箕輪編集室から起こるストーリーに、想いを馳せてほしい【BRUTUS制作note】プロジェクトリーダーインタビュー
「BOOK in BOOK 面白かった!」だけじゃあ終わらない。
そう語るのは、箕輪編集室『BRUTUS』プロジェクトのリーダー金藤良秀さん。
2019年9月2日、マガジンハウスより『BRUTUS』900号「真似のできない仕事術」特集が発売。現在、全国の書店およびwebにて販売されています。その中で、8ページにわたるBOOK in BOOKを「箕輪編集室責任編集」として制作しました。
7月より始動した『BRUTUS』プロジェクト。約1ヶ月間プロジェクトリーダーとして制作の最前線を走った金藤さんに、今回のプロジェクトについてお話を伺いました。
プロフィール
金藤 良秀(かねふじ よしひで):2019年よりフリーライターとして活動。2019年1月に箕輪編集室に入会し、2月に夕刊ミノ編集メンバーを経験。4月より夕刊ミノプロジェクトリーダーとなった。「箕輪書店だより」の取材・執筆をしており、8月には『BRUTUS』プロジェクトにてリーダーを務めた。箕輪編集室のほか、WORDS、前田デザイン室に所属。外部の執筆メディアは「新R25」など。
自分に言い訳をしない、殻を破るための挑戦
ーー現在、箕輪編集室公式noteでは『BRUTUS』プロジェクトに関わったメンバーの所感を綴った「夕刊ミノ」が更新されています。その中でメンバーの皆は「あの有名な『BRUTUS』」ということで、携われることを楽しんでいました。やはり、金藤さんも同じような気持ちで『BRUTUS』プロジェクトに携わっていたのでしょうか?
金藤:そうですね。箕輪編集室Facebookページでの投稿で、箕輪さんからプロジェクトの話が来た時は驚きました。まさに「あの『BRUTUS』から!」という思いでしたね。
ーー今回のプロジェクトに真っ先にリーダーとして立候補されましたね。どんな思いで立候補したのですか?
金藤:ぼくは現在フリーライターとして活動しているのですが、ライティングだけじゃなく、これからは「編集」能力が重要になります。それにたった8ページとはいえ、「プロジェクトリーダー」として雑誌づくりを経験できる機会はめったにないことです。
だから今回のプロジェクトは、今までの自分ならやらなかったことをやるという「殻破り」のような気持ちと、「編集力をつける」ためにもやらなければという気持ち。この2つが混ざって立候補しました。
ーー立候補したタイミングも、ものすごく早かった印象でした。投稿からすぐに立候補していたイメージがあります。
金藤:箕輪編集室内でも、これぐらいの規模のプロジェクトってなかなか無いと思うんです。それほどのチャンスを見逃してはいけないと、思い切って立候補しました。
誰かが先に手を上げてしまったら、リーダーは “仕方なく” できなくなったことになるじゃないですか。そうしたら「今回はできなくなったんだから仕方がない」と状況に流されて終わってしまいます。僕はそれが嫌で、それを言い訳にしたくなかったんです。
ーー気持ちを入れて立候補したんですね。だけど、箕輪編集室内のリーダー・サブリーダー、前線で活躍しているデザイナー、ライターをまとめるのは大変なはず。躊躇はしなかったのですか?
金藤:正直、躊躇はしました。まず、みんなの目を気にしましたね。無駄に自意識が強いので。「ここは、君が手を上げる場面じゃないでしょ」みたいことを思われたらどうしようかなって。でも、そこで行動してひとつ殻を破らないといけないと思いました。怖いから、逆に挑戦しようとしたみたいな気持ちでした。
多くの人に支えられたから飲めた才能カクテル
ーー初めての経験がたくさんあったと思います。普段はwebのメディアを中心にライティングをされて、それが急に紙のメディアになったから、勝手の違いに戸惑ったのでは?
金藤:そうですね。分からないことが本当に多かったです。普段のwebを中心としたライティングと紙のライティングは全然違う。本当に驚きました。
そもそもの作りも違って。初心者的ですが、まず文字量とデザインの制限が違いますよね。実際のwebサイトのデザインってある程度固まってたりもするじゃないですか。そのメディアを見て雰囲気や媒体イメージに合わせたライティングをする。
文字数は記事に依りますが「4,000字以内」とか「6,000字程度」とか。要は”約”何文字ですから。正確に決まっていないことが多い。
それが紙のメディアだと、はっきりと文字数が決まってますから。オーバーした文字量を調整するために1文字単位で文字量を調整する。言い回しを変えたり、文章の要不要を精査したり。そういったライティングとデザインとの兼ね合いを見ながら考えるのが初めてだったので、本当に難しくて大変でした。
箕輪さんが「編集者は才能カクテルが飲み放題」っておっしゃっていますけど、今回の制作でもまさにその通りだなと実感しました。紙面に文字を収める作業では、1文字単位で修正をかける分、より食い入って読み込むんですよ。ここはwebでも同じですが、1文字レベルで意味を考えます。
編集してる側が一番読むし、才能の原液カクテルを飲めるわけです。一番勉強をさせていただいたかもしれませんね。
ーーリーダーで走り抜けて来たからこそ、自分が一番成長したんですね。
金藤:でも、これができたのはもう本当に、プロジェクトメンバーの皆さんに支えてもらったからなんですよ。何に感謝をしているかと言われて例をあげるとキリがないほど、多くのことで皆さんに助けてもらいました。
不安がっていた僕に「プロジェクトリーダーになったからには!」と叱咤激励してくださった方もいらっしゃいましたし、「全力でサポートします!」って言ってくれた方もいました。
みんな苦しかったはずなんですよ。企画が一回白紙になったり、キックオフミーティングは3回やったし(笑)。もちろん平日に会社勤めをされている方もたくさんいらっしゃる中での活動です。
そんな各個人の事情がある中でも、このBRUTUSプロジェクトにスピード感を持ってコミットしてくれた。かなさんが夕刊ミノで、「みんないつ寝てたの?」と言っていたように、本当にみなさんの反応が常に迅速でした。
それを全部笑顔でやってのけて下さったというのは、本当に感謝しかないです。
BOOK in BOOKだけじゃあ終わらない、「みの編BRUTUS」の魅力
ーー今回、特に読者に見て欲しいポイントなどはありますか?
金藤:このBOOK in BOOKを通して「箕輪編集室がここまでやったんだな」っていうのが伝わるものになったらいいなと思っています。もう読まれた方も多いかと思いますが、まだの方には、ぜひ読んでいただきたいですね。
箕輪さん時代背景を語る序文から始まり、前田裕二さんが「可処分精神」を語る全力のインタビュー、西野亮廣エンタメ研究所の物語。箕輪さんのニューズピックスの売り方とかも、具体的に書かれています。
これから購入者限定イベントなども行われるので、楽しみにしていてほしいです。
あとは、雑誌内のコンテンツを楽しんでもらうのもそうなんですが、制作過程からPRまですべて含めてひとつのコンテンツになっているのがこの「心を奪う仕事術」だと思うので、そこを楽しんでほしいです。
ーーと、いうと?
金藤:制作過程を発信しているTwitterでのツイートや、noteでのPR活動。その他に、いくつもの動画の配信もしてくださっています。書店に協力をお願いして、POPも置かせてもらっている。そうした活動に走っている人たちを見て、なぜ箕輪編集室からこんなストーリー起きているのかに、想いを馳せてもらいたいんです。
そして、今後、「メモ魔会」とコラボして『BRUTUS』を研鑽するメモ魔会を開催する予定です。さらに西野亮廣エンタメ研究所の方々とスナックCandyで交流しに行こうとかそういう動きもあります。このBOOK in BOOKがコミュニティとコミュニティをつなぐ媒体にもなっているんですよね。
この制作過程やPR活動、その後の活動全体を見てもらったら「BOOK in BOOK読んで面白かった!」だけじゃあ終わらない。ただ雑誌をひとつ読むこと以上の深い味わいを感じられると思います。
今起きているのは、そんなムーブメントだと思っています。
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