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コミュニティデザイナーとして多くの人の居場所を作っていく

2019年1月、箕輪編集室から期間限定のオンラインサロン「Salon×Salon」が発足する。
コンセプトは「サロンオーナーのためのサロン」。3ヶ月に渡って運営のノウハウを学ぶ指南役として、箕輪編集室から8名が選抜された。彼らを率いるのが、「コミュニティデザインチーム リーダー・こっとん 」 こと綿引裕也である。

箕輪編集室という1000人を超えるコミュニティを日々研究し、その知見を余すことなく注ぎ込む「Salon×Salon」プロジェクト。

動画制作やデザイナーといったクリエイターを数多く輩出し注目を集める箕輪編集室から、コミュニティデザイナーという新たな肩書きを背負い挑戦を始める彼に、改めてコミュニティとは何か?その円滑な運営の秘策を聞いた。

コミュニティデザインとは何か

ー「オンラインサロンは何をするところなのか」まだまだ認知度は高くないと思うのですが、綿引さんなりの定義って何ですか?

綿引:オンラインにおいて同じ目的で集まっている人の群れというイメージですね。

ー群れ?

綿引:集団、ですね。箕輪編集室で例えると、「箕輪さん」というハチ公みたいな待ち合わせ場所に、人がばーって集まってるみたいな。

ーなるほど。

綿引:そこに集まる個人個人は、割と細かくいろんな目的を持ってると思うんですけど、基本的なベクトルの方向は同じみたいなことですね。

箕輪編集室(以下:みの編)って、編集者・箕輪厚介が提唱する「死ぬこと以外かすり傷」というコンセプトをベクトルとして、各々が好きな活動をしている集団。僕なりの意訳は、「失敗を恐れないで、とにかくいろいろやってみよう」というイメージになるんです。だからみの編は、“何か”を成し遂げたいっていう想いを持って集まってる人の集団だと思う。

ーなるほど。サロンとコミュニティとの違いはどのように考えていますか?

綿引:コミュニティも同じです。同じ目的を持って集まる集団。

そういう意味では会社も、同じ目的を持ったコミュニティだと言えます。「オンラインサロン」や「会社」など、言葉が違うだけで、僕は一緒だと思っています。もう少し考えを深めたら、サロンとコミュニティは違うポイントが沢山出てくるかもしれないけど...。

ただ、「チーム」は違うと思っていて。

ーその心は?

綿引:チームには目標があるんですよ。出来たか出来なかったかが明確に分かるんですよね。

会社も企業理念として「お客さんの笑顔をより増やす」みたいなベクトルがあって、それに向かって部署(=チーム)ごとに目標を設定したりするじゃないですか。営業では売上数字をいくらにして達成する、みたいな。

「死ぬこと以外かすり傷。」っていうベクトルは「世界平和」みたいなものと一緒で、漠然とした抽象的なもの。どれだけ頑張っても一生達成できないし、むしろ達成できたら死んじゃうので(笑)

「死ぬこと以外かすり傷。」を掲げる人たちが集まり、今は3000人のコミュニティを目指すという大きな目的はあるのですが、そこに向かうための目標はそれぞれのチームで決めて向かっていっているという感じですね。

ーなるほど。すごく勉強になりました。

綿引:あと、もう一つの大きな違いは、チームは解散するんですよ。目標を達成してもしなくても、それが終わったら終わり。終わりがあるから熱狂できる。

ー締め切りがあるから頑張れると箕輪さんが言っていますが、それと同じですね。

綿引:そうなんです。対してコミュニティはよっぽどのことがなければ、終わらない。佐渡島(庸平)さんがコミュニティは熱狂しちゃいけないと話をしているのですが、コミュニティはゴールがないので熱狂し続けられない、疲れちゃうんです。だから、コミュニティを盛り上げるため・熱狂するためには、チームが必要なんですよね。

僕がリーダーを務めるみの編のコミュティデザインチームも、チームという名称は付いているけど、実はコミュニティなんですよ。

ーコミュニティデザインチームというコミュニティの中に、色々なミッションを遂行していくチームが数多くあるということですね。コミュティデザインチームでは、普段どのような活動をされているんですか?

綿引:コミュニティ運営ができるようになるために、コミュニティについての考察・知識を得て、日々チーム内でも実践しています。箕輪編集室がオンラインサロンの成功例と言われていますが、その理由はなにか?を突き詰めていくのが大きな活動内容です。

彼がコミュニティデザインチームのリーダーとなり、半年。今やオンラインサロンは、大小含め数多く存在する。そんな中で、長く安定して続くコミュニティもあれば、運営がうまくいかず頓挫してしまうコミュニティも少なくないのが現状だ。

綿引:人が多く集まるので、うまくいくときもあれば、熱量が空回りしてしまうこともあります。それらの経験を経て、12月21日に開催する「これからのコミュニティの作り方」というイベントでは、これまでの知見を一気に放出させるつもりです。

オンラインサロンといえば、の我らが箕輪編集室・箕輪厚介さんを筆頭に、箕輪編集室から派生した他サロンオーナー・運営メンバーに登壇していただいて、コミュニティについてのノウハウを語っていただきます。

これは2018年5月25日(金)に開催されたイベントの第二弾なのですが、第一がものすごく盛り上がりまして。参加者の熱量がすごくて質疑応答が絶えなかったですし、懇親会でもサロンオーナー同士の横のつながりが数多くできた。むしろ、箕輪さんが会場の端っこで1人でいるくらいの雰囲気でした(笑)。

イベント終了後に、箕輪さんが「オーナー同士のコミュニティを作ろう!楽天大学みたいなコミュニティをどんどん作っちゃおう!」という発案があって。

今回開催するのは、そのコミュニティ化に向けての第一歩。このイベントに参加することで、1月から始まる「Salon×Salon」プロジェクトへ参加することができるようになっています。

居場所を作る人を増やす「Salon×Salon」プロジェクト

ー「Salon×Salon」プロジェクトに付いて詳しくお伺いしたいのですが、どういったものなんですか?

綿引:コンセプトとしては「サロンオーナーのためのサロン」です。

ーこれからサロンを始める方や、今サロンオーナーをやっている方が対象なのでしょうか?。 

綿引:メインはそうです。ただ、オンラインサロンを全く知らない人でも、今ある程度理解できている人でも、コミュニティ運営に興味がある方であれば誰でもウェルカムです。

ーそうなんですね。サロンオーナーというと、少し敷居が高いなと感じたのですが、例えば会社というコミュニティを運営する経営者などが参加してもいいんでしょうか?

綿引:全然ありですね。裾野は広いです。人が3人集まればコミュニティなので、人間関係で悩んでる人が来てもいいですし、会社の経営で悩んでいる人が来てもいいと思っています。

ーなるほど。「コミュニティデザイン」を「人との関わり方をデザインする」と考えると、様々な場面で役に立つ知識が得られそうです。「Salon×Salon」プロジェクトでは、実際にはどんなことをやっていくのでしょうか?

綿引:コンテンツとしては大きく3つを考えています。講義型のコンテンツ・横の繋がりを作るコンテンツ、そしてサロンオーナーないしはサロンオーナーの卵的な人向けのコンサルティングを行うコンテンツです。

ー結構泥臭くというか、一緒に走っていくような感じなんですね。

綿引:はい。僕個人の解釈としては「Salon×Salon」を通じて、長く続くサロンを築けるオーナーが生まれて欲しいと思っています。「サロンオーナー」=「コミュニティを作る人」が増えれば増えるほど、その受け皿を居場所にする人が増える。

そしてそれは長く続くほど、いいですよね。僕個人の想いでもある「いろんな人に居場所を作りたい」という願いとリンクするんです。

ーなるほど。

綿引:たくさんの「居場所を作る人」を育てたい。だから、僕はそういう人たちを後押して、「Salon×Salon」を居場所を作る人の居場所にしたいんです。それが、僕が「Salon×Salon」でやりたいことですね。

ーどうしてそれほどコミュニティデザインに傾倒しているんですか?

綿引:僕は、コミュニティに心を救われたんです。心が弱ってしまった原因もコミュニティだったけど、救ってくれたのもコミュニティだった。だから、そこにいる人に居場所と感じてもらえるようにコミュニティをデザインしていきたい。

(次回:「見つけたから見いだせる」安全安心を創りだす若きリーダーのコミュニティ論に続きます)

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テキスト 後藤俊光 石川勝紘 安田すなみ 中村綺花 市橋真弥
編集 橘田佐樹 柴田佐世子
写真 森川亮太
トップバナーデザイン 惣島厚
「Salon×Salon」バナーデザイン 前田高志


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