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熱狂するために、自分の心が錆びつかないように保っておく【株式会社ダリア 新春戦略セミナー】

2月4日(火)、美容サロン向け資材・機材の卸から経営支援まで美容室をトータルサポートする総合商社の株式会社ダリアで、新春戦略セミナーが行われました。

その中には、箕輪厚介さんによる「箕輪が語る!“努力は夢中に勝てない”」をテーマにした講演会も開催。今回は「箕輪編集室公式note」で、その講演内容を一部公開します!

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著書『死ぬこと以外かすり傷』に込めた想い

司会:箕輪さんは現在、幻冬舎の編集者として本の出版を手掛けていらっしゃいますが、副業的にオンラインサロンの運営や講演会に多数出演されていますね。多忙な中で、それでも本職でベストセラーを出すなど結果を出し続けていらっしゃいます。仕事に対する考え方、価値観っていうのはどういう風に考えているのですか? 

箕輪:僕自身、自分や他人が体験したこと、面白いって思ったことを世に紹介して、それに多くの人がワッって沸いてくれる瞬間が好きで、このためならどんなに大変でも自然と力が湧くんですよね。

で、価値観なんですけど、これは本当に悩みますね。この前ONE MEDIA Inc.(ワンメディア株式会社)の明石ガクトさんに「俺ら起業家は、ドラゴンボールの世界で敵を倒そうと思って頑張ってるんだけど、箕輪さんがやってるのって「こち亀」の世界なんだよね。毎日その瞬間ハマってることをただやって盛り上がって、最後失敗して終わるみたいな。1億円稼いだと思ったらハマってるものにお金を使ってなくなるとか、変なことをやって大原部長に怒られるみたいな感じ。そういうただふざけてるだけなのが、みんな羨ましいと思ってるんだよね」って言われたんですよ。

本当にそうだと思っていて、一昨年ボクシングをやったり、去年歌手デビューしたり、最近だったら本田圭佑さんの立ち上げる「One Tokyo」っていうサッカーチームでサッカー選手をやるみたいな。その瞬間ハマってることをただやってるんですよね。本当にこち亀の世界のようにいろんなことをやってます。

司会者:確かに。本当にいろんなことされていますよね。

箕輪: だから、お金を稼ぐみたいなことは基本的に考えていなくて、その瞬間、これだったら楽しいかも、夢中になれるかもって思うことを、ただただ繰り返しているだけ。本当に短距離走のように繰り返して、その結果たまたま今ここにいるって感じなんですよね。

司会:そうやってさまざまなことに挑戦している中で、『死ぬこと以外かすり傷』(マガジンハウス)を出されたっていうのは、それにはどんな想いがあったのですか? 落合陽一さんが帯文で「熱量の高いバカなテンションを潰す世界にしてはいけない。この本はリスクをとるバカを増やしてくれる」と書かれていましたよね。

箕輪:そうなんですよ、SNSもリアルもあまりにも挑戦する人や、失敗する人を小馬鹿にする空気が蔓延しすぎてて、そんな中でリスクをとるバカを増やしたいっていうのがめちゃめちゃあったんですよ 。人と違うことをやったり、身の丈に合わない挑戦したりする人のことをみんなどこかで失敗しろと思ってる。それは人が新しいチャレンジをして上手くいくと、動かない自分が否定されるような気持ちになるからなんだと思いますね。

司会:そうかもしれません。

箕輪:「どうせ上手くいかないでしょ?」って、そういう書き込みばっかりな世の中で、実際失敗したらみんなで笑う。そういう世界がほんと気持ち悪くて嫌で。でも最近、若い世代で、"挑戦する人を笑う人を笑う空気"が多少あるのはすごくいいことだと思ってて。ちょっと見当外れでも、新しいチャレンジしたり、熱量高く頑張る人がそれだけでいいじゃん、面白いじゃん、っていう世の中にしたいんだよね。


個性を発揮させるために「環境マネジメント」

司会:これからチャレンジしたり、変わっていこうと思っている人に箕輪さんからメッセージがあれば、すごく勇気が出ると思うのですが。

箕輪:これからの時代は変化が早い時代だから、年齢だけでなく若さを持ってる人がすごく強い時代だと思っています。

司会:昔とは変化のスピードが違うということですか?

箕輪:変化が遅い時代は基本的にノウハウやルールが変わらず、年齢を重ねれば重ねるほどお金も人脈も増えて、経験の多い人が強かったんですよ。

司会:それが現代では通用しないと?

箕輪:全く通用しないって意味じゃなくて、毎年毎月新しいテクノロジーが生まれて、次に何がどうなるか分からない時代になってきたってことです。変化が早くて世の中の常識が急にガラッと変わっちゃうことがよくある。だから、新しいルールに一瞬で乗り換えて、どんどん新しいことをしていける人、そんな人が強い時代だなと思ってます。必ずしも全部のことに自分ができるようにならなくてもいいんだけど、新しく出てきたものや若い人を否定せず、変化を楽しんでいければいいんじゃないかなと思います。

司会:時代の変化に伴い個人の認識が変わって、それと同時に組織のあり方も変わっていくのでしょうか?

箕輪:いろんな論点はあると思うんですが、さっきこち亀の話をしてくれた明石ガクトさんが「法人自体がなくなっていく気がする」って言ってて、すごく理解できたんです。「個人が一人で立ててないと、どうしようもない時代になってるから、個の集合体として組織がある方が良い。その時に、会社で仕事としてやるよりは、オンラインサロンのように遊びで好きなことやっている方が個の求心力が増す」と、まさにこれだなと。

司会:なるほど。

箕輪:経営者の指示に、上か下へみんなが従うのではなく、それぞれが自分のやりたいことを思い描いて、やりたいことを実現できるような場をマネジメントをするのが組織になるんですよね。それが会社なのか、オンラインサロンなのか、サークルみたいな場所なのかは、それぞれなんですけど、境目がなくなってくるんじゃないかなと思っています。

司会:組織の境目がなくなっていくんですか?

箕輪:個人でファンを作る仕事はノウハウがすぐ真似されてしまうからこそ、会社として人を束ねるより、ある意味、自分の内面性や自分のやりたいことを発揮しまくる環境をマネジメントする場所みたいになるような気がしているんです。

司会:なるほど。それでは、 組織のあり方が変わっていく中で、次世代のリーダー像はどういったものが良いと思っておられますか?

箕輪:一人一人が自分の能力や個性をどれだけ発揮させるかっていうのがリーダーのやるべきことです。昔は、上手くいく正解の方法が比較的分かりやすい時代だったから、正解のマニュアルを叩き込んで、それだけやれば勝てました。でも、今は何が正解か分からない時代で、ある意味、正解をやった瞬間にビジネスとしてよくあるものになって、普遍的なものしかできない。結果ビジネスとしても儲からなくなるんですよね。

司会:リーダー像が変わってきたんですね。

箕輪:リーダーは、背中を見せて引っ張るというよりも、みんなの方を向いて、みんなの顔を見ながら後ろ向きで歩いていくイメージです。メンバーそれぞれが自発的で、どこ進むか分からないけど、みんな楽しそうにしてるかなって、環境をマネジメントするのが役割なんです。

司会:箕輪編集室でもそういった風にやられているんですか?

箕輪:どうすれば僕が極力何もしなくても組織が機能するかを、6割ぐらい考えていますね。僕がやらなくてもどうにか事故らない、ギリギリのところをいつも探していますね。基本的にみんながしたいようにする、という発想に切り替わるように「これやって」と言うのではなく、問いだけを立てて、何をやりたいのか引きだすようには意識しています。

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大切なのは「自分に嘘をつかないこと」

司会:箕輪さんが熱狂するために大切にしていることは、なにかありますか?

箕輪:明確にあるのは「自分に嘘をつかないこと」ですね。誤解を恐れずに言うと、石野卓球さんの「自分に嘘をつくぐらいなら他人に嘘をつけ」という言葉が好きなんです。

司会:詳しく教えてください。

箕輪:たとえば新入社員とかの時に、本心ではやりたくない仕事だけど、上司にやりますって言わなきゃいけない時ってあるじゃないですか。人生の中で、そういった場面はたくさんあると思います。でも、その時にやっぱり自分の心には、最低限嘘をつかないのが大切なんです。もし自分を殺してやり続けて、しんどさから考えることすらやめてしまうと、自分の心がどんどん錆びていちゃうんですよね。

司会 :心が錆びていってしまう?

箕輪:要は自分の心に嘘をつき続けて、「人生こんなもんだからね」と思って生きるようになってしまうこと。そうなっちゃうと、本当にやりたいことや本当に好きな人に出会った時に、そこに熱狂するとか、熱中するとか、のめり込むために必要な心の感度がめちゃめちゃ落ちてしまうんですよ。

司会:なるほど。

箕輪:だから、その明確に自分の心に嘘をつかないっていうのが、熱狂をする体質を作るために、一番大事な気がします。自分の感情が錆びつかないように保つことで、本当にやりたいことに出会った時、「これだ!」と気付けると思います。

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書き起こし/滑川 奈津美谷口 敬亮阿部 愛
編集/阿部 愛菅井 泰樹
バナー/松儀 愛侑

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お問い合わせ:minowa.et@gmail.com
箕輪編集室公式Twitter


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