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楽しいことをやるのに年齢は関係ない! トムさん流「人の巻き込み方」

箕輪編集室メンバーが集えば、その場にいなくても話題にのぼる人がいます。
「トムさん」のニックネームで知られる村田敏也さん。
今年還暦を迎える彼はSNSを使いこなし、誰にでも声を掛けあっという間に打ち解ける。
フットワークの軽さは20代にも引けを取らず、頭の中は誰よりも柔軟で、すでにセカンドキャリアを自ら構築されています。


インタビュー後編では、箕輪さんを関西に呼ぶために初めてクラウドファンディングを募ったこと、地方チームを盛り上げるなど人を巻き込んでいくお話を伺いました。

*前回の記事はこちら
「人生の目標は『ナンパ力』と『理論と実践の往復旅行』で達成せよ!」


一目惚れした箕輪さんを関西に呼ぶため、58歳でクラウドファンディング初体験

ーー箕輪さんのことはどこで知ったのですか?

藤原和博さんとキングコングの西野さんがAbemaTVの見城徹さんの番組に出演されていた放送を見たときです。そこでオレンジのシャツを着てズタボロのジーパン履いた人が『革命のファンファーレ』プロジェクトの説明していました。それが箕輪さん。
「誰だこの人? 話がおもしろいな」と興味を持ったのがきっかけです。

箕輪編集室に入会してすぐに京都のメンバーと飲んだんですけど、盛り上がって「箕輪さんを関西に呼ぼうか!」となりました。その場で箕輪さん本人にメッセして、すぐに日程を決めました。

箕輪さんの旅費はクラウドファンディングで賄いました。58歳にして初めてのクラウドファンディングですよ。


一緒に企画した彼も僕もクラウドファンディングは初めての経験。自分なりに調べて、AbemaTVのスクリーンショット貼ったり、ホリエモンが箕輪さんについて面白いって言ってるツイート貼ったりと工夫しました。




クラウドファンディングは苦労の連続

いざクラウドファンディングを始めると、最初は目立ちやすい場所に掲載されるので、ページビューは稼げるんですよね。でも日を追うごとに、ピタッとページビューが止まってしまった。

達成しなかったら支払われない「All-or-Nothing」という方式を選んだので、達成しなかったら自腹。目標額を達成するために知り合いへ告知のメッセージを送りまくりました。毎日10人ずつ、期間中に150人くらい。

当時は箕輪さんもあまり知られてなくて、「箕輪さんって誰?」という質問が150人からくるんです。それにひたすら答えまくってました。

でも実際に来てくれたのは2人。150人の中から2人って少ないようだけど割合でいうと1%弱でしょ。仕事でウェブサイトの再構築をやったことあるんだけど、ウェブの世界でコンバージョン率1%弱もあると成功の部類。すごいことなんですよ!

クラウドファンディングの企画から広報の仕方、実際に集客が止まってしまったらどういう行動を取ればいいのかとか、いろんなことを体験できましたね。


箕輪さんと京都へ修学旅行! みんなの感想を読んで泣いた


無事に目標額を達成して、箕輪さんとの京都修学旅行の日を迎えました。

京都駅に迎えに行ったら箕輪さんは「もう寺はいいよ」って(笑)。でも、「とりあえず金閣寺には行きましょう」と案内しました。

で、金閣寺の後は書店に行きましょうと。箕輪さんの看板を担いで京都を練り歩きました。




ジュンク堂さんと丸善さんに行って、箕輪さんが載った『編集会議』という雑誌を見せて「この方ご存知ですか? 編集者の箕輪さんです。ポップ書かせてもらいますね」と。


当時は初めてのことだったからか、箕輪さんも最初は嫌がってたところがあったんだけど、一生懸命ポップを書いてくれて写真も撮ってましたね。これが書店ジャックの始まりだったんじゃないかな。

この修学旅行の夜に名言が生まれたんですよ。「震えて死ぬと思うよ」ってやつ。『箕輪大陸』のバナーにもど真ん中に書かれています。

この時は動画を撮ったり、裏方に徹していました。動画は書き起こしも自分でしたんですけど、それを運営の柴山(由香)さんたちが編集して記事にしてくれたんです。クレジットに「テキスト:トムさん」って入ったのが嬉しかったです。

さらに嬉しかったのが、そのイベントの感想を読んだ時。TwitterやFacebookで参加した方々が「よかった」「面白かった」と投稿してくれていて、通勤電車で読んでボロボロ泣きました

ーー入会して1ヶ月足らずなのに裏方をされたんですね。もっと箕輪さんとお話したりイベントを楽しみたいとは思いませんでしたか?

そう感じたところもあるんだけど、それよりは箕輪さんのことを関西に紹介したいという思いが強かったです。箕輪さんって改革的なのに愛嬌があるし、関西にきたら絶対にバズる人だと思ってたから。

だから箕輪さんが講演会で関西に来られたときには、会社をサボってでも全部参加しました。何かするわけでもないけど、とりあえず「トムさんがいるぞ」という存在感を出して。

関西チームの立ち上げや運営メンバーになったのはその頃です。


楽しいことをしている人を応援したい

ーーそこから持ち前の「ナンパ力」を発揮してチーム結成に奔走された、と。

地方は大変ですよ。人数が少ないですから、人を集めるのも大変。関東で行われる講演会をライブビューイングしようと持ちかけても20名ぐらい。

場所を使わせてもらうにもお金がかかるんで、参加費を募るとさらに減って3名の時もありましたね。会議室を貸してくれる方が現れたりしてなんとかやってましたけど。

今は他の地方チームも盛り上がって行っていますよね。中部チームに至っては「箕輪さんなんていらねぇ!」とか言って、自走しているし(笑)。

四国チームでも阿波踊りのお手伝いをしていますけど、2ヶ月前から全国の箕輪編集室メンバーを巻き込んで、毎日カウントダウンのツイートしていましたからね。

そういうふうに活気づいたコミュニティが自然と転がり出すと面白いですよね。自分で楽しいと思ったことをやっていくのと同じくらい、楽しいことをやっている人たちを応援するのが好きなんです。

ーー関西チームからはミノサン(サンダル)や雑誌を作ろうという動きが出てきています。さらに地方チームが盛り上がるにはどういうことをすればいいでしょうか?

以前の『メンバー図鑑』浜田綾さんもおっしゃっていたけど、関西の経済圏に箕輪編集室が作ったものが並ぶといいですよね。

僕も関西圏で動いていることがあって、某女子大とコラボのワークショップをします。しかも裏テーマは「トムさん還暦祭り」(笑)。開催日の8月17日(土)が僕の60歳の誕生日なんです。


お互いを讃えるハグをしよう!

ーー箕輪さんが参加されるようなイベントってどうしても東京が多いから、関西にいるとちょっと羨ましく感じています。

そうだよね。でも発想を変えると、地方でバッと派手なことをやったらそれだけで目立つんだよね。普段からオンラインでコミュニケーションをとっていて実際にオフラインで会うと、もう一目見た瞬間にハグですよね。

ーー何度かそういう場面をお見かけしました(笑)。

やっぱり嬉しいんですよ。お互いにいろんなことを乗り越えた苦労をネット越しで見ているから。クラウドファンディングの後の涙とかを分かち合って「よく頑張ったね」って。

もうそれはハグまでいきますよ。そういえば、まだハグしてないよね?

ーーしてないですね(笑)。

あとでね(笑)。


***


自分が楽しいと感じたものにはガンガン突っ込んでいく。トムさんの経験に裏打ちされた行動力はあらゆる物事を動かしていきます。

今年還暦を迎えるとは思えないほど、元気いっぱいで周りの人にも元気を与えるトムさん。インタビューでは一つ一つの質問にエネルギッシュに、時にエモーショナルにお答えくださっていたのが印象的でした。

「楽しいことをやる」には肉体の年齢は関係ありません。親子ほど歳が離れた我々も見習うところがたくさんあったインタビューでした。


書き起こし:今井慎也 、堀田祥 、山崎奈央子Shiki Matsumoto 
編集:荒木利彦奥村佳奈子
写真:ヤノミサエ
バナーデザイン:惣島厚


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