいないから、なかなか振れる人がいないんですよ。NewsPicks読んだことねーだろって言う奴に振れないじゃん。で、会社は若い人を取りたいって言うんですよ。でもバイト募集してもあんまり来ないし、若い人を正社員として雇う計画も無いんですよ。

その中での唯一の正解として“タダで俺のために働く若い大学生を俺が頑張って採る”っていう、どんだけ賞賛されても足りないくらいの秘策を編み出したら、なんか誰かわからないけど社員から、『箕輪さん流石にやりすぎじゃないか』って告げ口があったみたいで。マジかっ! て思って。

でもそういうの聞くと、こいつらがそんなことで嫉妬しているうちに圧倒的に次のステップに行って、嫉妬のどん底まで落としてやろうと思って。要は『箕輪って生意気だよなー、カバン持ちとか呼びやがって』とか、『ネット企業とかと組んでベストセラー出して生意気だよな』って思われている瞬間に例えば作詞家になって、『あの大ベストセラーのあの楽曲の作詞全部箕輪らしいよ』って、そいつら全員混乱させてやりたいって思って。あいつは何者なんだと。

だから俺がやっていることが何のハレーションも生まず、いいよね、いいよねって言われたらもう飽きちゃうと思う。だから、俺ほど働いている人や本出している人もいないだろってムカつきや、レガシーな仕事もやりつつ、新しい仕事もやっているのに嫉妬されるってなんだよっていう苛立ちを、単純に論理で詰めるとかいうやり方は俺としては気持ちよくなくって。もっととんでもなく鮮やかな形でへぇえーって言わせたい。

あとはもう仲間ですよ。オンラインサロンの人たちの圧倒的なエネルギーに突き動かされている。相乗効果って感じがしますね。嫉妬みたいなことを言う人は嫉妬しかしない人と一緒にいて、イケてるヤツはイケてる人としか一緒にいない。もうこれは年収とか学歴とかじゃなくって、モチベーション格差っていうか、意識の格差ってのが異常にある。

偉そうに言うけど、俺みたいに講演会に呼ばれたり、メディアとかに出るようになると本当に気持ちいい人としか仕事をしなくなる。だから同僚とか上司とかはいるけど、いわゆる関わる人は嫉妬なんて絶対しないし、おもしろいことしか考えていない。世の中をどう変えていこうかって言うポジティブで明るく優秀な奴しかいないんですよ。そうなると自然とアイデアが湧き出て止まらなくなるし、どんどんプラスになる。要はアイデアが掛け算になりまくるんですね、みんな優秀だから。

例えばNewsPicks アカデミアの人たちはslackで箕輪さん行動力ヤバすぎとか…で、俺もこうやったらアカデミアもうまくいきますよとかポジティブなもので返すんですよ。アイデアを取り合うとか、後ろに走る人がいないんで…なんか非常に気持ちよくてどんどん加速する。だから一回ある程度突き抜けちゃってこの人と仕事をしたいって言われる人になると、加速せざるをえないぐらい魅力的な人たちやアイデアと毎日のように出会うって言う感じですね」


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テキスト・編集 / Y.Saito ・篠原舞

写真 池田実加



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