15_平部_02_のコピー

「ポジションを決め、エッジを立たせよ」自分の居場所は自分でつくる

「平部帝国」
あなたはこの言葉を聞いたことがあるだろうか。

「Twitterアカウント凍結しました!」
「みの編Instagram、フォロワー1万人超えました!」
「クラファン達成!!」
「ガヤれー!!」

帝国界隈では、こんな声が毎日Twitterのタイムラインを席巻している。
今や箕輪編集室で一番活発なチームといっても過言ではない平部帝国もといPRチーム。

2018年の夏頃からPRチームで手を動かし始め、12月からリーダーを務めている平部弓さんに、これまで、そしてこれからの箕輪編集室との関わり方を伺ってきた。

新奇性を追いかけて

ー平部さんはいつ箕輪編集室に入られたんですか?
平部:2018年の3月です。ちょうど西野さんのオンラインサロンやHIUなど、オンラインサロン市場が勢いがあったんです。箕輪編集室もその頃毎回募集に対して定員オーバーで、すぐ募集が締め切られていたので、オンラインサロン市場では人気のサロンなのかな?と思いました。
今後オンラインサロンという業態がどうなっていくのかは、やっぱり中に入って見ないとわからない。だから当初は市場調査を目的に入ったんです。

ー箕輪編集室に入った当初は、どのような活動をされていたんですか?
平部:本当に調査以外全くしていませんでした。ユーザーの動きを見て、インタラクティブ率(投稿に対して、いいねやコメントなどの反応率)など分析していました。ROM専だけどひたすら嗅ぎ回ってるみたいな。「どうやって熱狂というものがつくられていくのか」「どんな層をターゲットにしているか」「そこにはどんなインサイトがあるのか」、、対して箕輪さんがどのようなアプローチをしているのか見ていました。

ー興味があったのはコミュニティ?もしくはトレンド?
平部:お金の動きですかね。感情が動くところには必然的にお金が発生します。その発生源が見たくて…。
昔から「新奇性があるもの」が好きなんです。中学生の頃はどんな漫画がヒットするのか予想することが好きでした。みんなが知らない漫画を発掘して「これ絶対に読んだ方がいいよ」とプレゼンテーションし、それが結果的にバズって人気になるのが快感で面白かったんです。

ーその頃からバズる快感を...。PRチームの鏡のようなエピソードですね(笑)
平部:ちなみに高校生の頃は歌い手さんを予想していました(笑)。
やってることはずっと”観察”しかしていなくて、観察対象自体はコロコロ変わっていくんです。その時面白そうだと思ったことに深くのめりこんでいく感じで。唯一、一貫して続けていたのがお菓子づくりくらいかな。

ーそれはなぜなんですか?
平部:あれは完全に化学式の話なので、楽しいんですよね。
例えば"ゼリーなら200ccあったらゼラチンは5g"など、対比で素材が全部作れるじゃないですか。"卵は81℃で凝固し始める"など全て決まっている。

あとはただの式。例えば、牛乳・砂糖・卵でつくるミルクシェーキってあるじゃないですか。あれに小麦粉入れて炊いたらカスタードクリームができて、そこにゼラチンと生クリーム入れたらババロアができて、それに卵白足したらムースができて…。転用で成り立っているところが面白い。算数の数式じゃないですけど、つじつまがカチカチと合うのが好きですね。

ーなるほど。そのように考えたことはありませんでした。
平部:さっき新奇性という話があったと思うんですけど、良くも悪くもお菓子づくりはつくる過程が好きなだけであって、完成してしまったら私の中では廃棄物。その後どう処理するかは正直興味なくて。つくったものはクックパッドにアップしていて、それが人気投稿に載ることが楽しかったんですよね。

自分のポジションを決めろ


ー平部さんと言えば、コピーライティングの勉強会のイメージが強いです。
平部:ちょうど2018年の夏ですね。確か最初は51人かな。ZOOMでの集合写真を2枚以上撮ったのは後にも先にもないです。

ーそれはすごいですね・・!どんなきっかけで始まったんですか?
平部:当時、箕輪編集室の呼び込みや営業が弱いよね、という話がPRチームで出ていて、コピーライティングができる人が求められていたんです。コピーライティングって大きく2つあるんですが、私は現職でその1つであるセールスライティングに関わっているので。手をあげてみたら、トントン拍子で勉強会をすることに...(笑)。

ーものすごい人気の勉強会でしたよね。その勉強会によって何か変わりましたか?
平部:あの勉強会って私ともう一人、大手広告代理店でコピーライターをされている方がいらっしゃったんですね。宣伝会議でも講師をされているようなTHE講師という感じの方で。だから私はポジショニングを変える意味でも、いわゆる座学のような形ではなく、超実践的な講義形式を選んだんです。課題とかやってこないと「おい、お前やらねえのか」みたいな。そしたらそれがなぜか大好評で(笑)、熱量高く勉強会に臨んでくれる方が多かったのが一つの発見でした。また、この勉強会を皮切りに箕輪編集室内で、いわゆる勉強会というものが流行っていったんですよね。

ーそのポジショニングが今のPRチームの帝国感にも繋がっていそうですね...!
平部:帝国感...そういうとまるで私が恐怖政治しかしていないみたいに聞こえるじゃん!(笑)
でも実際しっかりポジションを決めて、それに対してエッジを立ててプレゼンテーションしていけば、人って熱狂していくんだなとPRチームのリーダーをしていて思いましたね。

私の場合は自分のキャラがこうだから、帝国感が出てしまうというのはなくて。必要なところにポジション取りしたものが勝手に女帝キャラになっていた。コミュニティの状況によってはそれが歓迎された、と言った感じです。

当時のPRチームの状況としてドラスティックに変える必要があった。だからトップダウンにせざるを得なかった。できそうな人間を探したら勉強会で偉そうにしていた私がちょうどよかっただけなんですよね。トップダウンって軌道修正が効きやすいので。

私自身この形式は不本意だけど、結果的に求められていた側面もあったんだと思います。素地をつくるために、チームが機能するやり方を選んだだけ。だから次のリーダーは下から支えるリーダーとかの方が良いのかもしれないですね。変にポジションを築いてしまったので、なかなか辞めづらくなってしまったのですが(笑)。

エッジが立っていないと意味がない

ー当時のPRチームの状況ってどんな感じだったんですか?
平部:公式SNSがきちんと機能しきれておらず、なんとかしないといけないという風潮がある一方、専門性を持った人がいなかったんです。
私自身、元々そういったSNSマーケの仕事を行なっていたので、SNSを全て立て直す役割を担うことになりました。

実はその流れで昔、箕輪編集室のInstagramの投稿を全消ししたんですよ。

ーえぇ!それはなぜですか?
平部:いや、もう全く上手くいってなかったし、ターゲットもわからない。「箕輪さんの言葉を使いながら女性に焦点を当てたい」なんてことを当時のメンバーが言っていたのですが、なぜそうしたいのかも意味わからなくって。

ーそうなんですね。そこから何を行なったんですか?
平部:大きく3つのことをしてみました。
まず1つ目に「女を全部切り捨てろ」と伝えました。女性が主体に動くInstagramではそれだけでエッジ(独自性)が立ちます。加えて迷子になってしまっていたペルソナを立て、人物像もつくりました。

2つ目にどうアウトプットするかを話し合いました。白地に黒で一貫性が見出しづらい文章の投稿では全然エッジが立たない。それなら、どっかの名言好きな人がやったアカウントと同じになってしまうと思ったんです。だから「箕輪編集室といえばなんだ」っていうテーマの話し合いをしました。結果的に当時はライティング力と写真という話になったので、その強みを活かして取り組む必要があるという話をし、テーマカラーも黄色と黒(箕輪さんの死ぬカスの色)を設定しました。

そして最後に、「世界で一番スタバの似合わないアカウントをつくれ」と伝えたんです。

ーなぜ世界で一番スタバが似合わないアカウント?
平部:2つ理由があって、スタバっていい雰囲気の場所で、おしゃれじゃないですか。あの雰囲気ってInstagramに投稿したくなりませんか? いわゆる"インスタ映え"ですね。こういった投稿は完成度高くしないと、たくさんの投稿の中で完全に埋もれる。これにはついていくことが難しいと思ったからです。

2つめに、このおしゃれな世界観が全く箕輪さんに似合わないんですよ(笑)。「とにかく動け」「量量量」とかいう、ちょっとロックでかっこ悪い箕輪さんが言葉と合わない。世界観と伝えたいメッセージがブレてしまうんです。伝えたいメッセージに対して、筋を通さないとダメ。

ー確かに筋を通すことは大事ですね…。当時のメンバーの反応はどうだったんですか?
平部:さすがに当時投稿しているメンバーはかわいそうでしたね。ただ中途半端にやってもしょうがないので「それでエッジ立ってるの?」「箕輪さんらしさって出てるの?」などボロクソに言いました。最終的に「…はい。」という感じで半ば強制的に投稿を全消しすることになりました。
悪いことしたかな? と思いつつも、今ではフォロワー1万人も超えているので結果的に良かったのかなと思っています。


*2回目はこちら
「みの編は私にとって仮説を試す実験場であり、遊び場」


***

編集 吉井健吾
写真 惣島厚
バナーデザイン 惣島厚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?