学生時代は最先端に触れながら、遠回りをする
4月21日、長崎大学にて『超現代版「生き方・働き方」変化の時代を生き抜く人々へ』と題した講演会が開催されました。
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時代のど真ん中にどれだけ触れられるか
質問者:箕輪さんは大学に戻れたらこれやりたいなと思うことはありますか? あと、今の学校に足りないなって思うところや逆に要らないんじゃないかなと思うことはありますか?
箕輪:大学戻れたらやりたいことかぁ。何だろうなぁ。その時はその時で自由だったしなぁ…。ないね、ない。
一同:(笑)
箕輪:過去を肯定するタイプだから、どんなこともそれはそれでよかったんじゃないかと思っちゃう。でも今は俺の時代と違ってあまりにも変化が早いし、既存のレールに乗ってもしょうがないみたいな世の中になっている。今の学校という意味で分かりやすく言うと、ホリエモンとかキングコングの西野(亮廣)さんとか、世の中的にはイロモノだけど明らかに今の時代にカスタマイズされていて、そこでとんでもないスピードでチャレンジできて成功しちゃってる人がいるわけじゃん。そういう人の話をガンガン聞かせる。知らないだけだからさ。
知らないとどうしようもない壁ってあるの。知ったからどう伸びるか、どう成長するかはその人次第だけど、こういう世界があるんだと知らせることは死ぬほど大事だから、そういう人に会わせたりする。
ぶっちゃけ今の時代なら(直接)会わなくても動画でもなんでもあるんだから、明らかに今の時代に最適化されて未来を教えてくれるような考え方の人に触れさせるっていうことをやるね。
オンラインサロンは俺がやっているから言うわけじゃないけど、すげぇいいなって思う。ぶっちゃけ学校より全然いい。国数理とかは教えられないけど、落合陽一とか前田さんとかホリエモンも来たりするから、それだけでだいぶ感覚が変わると思うんだよね。
だから、学校でも新しい世界を見せてあげるということだよね。そこは大事かなと思う。
質問者:その点で言うと、学校でもキャリア教育ということをやっています。もし箕輪さんがそのキャリア教育で講演会をやってくれと言われたら、どういうテーマで話しますか?
箕輪:キャリア教育といっても昔みたいにA、B、C、D、F、Gみたいに決まった仕事があるわけじゃない。全部(仕事の境界)が溶けているわけよ。
例えば編集者っていう仕事がありますよって10年前は成立していたと思うんだけど、今俺がやっていることって編集者の仕事なのか何かわかんないじゃん。でも先進的な人たちって全員そうなんだよね。
もはや何屋さんかわからないっていうのが本当なのよ。昔だったら邪道だったんだけど、今はまともに時代の最先端を進もうとすると何屋さんかわからなくなる。
だからこそ一流の人に会って話聞いたりするしかなくて、キャリア30、40年のおっさん編集者に編集者の仕事の説明されても「いやいや、もう終わってますから」ってなる。逆に害悪だよね。高校生が10年後にその職業目指そうとしたらもうその職業ないよって話なわけだから。キャリア教育は辞めたほうがいい。
それこそ落合陽一の話聞くだけでも、彼は何屋さんかわからないわけだから。それで多分高校生とか大学生くらい頭が柔らかかったら直感的に気づくんじゃないかな。職業の名前で縦に切れる時代じゃないなっていうのは。だからキャリア教育とか意味ないから超一流の人呼びまくるっていうのがいい。
質問者:今、小学生の将来の夢がYoutuberというのが話題になってますが、それについてはどう思いますか? 教育という点で見ると問題視されているところもありますが。
箕輪:(ユーチューバーに問題があるというのが)全く意味がわからない。最高じゃん。そんなの完全なる思考停止でさ、(これまでも)その繰り返しじゃん。
すごく分かりやすい話があって、ユーチューバーがここまで一般的じゃなかった時に俺がHIKAKINにインタビューしたんだけど、それこそ俺も君(質問者)みたいな感じだった。「HIKAKINさん、最後に夢はありますか」って聞いたら「小学生が将来なりたい仕事でユーチューバーって言ってほしいです」って答えてた。
それ聞いて、俺は「バカ言ってんじゃねえよ」って思ってたけど、今では俺の子どもがそう言い始めている。そういうもんだよ。俺も含めてだけど、あまりにも常識という枠にとらわれて鼻で笑っちゃうんだけど、そんなの10年前振り返ってみたらどうだっていう話で、問題視するも何も現実が一番正しい。
現実が正しくて、それをおかしいと思うのは単純に自分の時代と違うっていうその一点だけだからね。多分、20年後になったらユーチューバーも時代遅れで、ユーチューバーの人たちも新しいものに対して「それって偽物でしょ」とか言ってると思うよ。そんなもんだって。だから俺もそうだけど、この年齢でそんなに権威側の発想に耳を貸す必要はないと思う。あくまでも支持するのは世の中の人だから。
俺が作ってるビジネス書って売れるし、プロモーションも派手だからすげえ批判する人がいるんだけど、批判する人ってだいたい同業者なんだよね。昔、ビジネス書でヒット出した人たち。「あんなのビジネス書じゃない」とか「プロモーションがうまいだけ」って言うんだけど、じゃあ誰が支持してくれているかっていったら読者と起業家なんだよね。正直、読者と起業家が支持していたらもうゴールじゃん。
別に同業者が「あんなの…」とか言っててもぶっちゃけどうでもいい。だからそういうことで、本当にいいって言われるべく人に言われていたらそれがゴール。ユーチューバーとかバラエティタレントがやるべきことって視聴者が喜ぶことだからそれが真実。俺はそう思う。
遠回りが人生に深みを与える
質問者:箕輪さんの関わった本以外で、大学時代に読んでおいた方がいい本はありますか?
箕輪:大学時代に読んでおいたほうがいいかは分からないけど、俺『深夜特急(著:沢木耕太郎)』がすごく好きだった。今の人たちが読んでどう思うのか分からないけど、あれを読んで旅に出ようと思って旅に出た。
ビジネス的な、それこそNewsPicks Bookみたいなものを読んでも意味はあるけど、もっと人生自体を大きく変える、面白くするっていうのはああいう旅の小説とかがいいと思う。
結局、人生って色々なストックがあるかどうかだから。大学の時からNewsPicks Bookを読んで、そこから一直線になると深みがないと思う。小説でもいいし、旅の本でもなんでもいいし、酒の飲んだり、旅行ったり、恋愛したり、部活したり、あらゆることをした後にビジネスっていうのがある。ビジネスっていうのはその引き出しで勝負するものだから。
あまりそういうビジネス書ばっかり読んで、ビジネス一直線みたいな人は結局引き出しの数が少なくなっちゃって、どこかで枯渇すると思う。やっぱり高校・大学生は時間に余裕もあるわけだから、そんなに仕事・ビジネス・起業ってならないほうがいいと思う。それが好きだったらいいんだけど、そんなに好きでもないのに「やるべきだ」でやる必要はないと思う。
できるだけ遠回りすることはその人の深みとか幅になる。俺の場合は『深夜特急」とか村上龍の小説とかが好きで、それがビジネスに役立ってるかって言ったら、直接的には言えないけどそれが人間的な深みになっていたりする。読みたきゃ読めばいいともうけど必要に迫られてビジネス書を読む必要はないと思う。
(次回に続きます)
バナーデザイン 山口ともみ
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