ダサいと人も金も集まらない! オンラインサロンにおけるデザインの重要性
10月18日、心斎橋スタンダードブックストアにて『死ぬこと以外かすり傷』出版記念トークライブが開催されました。箕輪編集室デザインチームの前リーダーであり、オンラインサロン「前田デザイン室」室長である前田高志さんが共に登壇しました。
デザインが9割
箕輪:前田さんは、「箕輪編集室」デザインチームで圧倒的に活躍してくれて、イベントバナーやNewsPicks Bookの拡材、死ぬカスのしおりとかをデザインしてくれてます。前田さんは元々何されてたんですか?
(画像:前田さんがこれまでデザインされたものの一部)
前田:元々は任天堂で、宣伝をやってたんです。任天堂のCMを作る部署で、『マリオメーカー』っていうソフトの中の本とか作ってた。
箕輪:だから、日本一ですよ。そんな前田さんが、コミットしてくれてるのは奇跡みたい。
オンラインサロンがブレイクするかしないかって結構イメージによってるところがあって、箕輪編集室がブレイクして1000人越えたのって、9割は前田さんの力。なんでかって言うとやっぱりデザインがイケてる。
前田:9割ってだいぶですね(笑)。
箕輪:やっぱデザインがすべてだから。デザインの力って本当に強い。
前田:それはめちゃめちゃ思いますね。失礼な話、分かってくれないだろうから孤軍奮闘しようと思いながらやってたんですよ。
でも、WORDSの竹村さんが「箕輪編集室が躍進したのは、前田さんがデザインをやってきたから」って言ってくれて。
箕輪:間違いないよ。だって、だいたいのオンラインサロンがダサい。西野さんのサロンは、西野さんがクリエイティブな人だからかっこいいけど、まずかっこいいところってないんだよね。
てか、アートディレクターがいるオンラインサロンってないよ。
前田:ないですね。
箕輪:だから本当にありがたい。「箕輪編集室のバナーってかっこいいよね」ってなるだけで全然違う。それはね、サッカーチームだろうがなんだろうが、全部同じで、やっぱ金と人が集まるところってかっこいいんだよ。
前田:そうですね。でも、オンラインサロンってやっぱりどこかデザインに関して少し舐められてるんじゃないかな?
箕輪:なんか素人集団っぽいからね。
前田:その中で、僕は普通にやってただけやのに、「ガチのデザイナーですね」とか言われたんですよ。「え? 何やと思ってたん?」みたいな。
箕輪:それはある種の素人集団だから、「ガチ来た!」ってなるよね。
前田:ガチ来た(笑)。
箕輪:オンラインサロンって有象無象の集まりだからしょうがなくて、基本的に穿った目で見るの。「お前、何なんだよ?」って。前田さんはそこを完全にクオリティーで突破してきたよね。「この人すげぇな」みたいな。
でも、なかなかチューニングが最初からバチッとは合わない。僕の望んでいるものにバチってチューニングを合わせてもらってから、「前田さん、やべぇな」ってなった感じですよね。
前田:僕、汲み取り力はめっちゃあると思ってて。
箕輪:うん、すごい。
前田:結構すごいですよね。
箕輪:抱けるもん。
前田:やった(笑)。
前田:僕は最初、きつそうに見えるからあえてかわいい方向に持っていこうとしてたんですよ。
箕輪:それ鈴木成一さんにも言われた。
死ぬカスは「売れない!」と思った
箕輪:『死ぬこと以外かすり傷』ってタイトルだから、僕のビジュアルによくありそうな睨みつけてるみたいな表紙をイメージしてたの。
でも、日本一の装丁家・鈴木成一さんに「いやぁ、箕輪くんの良さってそこじゃないと思うんだよ。それだったら見城さんじゃん」って。
見城さんの『たった一人の熱狂』も、鈴木成一さんが表紙を作ったんだけど、(見城さんが)超睨みつけて吠えてんの。
「でも、箕輪くんって打ち合わせしてても熱いものはあるんだけど、基本的にヘラヘラしてんじゃん。それが魅力じゃん。そんなに肩に力が入ってない感じが、今っぽいからヘニャヘニャした方がいいよ」って言われて、渋谷で歩きながら撮影することになった。
昼からハイボールを買って飲みながら、鈴木成一さんに「てへ」って振り向いてくれって言われて(笑)。
会場:(笑)。
前田:「てへ」って言ってるんですか?
箕輪:言ってる(笑)。「てへ、てへ」って。それで、全てがどうでも良くなってきた時の顔がこれだよ。正直このカバーができた時、「売れねぇ!」と思ったの。
前田:売れてますけどね。
箕輪:「仕事してねぇ。遊びじゃん」って思ったの。『読書という荒野』の睨む見城さんと秋元康さんの推薦文みたいに、ガチガチにキメていきたかったから「これ緩すぎて売れないでしょ!」って思った。
だから、「せめて落合陽一と堀江貴文の名前だけ赤字にしてくれ」って言ったの。そしたらこの二人の名前で売れるかなって。でも、鈴木成一さんってそういうことを絶対に飲まない人だから「嫌だ」って言われて、「まあいいや。売れなくても」と思って出したら売れたんだよ。
結果論だけど、脱力した感じが良かったのかな。やっぱ、自分の正しいと思っていることが全てじゃないんで、ハンドリングされて気付いた。今思うといいよね。
(次回へ続きます)
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テキスト 國友克弥 湯田美穂 菅井泰樹 高橋千恵 山内富美子
編集 國友克弥 橘田佐樹
写真 浜田綾