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君の時間をどう使うか意識しなければ、何者にもなれない

6月3日北海道大学にて「北海道をアップデートせよ」と題した講演会が行われました。箕輪さんの地方を攻めるというツイートにすぐリプライを送り、箕輪さんを北海道に呼びたいという一心で企画を立ち上げ、仲間を集めた高橋陸人さん。その圧倒的行動力が今回の講演会を実現させました。

*前回の記事はこちら

コンテンツはプロモーションに変わり、お金を取れなくなる

高橋:これからはコンテンツではなく、人との繋がりにお金を払うようになるというのはどういうことですか?

箕輪:本などのコンテンツは限りなく0円になっていくの。電子書籍って物理的には0円なわけ。もちろん原価は100、200万円かかっているよ。でも、基本的に電子書籍の複製は全部タダじゃん。それを有料で売るというのは昔の慣習を引きずってるから。「本にはお金をかけるよね、タダなわけないよね」っていうのがあるの。

でも「え、なんで金払うんだっけ?」って若い世代は気付くと思うの。今は本屋でお金払って買うのが当たり前の世代だから、タダの方が違和感あるんだけど。今10代の子が大人になったらなんで電子コンテンツにお金払うの? ってなると思う。

それはもう音楽の世界で起きていて。Spotifyとか月額サービスにお金払うけど、1曲にお金払うのって意味わかんねぇって話。そんなのデータじゃんって。落合陽一さんが言ってたんだけど、2020年に東京オリンピックがあるから、日本は世界に先駆けて5Gっていう今の何百倍の通信速度のものが普及すると。

それで何が起きるかというと、ダウンロードという概念がなくなるらしいの。Kindleで買って「ダウンロードされました」って出ると所有した気になるじゃん。元々どっかにあったものがこっちにきた感じするから。所有した気がすると、これに500円払ってもいいなって思うの。

5Gになるとポンって押すとすぐ開くんだって。そうなると金払う気なくなるよ。10万人ぐらいが落合陽一の本をタダで読んで、そのうち100人とかが本当に感動して、落合陽一をもっと知りたいと思った。そしたら、彼と一緒に学んだり、プロジェクトを進めるオンラインサロンに入る。(本は)月額1万円のオンラインサロンに入りましょうよっていう誘導になるの。

徐々にコンテンツではお金が取れなくなり、コミュニケーションとか代替不能な人間関係でお金を取るっていうふうに変わっていくと思う。本みたいなコンテンツはあくまでチラシみたいなプロモーション手段になって、最終的にお金が発生するのは代替不可能でコピーができないコミュニケーションになるのは間違いない。

僕が作った本で感動したという先に、僕が出した本の考え方を自分のアウトプットとして体現したいとか、そういう同じ価値観を持った人と一緒に何かしたい、同じようなイベントを企画したい。そういう人たちのために月6000円で集まれる箕輪編集室をやっている。

高橋:「オンラインサロンに入ろうか迷っているけど、地方で本当に月6000円の価値があるの?」とよく聞かれるんですが、どう思いますか?

箕輪:本当に意味がないと思う人も、6000円払って6000円以上の意味を見出せる人もいるから、その人次第としか言いようがない。

みの邸は、選択肢を広げられる居場所

箕輪:今僕がやりたいなと思っているのは、CAMPFIRE社長の家入一真さんが作っているシェアハウス「リバ邸」と箕輪編集室が組んでやる「みの邸」で。全都道府県にみの邸があれば、月に約3万円(箕輪編集室の6千円とみの邸家賃の約2万円)稼げば絶対に死なない。全国各地に居場所がある。かつ、居場所があるだけではなく、動画とか編集とかライティングスキルを習える。

仕事疲れたなって人が遊びにきてダラダラ過ごすのもいいけど、動画を学びたいと思ったらちゃんと動画を学べる教材もあって、教えてくれる人もする。そこで、スキル身に付けたら10万円でも20万円でも稼げる。もっと上に行きたいって思ったら本気でクリエイターになって、ガンガン稼いで一流の人になるという手もある。

人生の選択肢を広げられる場所になればいいなと思っていて。家入さんが打ち合わせした時に言っていたんだけど、今までの世の中では「人は追い込まれたら結果を出す」と思われがちだったんだけど、実は食うために頑張る必要ないみたいになった方が人は頑張れるんじゃないかなって。

やりたいことが明確なら、手を動かせる場所に行け

髙橋:食うために働く必要がない世の中になってきてはいるけど、仕事に囚われて時間がない人が多いじゃないですか。大学生だとバイトですね。箕輪さんはNewsPicksの記事で「大学生はバイトするな」ともおっしゃてましたが、それはどう考えてますか?

箕輪:その言葉の意図は「バイトの先には何もないよ」ってこと。幻冬舎のバイトの子に編集者になりたいかと聞くと「死ぬほどなりたいっす」みたいな子がいて。じゃあ今、この瞬間にやれよ! って思う。コピー印刷したり、バイク便手配したりした先に編集者になれると思うのは、ある種謙虚に見えて傲慢だと思うよ。

与えられた仕事を真面目にこなしていれば「はい、これで君は編集者になれる」っていう年功序列的なものを期待してるのかもしれない。けど、お前誰見て仕事してるの? って思う。編集者が作った本を読みたいかどうかは読者が決めるんだよ。

20代で昔のサラリーマンみたいな発想をしてる奴がいると、本当に終わってんなって思う。編集者なんて資格も何もないんだから今この瞬間にやれよ。俺が今10代で編集者だったら、ホリエモンの名言ツイートをまとめて「電子書籍出させてください」って頼みに行くよ。ホリエモンも面白かったら「OK。適当にやっといて」って言うと思う。

だってホリエモンの稼働が0だから。それで話題になったら、こいつすげえなってなるよ。どんどん同じようなことをやってたら人間関係もできて、紙の本もいくらでも出せるようになるし、いろんな仕事ができると思う。

「バイク便を出すスピードを見てください」とか「コピーをミスなくできます」っていうのは仕事論としては正しいよ。どんなくだらない地味な仕事でも真面目に120点で返し続けるって大事だけど、プロフェッショナルとして考えたら甘えだよね。それは、誰かが見てて、引き上げてくれるって依存してんのよ。

お前がプロフェッショナルで本気でやろうと思うなら、お前を引き上げるのは上司でも会社でもなくて読者やユーザーだから。コピーなんて取ってる時間なんてない。必死に文章を書き、必死にプロデュースして、必死に才能を探す。

バイトするなってことじゃなくて今やりたいことが明確ならば、そこから逆算してやるべきことがあって。出版社で編集者になりたいなら出版社でバイトするんじゃなくて、今すぐ文章書いたり今すぐ才能を探し始めるべきなんじゃないかと俺は思う。

サッカー選手になりたい奴がボール拾いばかりしてたらさ、もうダメじゃん。部活の中でレギュラーを取りたいだけならいいけど。本気でプロ目指してたら今すぐその環境から出て、プレイできるとこに行かなきゃダメじゃん。ボール拾いっていう競技はないんだから。真面目に頑張っているようにみえて甘えだよね。

こんなにボール拾いしているんだから、2年生なったらレギュラーにしてくださいって部活ではいいんだけど。プロフェッショナルとして海外チームでプレイしたいと思っているんであれば、やってはいけない甘えだなと思う。「バイトをしてはいけない」と言った意図は自分がやりたいことが明確だったらプロもアマチュアもないんだから、すぐ手を動かすとこに行けってこと。

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テキスト 荒木利彦

編集 壁井裕貴 橘田佐樹

バナーデザイン 山口ともみ

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