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「与える人ではなく、自分自身が居場所になる」ホストに学ぶ全人類にモテる力

本日6月8日(土)、都内某所にて箕輪編集室 キャリアデザインチーム主催のイベント「ホストに学ぶ!全人類にモテる方法【出世・処世術編】」が開催されました。

大阪ミナミを中心に、歌舞伎町を含む7店舗を展開しているホストクラブ『ISK Group』。そこで本部長を務める有川貴士さんがこのイベントの講師です。

箕輪編集室のメンバーでもある有川さん。ホスト業界に約23年携わり、人材育成・組織作り・マネジメント・マーケティングなどを行っている、まさにコミュニケーションのプロフェッショナルです。

現在はホスト業界以外にも飲食事業コンサルティング・店舗運営コンサルティング・人材育成コンサルティング事業を主とする会社を設立し、自己啓発研修所『夢広場』の主催なども行っています。

「モテるとは何か?」
「何のためにモテるのか?」

これまではリーダーや経営者に向けた講演を多数行なってきた有川さん。「モテたい」と願う箕輪編集室メンバーに向けた新しい試みとして企画された本イベントのレポートをお届けします!

<Profile>
有川貴士(ありかわ たかし)
16歳で家出後、調理師として働き、18歳でホストを始める。ホスト業界に入り23年、現在はホストグループ ISK Groupの本部長として、人財育成・組織作り・マネジメント・マーケティングに取り組んでいる。企業研修、講演を通して、『業界改革』『ホストの力で日本を元気に』プロジェクトを旗揚げ、2019年人財育成研修所創設に向けて活動中。


自分自身をさらけ出し、モテる力を学び取れ

有川さん:僕はね、愛される力を持っているほうだと思うんです。

イベントはこの言葉から始まりました。

「モテる」という言葉を「愛される力」と表現した有川さん。 いつもキラキラ輝いていて、楽しそうで、人に囲まれている人。そういう人は、この「愛される力」を持っているのだと話します。

今でこそ冒頭のように断言する有川さんですが、昔からそうだったわけではありません。「この人はすごい。」と感じるほどモテる人、Sさんに出会ったことで、その全てに興味を持ち勉強をしたのだそうです。

この人は普段、誰と一緒に過ごし、どこに行ってどのように過ごしているのか。しかし、接点を持つのは「近寄りがたい」し「聞き辛い」。考えあぐねた有川さんはある日直接、本人にこの感情を伝えたそうです。

有川さん:僕、Sさんに本当に憧れていて、すごく幸せそうで僕もそうなりたい。

Sさん:頑張れ、なれるよ。

有川さん:僕まだ足らないものがあって学びたいんですけど、正直近寄りづらいんですよね。

Sさん:知らないよ(笑)。その壁、俺が作っているか? お前の心の中に勝手に作ってるものだろう。でも伝えてくれるのは嬉しいな、ありがとう。

この会話以降、有川さんとSさんの関係は急激に近くなっていきます。この経験は、そのあとの有川さん自身の「愛される力」に繋がっていきます。

自分が何を感じているのか、どう思っているのかを直接相手に伝える。そしてコミュニケーションをとる時には下心を持たず、純粋な心を持って接する。

さらけ出し自分を裸にすることで、相手も同じようにさらけ出し、可愛がってもらえることを学んだのだそうです。


無条件で相手を愛せ

有川さんは、自分が育てるスタッフにもこの愛される力を持って欲しいと考えています。その中でキーワードとなっていたのが「居場所をつくる」こと。

そもそもホスト業界には、何かしらの理由があり「必要とされていない」と思い込む人が多い。そんな人たちに自分が必要とされていると感じてもらい、変われる場所を作りたいのだと話します。

そのために大切なのは、無条件で愛情を与えること。

例えば、挨拶ができないスタッフに向かって「こいつは挨拶ができない人間だ」と考えるか、「挨拶をすることを教えてもらえなかった人間だ」と考えるのか。

有川さんは後者に捉えることで、惜しみなく愛情を与えてきました。同じように、失敗したスタッフに対して、許してあげることはできるか、守ってあげることができるかも大切です。

愛情を受け取ったと感じた部下は、安心して自分の想いをさらけ出すことができる。安心する居場所があるということは、彼ら自身の良いところが見つけるきっかけになります。


有川さん:「居場所」というのは、単なるスペースという意味ではありません。どんな仕事でも人との繋がりはあるから、「この人がいるから」と思われることが大事なんです。

居場所を与える人ではなく、その人がいることが居場所になる。そんな愛される力を持った人がモテる人だと言えますよね。


モテるために、誰もが持つべきは「礼節」

さて、「ホスト」と聞くと皆さんはどういったイメージを持つでしょうか。多くの人が「モテる」イメージを持っていると思いますが、実際にホストがモテるために行っているテクニックの一部を紹介していただきました。

「モテる」ホストの条件の1つに「リアクションが大きい」があると有川さんは言います。このリアクションは「おやまなすび」という理論で表せるのだそう。

お…おもしろい
や…やばい
ま…まじっすか
な…なるほど
す…すごいですね
び…びっくり

これらの言葉は人に対して興味を示す言葉であり、人は「自分に興味があること」を言葉で示してくれると嬉しく感じると言います。これがモテるためのテクニックの一つ。

しかし、テクニックだけではなく、本質的に大切にしていることがあると有川さん言います。それが「礼儀と礼節」です。

礼儀とは、「こんにちは」や「いらっしゃいませ」といった挨拶のこと。比較的簡単にできる行動です。対して礼節はコミュニケーションにおいて特に大切なことで、「タイミング」が大事なのだそうです。

例えば、人と人が込み入った話をしている時に、わざわざそこに入り込んで挨拶をしに行くのか。その場の流れを遮って挨拶をしに行くことは良くはなく、相手に不快感を与えてしまいます。挨拶をする礼儀としては良いが、タイミングとしての礼節は良くはありません。

これは、一般的に言葉に言い換えると「空気を読む」とも言えます。この礼節を大切にすることはホストに限らずで多くの人が大切にするべきことではないでしょうか。

空気が読める人はモテる。そんな言葉がありますが、その裏にはこのような解釈があったのですね。


その後、イベントの後半には、スペシャルゲストとして有川イズムを受け継いだ Hatch DNA 代表の神崎七緒さんが登壇。両氏が「ホストをやる上でどんな勉強しているのか」などといった参加者からの質問に丁寧に答えていただきました。

後半の内容などが気になる方は、箕輪編集室キャリアデザインチームのアーカイブ動画をご覧ください。



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執筆:菅井 泰樹
写真:松村拓実


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