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コミュニティの価値を可視化する。ミレニアル世代が描く、新たな経済圏

今回取材した箕輪編集室メンバーは、「遊びのような熱狂を世界中に」という理念を掲げる株式会社Asobica(Asobica, Inc)のCEO、今田孝哉さんです。

最近は、箕輪さんにコンサルを受けながら作ったサービス『fever』をリリース。そんな今田さんの箕輪さんとの出会いや現在取り組んでいることなどを伺いました。

応援の気持ちがより経済価値を持つ仕組み作り

篠原:箕輪さんのコンサル後にお時間いただき、ありがとうございます。箕輪さんがいる場でインタビューとか若干やりにくいですが…。まぁいいか。ではまず、箕輪編集室に入ったきっかけを教えてください。

今田:箕輪さんにTwitterで絡んだんです。「みの編良さそう!」みたいな。

箕輪:もともとコミュニティにすごい興味があった人なんだよね。

今田:そうですね。

篠原:大学時代、地元の福井で音楽フェスを開催していましたよね。それもコミュニティに興味があったからですか?

今田:エンタメが好きだったんで、やりたかったんです。もともと僕7年間ダンスをやっていて、アーティストになりたい時期もあったりしして。

箕輪:俺とダンス対決しようぜ!

今田:Youtube出ます(笑)。

箕輪:いいね!

今田:それで大自然と音楽をかけ合わせたフェスを作ろうと思って。僕の地元めっちゃ田舎なんですよ。山と海に囲まれていて、小学校もクラスが10人くらいしか居なくて、隣の学校が廃校になるみたいな。そんな人が全然いない田舎に都会の人を集めてこれるような音楽フェスを立ち上げたいということで4年間やったんですね。

学生が田舎を盛り上げる、というのがメディア受けも良かったのか新聞や雑誌に取り上げられて県内では最大規模の野外音楽フェスになりました。でも4回目で失敗して50万くらい赤字になったんですよね。学生でお金が無かったので借金しました。

そのときに「周囲はこれだけ応援してくれているのに、実際の所はお金ってまだまだ集まりにくい。もちろん実力不足もあると思うんですが、NPOや地域おこしの団体とかって、意義がある活動をしていても、お金が集まらなくて活動の幅を広げにくい。この課題感を肌で感じた時に、僕たち以外にも同じ課題を持っている人はいるんじゃないか。もしいるとすれば、その状況を何とかしたいな」って思ったんです。

篠原:今田さんのコミュニティに対する考え方として、以前noteで「これからはカリスマが居なくてもコミュニティが成り立つことを証明していきたい」と書いていましたよね。

今田:コミュニティを模索している段階で、うまくいっているコミュニティの多くが著名人、いわゆるカリスマ的な人が運営していたんですね。まさに西野亮廣さんや堀江貴文さんみたいに“コミュニティのオーナー=カリスマ”という図式になっていて。

でもこれからの時代は、必ずしもオーナーがカリスマではなくても全然成り立っていくんじゃないかって思ったんです。一人のカリスマのアウトプットやコンテンツを受け身型で消費していくファンコミュニティじゃなくて、トップすらもう誰かわからないけど、とにかく一人ひとりが主体となってみんなで作っていく参加型のコミュニティが盛り上げっていくと思ったときに、一人のカリスマってあんまりいらないんじゃないかと。

縦の関係から横の関係を中心としたコミュニティの重要度が高まっていくのではと考えてました。

篠原:カリスマ不在でもコミュニティは成立する、ということを証明する1つの手段がfeverですか?

今田:そうですね。そういった側面もあります。コミュニティに所属するメンバーが、例えば一人のカリスマから一方的に受け手になるのではなく、主体的に参加していくためには、もっと一人一人のアウトプットの場が必要だと思っています。なので、feverではメンバーが自分のスキルやできることを自由にコンテンツ化していけるような仕組みになっています。

それをコミュニティ内の人に提供してもいいし、コミュニティ外の人に提供してもいい。コミュニティに所属することで、自分の可能性をより広げていけたら、コミュニティという場所がもっと必要不可欠な場所になると思ってるんです。

あとは、僕がフェスのときに感じた資金調達って意外と難しい、まだまだハードルがあるっていうのを解決したい。落合陽一さんなど業界のトップランナーを講師に招くMOA大学を立ち上げた際、資金調達をするために3回程クラウドファンディングをやったんですよ。

ただ僕らのように継続的に資金調達したい団体にとって、毎回ページを立ち上げるのが大変だった。そこに加えて支援者側のハードルもトークンという仕組みを使えばまだまだ下げられるのではないかと感じてます。そういったような自分自身が体感した課題をfeverで解決し、結果として意義のあるコミュニティの活動をより発展していけるような土台になればと考えてます。


箕輪さんのアイデアをたった3日で実装

篠原:feverリリース前には、「投票数上位のコミュニティがfeverに参画できる」というイベントを行いましたよね。実際投票が始まってからの動きは予想していた通りでしたか?

今田:想定よりも盛り上がったって感じですね。

篠原:想定してたのってどんな感じでしたか?

今田:こんなにコミュニティがエントリーするなんて思ってなかったんですよね。20チームくらいかなって予想してたのに、蓋を開けてみたら110チームもエントリーしてくれていて。

あんまり自分たちが有名なコミュニティじゃないと応募したくないのかなって思っていたので、意外でしたね。

篠原:Twitterにトレンド入りもしてましたよね。

今田:箕輪さんのおかげなんですよ。

箕輪:そう? ありがとう! それで言うと、今田くんは最初HIU(堀江貴文イノベーション大学校)とかをスカウトするかどうかで悩んでたよね。

今田:コミュニティに関する僕ら以外のサービスが今後参入してくるという前提の中で、feverを利用し続けてもらうためには、"誰が使うか"が重要だと考えた時に、キーとなるコミュニティを掴んでおく必要があると考えていたんですよ。

箕輪:でもスカウトとかめんどくさいから、投票制にしたら勝手に申し込むよって言ったの(笑)。一人ひとり口説くって大変だから。そうじゃなくて、競争で盛り上がってたら勝手に「うちも参加しようよ」ってなるっていうね。

今田:箕輪さんのアドバイスを聞いて、すぐ投票制にしようって思って。海外の取引所サービスでは投票所という仕組みは当たり前にあるので考えてないことはなかったんですが、箕輪さんの話でやるべきだなと確信しました。

箕輪:そのスピードが早かったよね。リリース直前だったのに、「今からエンジニアに振ります!」みたいな。

今田:そこから3日で作りました(笑)。

篠原:すごい!

箕輪:この動画めっちゃ面白ぇ! 「時代を変えるしかねぇ」って泡盛飲みながら言ってるんだけど(笑)。

篠原:それ今見ます?(笑)

次回に続きます

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テキスト Suqe_san 
取材・編集 篠原舞
写真 池田実加 
カバーデザイン 前田高志


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