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編集者とは、個の魅力で勝負する仕事

「編集者」とは何か?

以前箕輪さんは「編集者が最強の仕事だ」という記事でこのように語っていました。

編集者は、一生に一度会えば人生が激変するレベルの変人や天才たちと、毎日会う。
それも会うだけではなく、会って、話して、内臓と内臓を擦り合わせて、朝まで過ごして戦友のようになる。
つまり、才能のエッセンスを吸いまくれる。
才能カクテル飲み放題だ。皇潤より効く。
それに、読者には悪いが、一冊の本を通して一番成長するのは、編集者だ。当たり前だ、一冊の本にして分かりやすく伝えるためには、書き手が言うことを理解しているだけではダメで、噛み砕いて、自分の血肉にしなければならない。
つまり、編集者はあらゆるジャンルの才能カクテルを毎日飲んで、自分が作る本を通して自分自身が成長する。
そりゃあ、目の前の仕事に追われているビジネスパーソンとは気が付いたら圧倒的な差がついていて当然だ。

今回は、ここに出てくる「圧倒的な差」について垣間見えるエピソードを紹介します。

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例えば本のタイトルを提案する時、俺の場合はポンって言ったものに対して、著者が「いいね」って言って終わっちゃうわけで。

結局それって出版社への入社年次は関係なくて。一日一日、俺は昨日できなかったことを常にやり続けてるんだよね。そうじゃない奴は機械的な作業ばかりしてる。要は赤字を転記したり。いくら量をこなして頑張ってても、昨日と同じことをしてちゃ、そりゃ成長はしないよ。

あとはいかに著者のために無理を突破できるかってこと。本は当然だけど締切があるから、会社の人に絶対もう赤字入れちゃ駄目だ、発売月が伸びて事故りますよって言われる。でも、著者が「ごめん、どうしても何箇所か修正したい」って言ったら、俺は「余裕です」って言うのよ。

でも他の編集者は「発売日が伸びちゃうので無理です、ご了承ください」とか言うの。その時点でもうさ、著者にとってそいつはただの出版社の人になっちゃうんだよね。

俺みたいな、「最悪発売日伸びても関係ないですよ、満足いくまでやってください。俺がケツ拭くんで」って言って会社と戦うっていうかさ。「いや、無理じゃないでしょ」みたいな奴は、箕輪という一個人として関係性を築けるわけ。

そういう前提があるからタイトル案もすぐ通るし、例えばNewsPicks Bookの1周年フェアで推薦文をもらう時も「ください!」って一言連絡すればすぐに送ってくれる。

結局さ、会社側に付く人には個人の信用がないんだよね。俺は会社とか関係なく、著者に永遠に寄り添うのは俺の中では当然だと思ってる。

仕事だとかなんだとかを突破して、人間と人間で濃密に付き合うことが出来るか。こいつと一緒にいたいと思われる魅力があるかが問われる。

ホリエモンが俺のことを孫だって言ってくれたり、落合陽一が「ミノワマンは戦友だ」って言ってくれたり。そういう関係性だよね。



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テキスト 篠原舞
写真 小松幸子



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