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本を届ける 【箕輪厚介「本のつくり方講座」第四回ダイジェスト】

数々のベストセラーを世に生み出してきた編集者、箕輪厚介が本気で届ける「本のつくり方講座」。

全5回に渡り、出版する時に知っておいた方がいいことから、売り方まで。最前線に身を置いてきた編集者だからこそ伝えられる内容を凝縮してお届けした、伝説の講座です。

この度、講座のアーカイブ動画を販売することになりました!
販売にあたり、6月26日(月)20時よりオンラインにて、箕輪自身による「商品説明会」を開催します。

お申し込みは、こちらから!

アーカイブ動画販売を記念して、全5回の講座のダイジェストをお届けしていきます!

編集講座の第四回は、「本を届ける」ことをテーマに、プロモーションが得意な編集者、箕輪ならではのトークを交えて解説しています!

プロモーションには「正解」がある

SNSの利用が今ほど多くない頃、本の制作とプロモーションは分けて考えられていました。

新聞に広告を出す、雑誌やラジオなどのメディアに取り上げてもらうなど、宣伝の手段も限られていました。そのため、本が出るまでは内容に集中し、出版してからプロモーションに力を入れる。これが業界の当たり前でした。

しかし、今はSNSのおかげで著者や編集者も自由に発信ができます。「プロセスエコノミー」という言葉があるように、プロセス自体を宣伝して本の発売前から注目してもらうといった手法も含めて、プロモーション方法は多岐に渡っています。

SNSが広まったことにより、編集者としてプロモーションができる人とできない人に如実に分かれました。

「プロモーションにおいては正解のやり方がある」

もちろん、ケースバイケースでちょっとカスタマイズしたり、応用したりというのは当然必要ですが、プロモーションは本の内容とは違って型のようなものがあり、知っているか知らないかが重要と箕輪は言います。

「誰に」「どれだけ」届けるかを決める

箕輪は今、水槽に水草を入れてカメなどを飼うのにハマっているそう。

アートアクアリウムと呼ばれるジャンルで、例えばそのジャンルで本を出す場合に10万部目指そうとしても、そもそも市場がそんなにありません。おそらくそのテーマにした時には、5000部売れたら大成功。
しかし、もし「お金」をテーマにするのなら、30万部売れれば大成功と言われます。

その5000部と30万部のどちらに価値があるかということではなく、単純に市場の大きさに過ぎません。自分がつくりたいと思っている本のパイの大きさを取り切れたら、役割は全うした、やり切ったと思えばいいわけです。


本に限った話ではありませんが、市場には大きさがあります。

自分が書こうとしている本に、潜在的に読者はどれくらいいるのか。自分が出したい本と近いものが過去に出ているなら、実際何部くらい売れているのかを調べてみる。潜在的なユーザーはどれくらいいるのかを調査してみる。

自分がつくりたい本のパイの大きさを、正しく認識することが大切です。
本を出す目的とその市場サイズを理解することで、何部売るのか、タイトルや帯のデザインはどうするのかなど戦略が決まります。

本が売れればいい、ではなく「どんな層に、どれくらい届けたいか」ゴールを決めましょう。

コンテンツは「答え合わせ」として購入される

箕輪は、昔からプロモーション戦略を考える時には大きな紙を用意して、「地上戦」「ゲリラ戦」「空中戦」と3つのカテゴリーをつくるそうです。


地上戦とは、SNS活動やドブ板営業のような手の届く範囲で行う戦法のこと。
箕輪は今、『かすり傷も痛かった』という自著の出版を進めていますが、プロセスエコノミーの発想で、内容をSNSで発信し続けています。

箕輪は、よく「中身全部見せちゃって大丈夫でしょうか?」と聞かれるそうですが、はっきり言ってほぼ全部出してもうSNSで大体読んだよという状態でも売れると言います。

今、多くのコンテンツは答え合わせとして買われることが多く、中身が完全にはわかっていないものを買うことはないし、中身が完全にわかってない映画を観るということもないのです。

会う人会う人に「今、こういう本を書いています」と話をすることもめちゃめちゃ大事です。
本が出てから「協力してください」と言っても、人はなかなか協力する気が起きないもの。発売される前に自分が本をつくっていることが認知され、どれだけ「欲しい」と思わせるかが重要なのです。

また、出版する本の中に種を撒いておくという裏技もあります。
例えば、本の中に自分のことや自分と近いことが出てきたら、思わず拡散したくなりますよね。読んだ人の「自分ごと」になりそうなものを散りばめておいて拡散してもらうということも、戦略の一つです。

地上戦は、10個考えたものを20個、30個と増やし、できるだけ多く書き出しましょう。

『かすり傷も痛かった』プロモーション戦略地上戦

ゲリラ戦は、意表をついた、一発芸のようなトリッキーな技。
時勢によってはプラスにも、マイナスにも働く一か八かの賭けです。

実際にやるかやらないかは置いておいて、業界の闇を暴露するみたいな爆弾のようなものを頭の片隅に入れておく。実行するかは、世の中の空気感で判断が必要です。

今の時代、本を売るには、世の中を揺るがすような話題も時には必要なのです。

空中戦は、実現が難しいですが、決まれば10万冊、20万冊が動くような大きな戦略。
例えば、テレビに出ると本は売れます。

一般の人が書く本でテレビに出ることは、なかなか難しいかもしれません。しかし、本の種類によっては、テレビ番組が特集したくなるような要素を入れることも考えておきましょう。

散々取ってきたからこそ語れる「Amazon総合ランキング1位の取り方」

箕輪が編集を手がけてきた本は、これまで何度もAmazon総合ランキングで1位を取っています。

ちなみに、Amazonには総合ランキングの他に、カテゴリーランキングもあります。ここではあくまで、「総合」ランキングについてお伝えしています。

では、なぜAmazonで1位を取る必要があるのでしょうか。

日本で一番本が売れているAmazonの総合ランキングで1位を取った著者となると、もはや2万部のベストセラーよりも価値があります。

Amazon総合ランキングで1位を取った本となると、書店で陳列される場所が良くなります。書店のことを考えたら、「本屋さんで買ってね」と当然言いたくなりますが、そんなことを言っていても話題になってない本は良いところに置いてもらえません。そして、良いところに置かれない本は、売れません。

書店に対するプロモーションとしても、まずAmazon総合1位を取ることは大事です。

箕輪によると、Amazon総合ランキングで1位をとるには、コツがあるそうです。ポイントは、短期間で一気に購入を促すこと
同じ数売れたとしても、一週間80冊ずつくらい売れるのと一日で500冊売れるのでは、後者の方がランキングが上がります。

そして、注意が必要なのが、一つのアカウントで500冊買ってもランキングには反映されないということ。
箕輪が総合ランキング1位を取りまくっていたので、「誰かが大量に買ってるだけだ」と言われたことがあるそうですが、誰かが一アカウントで大量に買ってもランキングには反映されません

購入して欲しい人には、予約開始日の一週間前からお願いをし続けます。
そして、その間にも本に関連するコンテンツを出し続けましょう。例えば、試し読みや、内容の紹介、中身に関わる対談。
とにかくいろいろなことをして、一週間をプロモーション期間として盛り上げ続け、やっと予約開始日を迎えます。

よく、予約開始日からプロモーションを始める人がいますが、それでは遅いのだそう。予約開始日にはもう買いたくてしょうがない状態にさせられるのが理想的です。

さらに、講座ではどの時間帯に予約を殺到させるのが良いか、避けるべきスケジュールなどの裏技も紹介されました!
ぜひ、アーカイブでご覧ください。

アーカイブ動画内には、講座生からの質問に答えるコーナーも収録しています。「本を出したい!」という熱を持った受講生からの熱い質問に箕輪がガチで答えています!
そちらも必見です。

次回は、最終回!「本をキッカケに人生を変える」について解説します。

読者をコミュニティ化することで、本をキッカケに人生が変わることがあります。また、次の本の制作につながることも。
コミュニティのつくり方を知る編集者は少ないです。箕輪だから語れる、ファンコミュニティのつくり方について解説しています!

商品説明会でも、本をつくる時に役立つ情報をお届けする予定です。
ぜひ、ご参加ください!


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