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自分の人生に当事者意識を持っているか

6月3日北海道大学にて「北海道をアップデートせよ」と題した講演会が行われました。箕輪さんの地方を攻めるというツイートにすぐリプライを送り、箕輪さんを北海道に呼びたいという一心で企画を立ち上げ、仲間を集めた高橋陸人さん。その圧倒的行動力が今回の講演会を実現させました。

*前回の記事はこちら

自分の人生のハンドルを握り続けろ

高橋:箕輪さんが幻冬舎に所属してるメリットは、どういうところにあるんですか?

箕輪:大学生はこれから就職活動をすると思うんだけど、自分の力で食っていくフリーランスの道もあれば、会社に所属する道もある。でも、忘れちゃいけないのはあくまでも自分の人生のハンドルを握んなきゃいけないってこと。

会社になんかを期待するとか、会社が守ってくれるっていう発想は持たない方がいいよ。自分が明確にやりたいこととか成し遂げたい人生を描いた上で、今この会社に入ったら、こういう仕事を任せられて自分のここが伸びるかもしれないとか、あくまでも自分の人生を主語にして会社を利用するって考えた方がいい

こういう話をすると自分勝手とか言う奴いるんだけど、それは真逆。会社を利用しようって思ってる奴が100人いる会社は超強いと思いますよ。だって、向上心の塊だから。

自分のこういうとこを成長させたいからこの会社入るっていう奴は、頑張って利益や実績を出そうとするでしょ。誰か辞めて勝手に起業しちゃっても、そういう奴が入り続ければ関係ない。

でも、「会社のために命をかけます」とか「定年まで頑張ります」みたいな奴が100人いたら地獄だよ。そういう奴は成長意欲がなくて、とにかく言われたことを「頑張ります、やります」って。どんどん地位が上がるにつれて怠けてきたり、偉そうにして、何もやんなくなるから。本当に大事なのは自分の人生を一番にしてること。会社なんて幻想だから、何でもないわけよ。

サッカーチームみたいなものだよ。チームの勝利のために必死に頑張るんだけど、同時に自分がそこで得点王になりたいとか、圧倒的なドリブルの上手さを見せつけてもっと上のチームに引き抜かれたい、年俸を上げたいって自分の人生をより考えるべきだと思う。

「何を報酬とするか」は自分で決める

高橋:オンラインサロンは報酬を現金にすると組織が腐っていくという話をされてたんですが、それについて詳しく教えて下さい。

箕輪:オンラインサロンは「お金払ってなんで働くの? 意味わかんねぇ」みたいなことをよく言われるんだけど。世の中はすげぇ変わってきてて。これまでは報酬がお金ぐらいしかなかったんだけど、今はいくらでもある。やりがいだったり、ブランドだったり、人との繋がりだったり。

お金の価値が相対的に下がってきてるから、お金以外の報酬を得る場所っていうのがむしろ求められてて。オンラインサロンってやりがいだったり、そこで何か成すことによってブランドを得られたり、お金以外の報酬を設計してる。それで言うと、俺が幻冬舎にいるのはお金じゃないわけよ。

幻冬舎で寝ずに働いて月収30万とかだから、時給で言ったらマックのバイトみたいなもんで。こんな数億円も利益出しまくってるのに、まじか! とか思うんだけど、俺は幻冬舎でブランドを稼いでるからいいの。幻冬舎でベストセラーを作りまくることによって「箕輪厚介はヒットメーカーだ」というブランドを作ってる。そのブランドを報酬として受け取ってるって思ってんだよね。

そういうのが本当に大事で、すべての報酬をお金としか考えられないと痩せ細ってくんだよね。大事なのは、ここはブランドを稼ぐ場所、スキルを稼ぐ場所、金を稼ぐ場所って棲み分けを明確にすること。

落合さんも「大学の授業なんてまじでボランティアだよ」ってよく言ってる。大学設備がないとできない研究をして、世界でも評価されるような論文とかを出すことが彼にとって大きなものになってる。だから、コスパは信じられないぐらい悪いけど、何にも代えがたい研究っていう科学者において必要なことをやってる。

俺もまったく同じで、俺の軸足は「編集」だから本を出す。そうすると幻冬舎の営業が書店営業して、流通網から全国書店に一気にぱーっと並んで、新聞広告も出る。こういうのを俺個人でやろうと思ったらすげぇコストがかかるから無理。だけど、会社だったら俺が出す本は売れるし、話題になるからみんなが働くわけ。

それは俺にとってはかけがえのない資産だよね。今副業解禁とか流れがあって、一つの会社に縛られるっていうことが今後もっとなくなる。この会社は給料は悪いが、めちゃくちゃできない経験ができるとか。この仕事はあんまり面白くなくて自分の時間を切り売りしてるけど、めっちゃ儲かるとか。自分の中でバランスよくポートフォリオを組んでやっていった方が自分の人生をどんどん大きくできるよ。

売上よりも価値を追い求める

質問者:「著者もテーマも自由で100万部売れる医療の本を作れ」って言われたら、箕輪さんはどうしますか?

箕輪:どうだろうな。俺はあんま部数を売ることを目的にしてないから、考えたこともないんだけど。100万部目指すならこういう感じかなってのは無くはない。でも、それを目的にしたって意味なくない?

質問者:100万部の本を作れるかどうかってところを聞きたいなと思って。

箕輪:それは確約できない。そもそも100万部出す人も、100万部出そうと思って作っちゃいないんだよね。ちなみに、今佐渡島さんと漫画『君たちはどう生きるのか』作者の羽賀翔一さんと作ってる本は、狙ってるわけじゃないけどミリオンいくかなって思う。感情の教科書みたいな本。

その打ち合わせで、予防医学研究者の石川善樹さんも交えて誇りとは何か、感謝とは何かって感情について毎月集まって話している。そうすると、どんどん禅問答みたいになっていく。「感謝っていつするんだっけ? 感謝ってそそもそもネガティブじゃね?」って言うと石川さんが「感謝って日本はポジティブに使われるけど、韓国とかではネガティブですよ」って返して。

そしたら「俺もネガティブ側だわ。感謝されるの面倒くさいし。感謝するって相手を下に見てることだよね」みたいなクソ面倒くさい哲学みたいなことをやってる。そういう感情の教科書みたいなのを作ってるんだけど、完全に売れないこともあるよ。でも、ある種そういう超普遍的なものは100万部いく時はいく。感情って全人類が分かることだからね。

質問者:シェアハウスやバーを会員制コミュニティみたいな感じにして、常にあらゆる社長と触れ合えたり、アクティブに活動している熱量がある人を集めたりしたら面白いんじゃないかなと考えています。これについてどう思いますか?

箕輪:いいと思うけど、北海道でイケてる社長が集まる場所作りましたって言っても、東京にいる社長はまず来ねぇよっていう大前提がある。

でも、そういうことに興味がある若者を集めるだけで超価値があるって思ってて。そういう奴らと高め合うことは大事だと思うから、すごくいいと思うよ。それを全国に作って交流したりさ。20代、30代の同じような未来を見てる人たちが集まれる場所を作れるだけで、そこから何人かは相当変わる奴が絶対出てくるよ。頑張って!

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テキスト 壁井裕貴

編集 橘田佐樹

バナーデザイン 山口ともみ

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