メンタルは鍛えない、少しずつ強くしていく 『リセットする力』読書会! 【夕刊ミノ】ライターチーム
こんばんは。箕輪編集室ライターチームのAkiko Wadaです。6月4日(火)の夕刊ミノをお届けします。
5月18日、ライターチーム読書会が開催されました。今回取り扱う本は、サッカー日本代表・酒井宏樹さんの著書『リセットする力』です。
今回は、この本の中で語られている、メンタルに関する46個の考え方のうちの1つを紹介します。
メンタルの弱いアスリート
酒井選手はJリーグ柏レイソルでプロサッカー選手となり、現在はフランス1部リーグのマルセイユに所属する日本代表ディフェンダーです。5月18日も1ゴール1アシストを記録して、マルセイユの勝利に貢献しました。
そんな酒井選手が自らサッカー選手として致命的弱点、と語っているのがメンタルの弱さです。
わたしがサッカー選手に対して持っていたイメージは、本田圭佑選手のように、メンタルと自己主張が強く、自己肯定感の高い人でした。
しかし、酒井選手は真逆でした。自信がない。人見知り。優柔不断。気を使って意見や要求を伝えられない。そんな酒井選手が、なぜ日本代表のサッカー選手となり世界で活躍できるのか。それについての考え方をまとめたのが『リセットする力』です。
『リセットする力』がメンタルを強くする
プロサッカー選手として10年間、プレッシャーやストレスを克服するために、心の切り替え(リセット)をしたそうです。「くらべない、気にしない、引きずらない」ことにより、次第に心が強くなったと言います。
酒井選手はまわりの選手たちの、ポジティブ思考で切り替えが早く、ネガティブな感情を持ち込まない姿勢を見習うべきだと思い、彼らの観察を続けました。その学びを経て、気持ちを切り替えのためのルーティンを編み出します。
試合で勝ったとしても負けたとしても、終了後に必ず全員と握手をし、笑顔でいることを心がけたのです。
メンタルが強くないからこそ、ネガティブな感情を遠ざけるためのリセットルーティンをすることで、切り替えの自己暗示をかけました。
メンタルは強弱の2極ではなく、「弱い」から「強い」へのグラデーション
5月は新しい環境や人間関係に悩んだり、GW明けの仕事が辛くなりがちな時期。
今回の読書会では、弱いメンタルを何とかしたい、そんな人に向けて『リセットする力』が取り上げられました。
メンタルが弱い人には、1つの誤解があります。
それは、メンタルは鍛えるものではないということです。
誰もが本田圭佑選手のようになろうとするけれど、そもそもメンタルは強いから弱いまでのグラデーションであって、強いか弱いかの両極端ではないという考え方です。
トーマス・ハーンズというボクサーは強烈なパンチ力があるのに、顎がガラスのように脆く、1発でダウンさせられることもあったそうです。
メンタルが弱い人は、強くすることに焦点が集まってしまうけれど、自分自身への解像度を上げることに焦点を当てることが重要です。つまり、自分がどういう時に傷ついて、どういう時に傷つかないのかを正確にとらえることで、“顎にパンチを受ける” ように、メンタルをダウンさせない方法を見つけることができます。
自分の手札を持つ
本書の中では、人生の中で強い手札を3枚持つことが重要だと書かれています。酒井選手の場合は、「くらべない」「気にしない」「引きずらない」の3つ。
自分の長所を3つ挙げておいて、普段ならメンタルがダウンしてしまうような攻撃を受け止める経験を繰り返すのです。そうすると、徐々に試合に勝つ方法がわかり、成功体験を通して、メンタルが少しずつ強くなっていく、そんなイメージです。
読書会では、「みんなはどのような手札を持っているか」という話に。
例えば、あるメンバーの長所は以下のようなもの。
・気づかいができる
・俯瞰して見る力がある
・ロジカルシンキング
さらに、「知らない人からの攻撃には平気でいられるけど、知人からの攻撃にはメンタルがやられてしまう」といった特徴も把握されていました。
メンタルを鍛えるのではなく、自分の持っているものを使って少しずつ強い方にレベルを上げていく。これは人生の満足度を上げるための1つの手段ともいえるでしょう。
1人で読めば、“アスリートの自己啓発本” で終わってしまうところが、読書会に参加したことで、「メンタルレベルを上げよう!」と前向きな気持ちになり、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。
次回のライターチーム読書会は、6月11日(火)に開催します! 本は、荻原清澄さんの『サービスマンという病』です。ぜひ参加してみてください!
テキスト/Akiko Wada
編集/古佐小剛士
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お問い合わせ:minowa.et@gmail.com
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