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若手で成し遂げるにはお金と感情、好奇心を意識しろ

5月27日、滋賀県長浜市にて「幻冬舎編集者 箕輪厚介氏に聞く!これからの時代の生き抜き方@滋賀」と題した講演会が開催されました。開始前から沢山の質問が寄せられており、それに答える形で講演は始まりました。

*前回の記事はこちら

お金と感情のケアができているか

司会:地方では、伝統行事や地縁コミュニティーなどが東京とは違ってまだまだ強くて。大事にしたいけど、若い人の意見ももっと取り入れたいと思っているんです。箕輪さんは上の世代と一緒に働く時、気をつけていることはありますか?

箕輪:人間ってお金と感情の2つだと思ってて。単純にそいつがやっていることで相手の懐が潤うならだいたい応援されますよね。

でも、めっちゃ懐が潤ってもむちゃくちゃ嫌な奴だったり、やっていることがどうしても許せなかったらむしろ反発を買う。だから感情もケアしないといけない。この2つですね、僕が常に考えてるのは。

出版を大きく変えたり、今までやってこなかったことをやろうとすると反発はある。でも、箕輪がやっていることって数億円の利益になっているよねってなると反発のしようがない。会社としていいよねってなる。それでも嫉妬する奴はいるんだけど、そういう人と会って話した時に意外といい奴だなと思われればいい。

司会:箕輪さんの人柄ですね。

箕輪:僕もすごい考えますよ。なんでこんな利益もたらしてるのに、おっさんに説明しなければいけないんだよって死ぬほど思う。「出版はこう変化するから今こうしているんですよ」って言うだけで「なるほどなぁ」って味方になってくれたりする。感情のケアとお金をちゃんともたらすっていう両方ですよね。

よく旧世代と対立するとか言っているけど、大体この2つを押さえてないんですよ。自分の中では斬新なことをやっているのかもしれないけど、全然儲かってなかったり、あまりにも人の感情を逆撫でしてたり、それはうまくいかないだろうって感じ。

この2つを押さえていたら上手くいかない行動ってそんなにないと思う。逆の立場だったら分かると思う。自分が50、60歳になって若者が新しいことやってても、別に潰そうとは思わない。でも、全然儲からなくて生意気だったらふざけんなって思うよ。一方で、めっちゃ儲かってても、すげぇムカつく奴だったらすげぇムカつくし。それに、すげぇいい奴でも儲かってなかったら、もう辞めろよって言う。

新しいことをやる、時代の先を行くっていうことを若者が善と思いすぎる部分がある。「なんでこんな新しいことやっているのに」って不満言うけど、「いやいや、それは単純に自己満足だよ」って。お金と感情を押さえれば大体上手くいくんじゃないかなぁ。今年儲かっていなくても、10年後儲かる目論見があるかでもいいんだけど。

司会:プランをちゃんと説明するみたいなところですね。

箕輪:10年後とんでもなく儲かるプランっていうのもあるし、今年から儲かるプランっていうのもある。すぐ黒字になる方が良いプランってわけじゃなくて、とにかくビジネス的にまず成立しているっていうか、納得いくようなビジョンを持っているかっていうのが大事ですよね。

まず、がむしゃらにインプットしろ

司会:新しいことをガンガンやっていくことに結構ハードルを感じる方も多いと思うんですが、箕輪さんはどうですか?

箕輪:多分人間性だと思う。僕は普通だと思った瞬間、飽きちゃう。

司会:次に行こうという気持ちに自然になるっていうことですね。

箕輪:同じことやってる人ってダサいですからね。みんなが真似し始めたころには、もう終わりだなって思う。今NewsPicks Bookの装丁のデザイナーに、多くのビジネス書の編集者から「NewsPicks Bookっぽくしてください」って言う発注がやばいらしい。

でもその時点で、「俺もう次行こう」って思う。できるだけ次へ変わって、それでまた僕がやったことが流行って、みんな真似し始めたら次行く、っていうのが楽しい。「NewsPicks Bookのようにしてくれ」って言ってる時点で、「お前もういらねぇじゃん」って思うんですよ。誰かがやってることやっても楽しいわけないんだから。

「これが流行ってるからこうやってください」で流行っても面白くないし、「これがみんないいっていうのでこれやってください」って言ってもまぁ面白くないだろうし。

司会:箕輪さんはモチベーションをどう保っていますか?

箕輪:モチベーション保ってないですね。もう睡眠をとりたい(笑)。

司会:寝てないって言ってましたもんね。

箕輪:何だろうな。モチベーションって保つもんじゃなくて、誰だって目の前に大好物があったら食べたいって思うようなこと。「モチベーションこの人強いな、俺はモチベーション低いからな」って思うのは間違いで、本当に欲しいものを描けてないだけだと思うんだよな。

誰だってお腹すいて、目の前に焼肉がジュージューなってたら食べたいって思うでしょ。そう思わない奴はいないと思う。だから、単純に焼肉がジュージューなっている状況とかがないというだけ。それはどういうことかっていうと、普段淡々と仕事をしてる人っていうのは、これを成し遂げたいっていうものが明確に描けてないってことなんです。

僕は常にこれやりたい、あれやりたい、これやったら上手くいくってのが描けてる。だから、辛いわけです。寝たいんだけど常に頑張っちゃうから。これやった方がうまくいくとか、これやったら面白いっていうのが常にあるからなんか頑張っちゃう。

モチベーションが高いわけじゃなくて、常に何かを思い描けているだけなんだと思うんだよね。だからモチベーションを上げようとかじゃなくて、自分が何を成し得たいかを明確に描ければ、それはどんな奴でも頑張れちゃう。明確に描くために必要なのは圧倒的なインプットですよね。

映画を見るでも、本を読むでも、話を聞くでも、こういうイベントに参加するでも。吸収しまくった先に俺これやりたいって発生する。だから、とにかくまずは情報に触れる、体験する、動いてみる。とにかくがむしゃらに何かに触れてみるのが大事だと思います。

司会:箕輪編集室でよく言われる「死ぬこと以外はかすり傷」ってあるじゃないですか? 最初、体育会系の言葉でめっちゃ怖いなと思ってたんですけど。実際はもっとチャレンジしたらいいんじゃないって後押し的なフレーズなんでしょうか?

箕輪:昨日さ、一瞬しか寝れなくて頭がグチュグチュになってたのかもしれないけど、変な夢見た。見るのは何回目かなんだけど、俺が人を殺したって話。3年ぐらいバレてなかったのに急に警察にバレたみたいな。まじかと思って逃げ惑うっていう夢。

司会:めっちゃ疲れるじゃないですか(笑)。

箕輪:何ヶ月かに一回見るんだけど、起きる度に「あー、よかった夢で! 本当殺してなくてよかった」って。その夢とか見ると本当に全部どうでもいいわけですよ、失敗とかどうでもいいんですよ。どうでもいいことに皆とらわれ過ぎてる。特に後輩とか周りの人に聞くと、「それどっちでもよくない? 失敗しても失敗しなくてもいいじゃん」っていうことで悩んでるから。

とにかくがむしゃらに動いてみる。好奇心は好奇心によって強くなってどんどん強化されるから、とにかく動く、外界に触れてみるっていうのは大事な気がしますね。

おじいちゃんとかが耳が聞こえなくなって目が見えなくなって、新しいことに「もういいや。めんどくさい」ってなるのと反比例で、新しいことに興味あればあるほど、動けば動くほど楽しくなる。

ホリエモンなんて最たる例だけど、動けば動くほど楽しいってわかっちゃうと異常に子どものようになるから特に変化が激しい今の時代、好奇心がある人勝ちですから。1年前の技術がもう通用しないって辛いけど、3、4歳児だったら辛いって感じないと思う。とにかく新しいことや面白いことをしたいから。

今の時代に強いのは好奇心が絶えない人。だから、好奇心をどんどん強くしていくべき。長浜にいるとしたら、週末だけでも大阪や東京に行ってみるでも、ネット見るでも何でもいいけど、とにかく五感を刺激しまくることが大事だと思う。

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テキスト 壁井裕貴 宮崎大亮

編集 大原瞬 橘田佐樹

バナーデザイン 山口ともみ

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