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佐渡島庸平×光本勇介×箕輪厚介が新たな本の可能性を語る! #あたらしい読書

本日5月16日(木)東京ミッドタウン日比谷にある「HIBIYA CENTRAL MARKET」さんにて、有隣堂×幻冬舎×箕輪編集室のコラボによるイベント「あたらしい読書」の第2回が開催されました。

今回のゲストはこちらのお2人。
箕輪さん編集で2019年5月に自著『実験思考』を発売した光本勇介さんと、『インベスターZ』や『宇宙兄弟』を手がける編集者・佐渡島庸平さんです。

左から)箕輪厚介さん / 光本勇介さん / 佐渡島庸平さん

今回は50名限定と前回より増員しての開催にも関わらず、チケットは即完売。開場前から列をなす参加者たちに、このイベントへの期待が感じられました。

「価格自由」で気が付いた「本は最強のメディアだ」

光本:ここ(HIBIYA CENTRAL MARKET)って本屋さんなんですよね?僕、本屋って4~5ヶ月ぶりかもしれない。それくらい馴染みがなくて…。

箕輪:さっきそこの棚みて、初めて本屋さんに並んでいるの見たって言ってたもんね。面白い売り方させてくれるなら本を出すって言ってくれたくらいだもん。酔っ払いながら(笑)。でもそれが光本さんのプロモーションになるわけだから、良いマッチングでしたよね。

そんな経緯で生まれたこちらの企画。ご存知の方も多いでしょうか?


光本さんが2019年5月に発売した書籍『実験思考』は電子版が0円・書籍が390円(+税)という原価のみでの衝撃の価格設定。巻末にあるQRコードからリンクできる特設サイトでは、読み終わった読者が後払いで課金ができるといういわゆる「投げ銭」方式を採用しています。

光本:本を出版する機会をもらって、本の影響力というかパワーはすごいなって改めて思いました。

箕輪:なんでみんな本読むんだろうって思ってた?(笑)

光本:そうそう(笑)。でも発売から1週間で、想像もしないことが起きていて。先日も突然1000万持って僕の会社に飛び込みで来てくれた方がいたんです。今、世の中に流通している『実験思考』に対して課金してくれている人は10%程度なんですけど、すごいことになっているんですよね。

その総額は現在なんと¥46,947,100。(2019年5月16日 11:30現在)

箕輪さん:本って信者化するというか、エンゲージメントの高いファンを集めるには最適なものの一つ。これまでは部数×金額でしか回収できなかった売上に対して、その熱い人たちの中に課金サイトを置いたらどうなるかという実験をしたら、4000万以上集まったんですよね。

これまで本という媒体をきっかけにコミュニティを立ち上げ、多くのイベントに携わってきた箕輪さん。同じ価値観を持つ人たちが集まった先に、様々な可能性があると感じたそうです。

佐渡島:祭りを起こしていいっていうきっかけがこの本だったってことだよね。お金を払ってる側は実験をしているつもりではないけど、壮大な遊びに加わろう!という感じ。僕が書いているnoteの記事に毎回サポート(課金)をしてくれる人がいるんだけど、その額が116円とか毎回刻んでくるんだよね。お金の支払う額によって、ユーザーは感情を表しているのかなと最近思っていたところなんです。

これまで何十年と続いてきた出版業界の慣習を大きく変えた今回の施策。想像以上の反響を受け、これまでの販売方法より高い売上にはなっているものの、まだこの先の可能性があると語ります。

光本:今回売上が上がったとしても、まだこれが正解かはわからないですよね。ただ気が付いたのは、「本って最強のメディアだ」ということ。もっともっと色々な売り方ができるんじゃないかって思うんです。

今回は『実験思考』を経て見出したあたらしい本の可能性について話してくれました。


投げ銭方式をさらに普及させる新たな施策とは

光本:僕ね、「投げ銭」と言っているとこれ以上広がらないような気がしていて…どういう表現・ネーミングだったらあたらしいカテゴリーとしてもっと広がっていくのかなって、ここ数日すごく考えているんですよ。

今回の販促を通して、様々な業界でもこの施策は転用できると話す光本さん。ただ、そのネーミングが引っかかっている様子です。佐渡島さんからは、「パパ活」が「夢の応援」と置き換えられたことで今や多くの女子大生が気軽に登録するようになったという話がありました。

光本:表現って市場が作れたり世の中を変えられるんですよね。それが面白いんですけど。

佐渡島:お布施という言葉もそうなんだけど、起こっている感情とちょっとあっていない感じがするよね。

箕輪:オンラインサロン もそうなんだよね、だから宗教っぽいとか言われる。バチっと合う表現が見つかった瞬間、イメージを大きく変えられるんでしょうね。

光本:いい表現ないかなーって。イメージ的には「ハート」なんですよね。ハートを渡す感じ。

これからさらに大きな市場になるために、新たなネーミングを模索している光本さん。読んでいる方の中に、何か思いつく方はいるでしょうか?

信用があるから成り立つ投げ銭方式

1000万を課金すると一緒に会社を起こせるという施策を行った光本さん。誰も課金しないだろうと思っていたそうですが、なんと複数名による課金がありました。

佐渡島:今回の「価格自由」、これこそが本当の信用経済ですよね。光本さんのアイディアに価値があると周りが信用しているからできること。信用の元にはコミュニケーションがあって、人って先に信頼した方が勝ちなんですよ。

箕輪:SNSがこれだけ普及したことによって信頼することに対する不安がめちゃめちゃ減ったんですよね。僕のトゥクトゥクの運転手って、ちゃんと話したこともないのに「やりたいです」って大阪から出てきて、今やっているんですよ。いきなり危ないことをされる危険性もあるんだけど、SNSであらゆることがオープンになったことで、裏切る行為の意味がなくなるんですよ。

光本:人を全力で信じてみるって楽なんですよね。

佐渡島:(心理学者の)アドラーの一番の教えって何だと思う?「大人になるっていうことは周りが敵ではなく全員仲間だと思えるようになることだ」ってずっと教えているんだよね。そう思って行動する方が良いって。

出版業界に巻き起こる新たな8:2のカタチとは

あらゆるものは2割の熱狂的なファンによって成り立っている。そう唱える佐渡島さんは、これからの出版業界をどのように見ているのでしょうか?

佐渡島:これまでは本屋さんをよく使う2割のユーザーが8割の売り上げを支えていたんだけど、それが作家ごとにはなっていなかったわけ。1つの本屋のファンを出版社や作家で取り合っていたのが、作家の本当の2割のファンが、8割の売り上げを支えていくんじゃないかなと思う。今回の光本さんの課金のサイト、読まないで払っている人も多いと思うよ。

光本:そう、「まだ読んでないんですけど」っていうコメント付きで課金してくれる人がいたりしたんだよね!(笑)

箕輪:新しいよね(笑)。無料なんだから読めよ!って思う(笑)。

佐渡島:それって、応援にお金を使うっていうことだよね。ホリエモンの次の本も「価格自由」でやったらめちゃめちゃ売れると思う!

箕輪:それはホリエモンも言ってた。

光本:堀江さんがやったら今回と1ケタ違うと思いますよ。

ロケット打ち上げ成功を受けた電子書籍や次回の書籍の制作が進む堀江貴文さん。その「夢」に共感し応援する人たちから、今回とは違った課金があるかもしれません。

箕輪:写真集で「価格自由」をやるのもありだよね。小説とかもできるのかな?

佐渡島:感動したことに対してお金を払うということが成り立つかだよね。そこまで心を揺さぶる小説家がどれくらいいるのか?ファンがいる小説家はあまりいないから…。

箕輪:今までって「良い本だよね」で終わっていたけど、その「深さ」を測れたらすごいよね。「価格自由」が合うのかはまだわからないけど。

「あってもよい本」か、「心の底から必要だとされる本」か?
その指標として、「価格自由」は新たな判断軸をくれるのかもしれません。

光本:僕ね、本屋さんが儲かる仕組みってもっと作れる気がするんですよ。

箕輪:全くその通り。これだけ知的好奇心が強い人たちが集まる場所で、お金になるのが本代だけって勿体無い。

佐渡島:それこそ文喫っていう入場料を取って、買うと入場料が無料になるっていうシステムが流行っているみたいなんだよね。漫画アプリも、興味がない漫画を見るとポイントがもらえるっていうシステムがあるんだけど、それもリコメンド機能で自分が好きな系統に出会えるから、結果買っちゃうっていう。

光本:全部読んだらお金がもらえる本ってどうやったら作れないかなって?途中でやめたらお金を払わなきゃいけないとか。そんなことを考えていますね。


「本が売れない時代に本を売る」

そんな3人が集まった今回の #あたらしい読書 。次にどんな実験が行われるのか、ワクワクしてしまうような濃厚な話で盛り上がりました。

今日をきっかけに、また私たちがびっくりするような出来事が起こるかもしれません。もし今日の話を聞いてあたらしい施策が思いついた方は、 #あたらしい読書 で発信してみてはいかがでしょうか。

<本日のグラレポはこちら!>



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執筆:柴田佐世子
グラレポ:小野寺美穂
写真・トップバナーデザイン:浅見 裕
イベントバナーデザイン:小島 壮基
イベント運営:箕輪編集室 イベントプロデュースチーム


<本イベントの動画は箕輪編集室内にていつでも見ることができます。>


<あたらしい読書第一回の即日イベントレポートはこちら>


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