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「ブランド人」への道は、「選択」の連続 田端信太郎著『ブランド人になれ!』#熱狂書評

昨日より書店に並び始めた、田端信太郎さん『ブランド人になれ!会社の奴隷解放宣言』。早速、Amazonビジネス実用本カテゴリで第1位に。

そんな勢いある本書には、実践的な内容が多く書かれています。例えば、これ。

”まだツイッターのアカウントを開設していないのであれば、この本を閉じた瞬間にアカウントを作り、今すぐ本書の感想を10連投してみてくれ”

そして早速、実践する読者。

同じように、「熱狂書評」でも感想10連続が投じられました。

読んで、すぐに実践に移す。簡単に見えて、なかなかできないことが多いですが、本書はそれをさせてしまう不思議な力を持っているようです。

本日は、そんな本書に魅せられた、箕輪編集室メンバーの清水翔太さんの熱狂書評を紹介します。

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『ブランド人になれ!』が発売される約半年前まで、ぼくは役所に勤めていた。それこそ、

“「自分の値段」を言語化したうえで、給料に見合った労働力を会社に提供し、労働力に応じた適正な給料をもらえばいい”

を、実行に移そうとすれば、「いや、号級で決まってるから」と一蹴されてしまうような世界だった。

そんな世界では、田端さんのいう「誰にとってもハッピーではない」飲み会やメシ会が、当たり前のように多く開かれていた。

思えば、それはもう新人研修の段階から始まっていた。20人ずつに分けられ、2週間ほどの研修をクラス単位で受講する。当然、同じクラスの人とは仲良くなり、他クラスの人とはあまり交流がないという構図ができあがる。

クラスの人たちは、研修終了後、毎日のように皆でご飯にいった。ぼくは、最初こそ参加していたが、途中でそれを止めた。

何か、違和感のようなものを覚えたからだ。そんな忘れかけていたような違和感を、本書を読んで思い出した。そこには、はっきりと言語で示されていた。

“自分と職場、自分と会社が同一化し、食事の時間があまりにも密着に癒着している状況”

ぼくのあの時は、まさしくこの状況だったように思える。自分の身体が溶けて、会社の一部にピタッとくっついているような感覚に、違和感を覚えたのだ。

あのとき覚えた「違和感」は、その後ぼくの中でアラートのような働きを担うようになった。上司や同僚から、ご飯や飲み会に誘われると、警報機のように脳内で鳴り響き、その都度ぼくに選択を促した。

「行く」のか「行かない」のか。

この選択をできるだけで、会社と正しい距離を取れている気がした。それでも、時折、アラートが機能不全を起こすことは多々あった。組織とは、どれだけ精密な機能でも、破壊する力をもっているのだろう。

そのようにして参加した飲み会は最悪だ。全員、舞台『飲み会』といわんばかりに、サラリーマンの演技をし始める。ぼくも、仮面をかぶり、舞台に立って精一杯の演技をした。

だが一方で、「何だこれは。みんなに配布された台本を読んでいるだけじゃないか」という、自分に対する憤りや悲しみが湧き出ていた。

“似たような人間とつるみ、社内の人事のウワサ話に興じる。その場にいない同僚や上司の陰口を叩き、居酒屋でくだをまきながら「やっぱそうっすね!」と負の結束を強める。こんな人間は、ブランド人の風上にも置けない”

その当時の自分の耳元で、上記の文章を音読してあげたい。そんな風に過去を思い出しながら、本書を読んでみると、ふとおかしな光景が目に浮かんだ。

もし、会社の平社員全員が、「ブランド人」だったら。「おい、ボチボチ昼メシに行かないか」と誘われ、「まだ昼休みにはしません」と答える人で占められたオフィス。

孤独を恐れず、孤高の存在を目指すことで、魂の独立を図る人だけがいるオフィス。

いいや、これはおかしな光景なんかじゃない。一流のブランド人、田端信太郎さんが描いている現実的な空間だ。

それでも、「昭和のサラリーマン」は、「いいじゃないか、メシぐらい」と粘ってくるかもしれない。

そうしたら、言ってやればいい。

「先輩は、ここでパンツ脱げますか?」と。

清水 翔太
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「ブランド人」と聞くと、「何か大きなことを成し遂げないといけない」と身構えてしまうかもしれません。しかし、本書に書かれていることは、「飲み会の誘いを断る」というような極めて現実的なことばかりです。中でも、会社との距離感の取り方は、すぐにでも実践できそうな内容です。

いつもと同じ時刻に出勤し、いつもと同じ席に座り、いつもと同じ仕事をする。この変わらない流れの中で、いかにして「選択」をするか。言われるがままに、流されるのではなく、一度立ち止まって考える。

”システムの歯車になるな。システムそのものを創れ”
”会社なんて幻想だ! 大いに利用せよ”
”上司とメシになんて行くな”

これら数々の田端さんの言葉を思い出し、自分なりの回答を出す。そういった「選択」を繰り返すことで、気が付いたときには孤高の存在になっているのでしょう。「ブランド人」への道は、「選択」の連続です。

引き続き、このような「熱狂書評」をお待ちしています! 田端さんの名言を引用したものや一言書評でも、構いません。ぜひ、「#熱狂書評」をつけて気軽に呟いてみてください!

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テキスト 清水翔太

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