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ポスト平成の生存戦略③-失敗こそ最高のブランディング

福岡県で開催された『ポスト平成の生存戦略ー新たな時代をどう生きるー』。仕事において避けては通れない「失敗」について持論を展開しました。

*前回の記事はこちら

失敗という概念がない

箕輪さんは、失敗は最高のブランディングと考えているそうです。その真意について、次のように語りました。

「自分が正しい!思ってやって失敗したら、むしろブランディングになると思うけどね。オンラインサロンでいうと、管理しちゃうとスピードが遅くなるから、走りながらやっていくのがいんだよね。

オンラインサロンの中で詐欺しようとする人とかいたら問題だけど(笑)。わかんないままに悪気なく起きちゃったミスは、むしろそのミスをサロン内で共有して共通財産にして、みんなで乗り越えることによってコミュニティーが結束するから、良い経験になる

信用は勝ち取れるわけよ。ミスはしても。ミスってさ、最高のブランディングだからね」

さらに箕輪さんは、失敗に対する自身の考えをこう話します。

1本筋が通っていて起きた失敗なら、それはいいと思うんだよね。ミスっていうのは、ハードルで言うと高いハードルを超えようと思った時に起きるものだから。だからミスが起きるのであって、それがむしろパフォーマンスだよね。

単純にケアレスミスとかはミスだけど、何か大きなことをやろうとしてのミスはいいんじゃないかな。自分の財産にもなるし、周りに対しても『俺はこれだけのことをやろうとしたんだよ!』って言うブランディングにもなるし。ミスが怖いって発想が俺はないんだよね、全く。」

「失敗してもいい。結果、失敗と捉えない」という箕輪さん。失敗=ネタになる! と思った実体験を、続けて話してくださいました。

「例えばさ、福岡で思い出したんだけど。こないだ福岡に来たときに、飛行機乗り遅れたのよ。それはさ、NewsPicks Comicっていうのをやったほうがいいと思ってさ、空港に行く電車の中でいろんな人にメールしてたの。

そしたらすげぇ自分の中で盛り上がっちゃってさ、気づいたら八景島シーパラダイスみたいなところにいて。当然、飛行機に乗り遅れたんだけど、ミスっていうよりもさ、俺ん中ではもう『興奮の源泉』みたいなことで。『飛行機乗り遅れてしまったぜ! これはいいビジネスになるぞ!』みたいな。

で、NewsPicks Comic始めたらやっぱちゃんとうまくいってて、そうなると、飛行機乗り遅れたことがまたネタになるし、失敗でも何でもないんだよね。だから、がむしゃらにやってなんかミスちゃっても、むしろそれはブランドでしょ。俺はそう思うけどね」

講演会中、何度も「ミスってなんだよ」とボソッとつぶやいていた箕輪さん。

「ミスなんてないよ。なんだよミスって。すべては転がりながら生きていくんだからさ、ミスなんてその中の1個の現象でしょう。それをじゃあ次はどう展開するかしかない。ミスをどう転がすの? みたいな」

最後に参加者からの質問タイムが設けられました。

次は“チェアマン”としてコミュニティをつくる

Q1:今朝、Twitterでキャンプファイヤーで音楽のコミュニティをやるみたいな話を見たんですが、どんな風に進めていくんですか?

箕輪:それ俺が言ってた?

質問者:(キャンプファイヤーの)岡田さんが言ってました。

箕輪:俺、そんなこと言った覚えがないから記憶を喪失しちゃったのかと思ったよ(笑)。まだ何も詳しいことが決まってなくて、今日の朝決まったんだよね。キャンプファイヤーの社長も知らないよ。だからやって、逆に。これわかんねぇわ(笑)。

俺、オンラインサロンのプロデュースをやってるわけよ。鈴木おさむさんとか、HIKAKINとかの事務所の社長とかに死ぬほど頼まれてるの。で、その都度、キャンプファイヤーに注文するわけよ。『こういう機能入れたほうがいい』って。

でもこれって、俺、キャンプファイヤー側の責任者になったほうがよくね? って、一瞬思って(キャンプファイヤー側に)言ったら「是非」って言われて。それで、チェアマンに就任しちゃったの。今まで俺が細々外部としてやってたことを、これからはキャンプファイヤーの人間として大きくコミュニティってものを作ろうと思って。

そもそも家入さんの発想の1個がオンラインサロンなだけで、日本の拠点とかもそうだし、コミュニティを作るって言う。家入さん、すごくいい人だから。居場所を作るみたいなものの部署のチェアマンって、何かわかんないんだけど(笑)。

チェアマンを検索したら、議長って書いてた。よくわかんないんだけど。音楽とかよくわかんないから、協力してくださいよ」

音楽が好きで、自信も今後音楽のコミュニティーが重要になってくると考えている質問者に「協力してよ!」とその場でお願いする箕輪さん。どんな風に進んでいくのか、こちらも注目です。

常にカードを出し切らないっていうのが大事。

Q2:さっきのミスの話で、箕輪さんの今までのミスで1番面白いネタってどんなやつですか?

「1番のミス…なんだろう、1個あるのは、広告部の時にQRコードをミスちゃったんですよね。結構やばいでしょ? 当時のことよく覚えてないんだけど、その時に、それを異常なまでに盛り返した記憶があるんだよね。

なんかね、要は、3ヶ月契約とかで、もともとクライアントから半年分のお金もらってたのかな。でも、半年分っていうのがおかしいと思ったから、ミスが発覚した時点で3ヶ月(契約を)伸ばしたみたいな。交渉術みたいなのがあって、常にカード(手札)を持っておくって言う。

要は、常にカードを出し切らないっていうのが大事。これは交渉術のあんまり言いたくない話なんだけど、ダークサイドスキルみたいな感じで。常に、手札があるって言う状態は強い。

なかなか抽象的になっちゃうんだけど、何か言ってきても、ドンッ!と手札を出すみたいな。何か言ってきてもドンッ!みたいな。そういうのは意識してる。」

狂ってると思われたもの勝ち

Q3:今までお仕事をした中や、できれば著者さんとかで、「こいつは一流だな」「本物だなぁ…」て言う人、ベスト3は誰ですか?

「一流の人以外と仕事してないんでアレですけど、ベスト3っていうの難しいですけど、なんだろうな…ほんと全員。要は、序列じゃないから魅力的なんですよ。

原色っていうの? 赤・青・黄色とかそれぞれのカラーがあって、上とか下とかじゃないんですよね。だから、原色の人は、それぞれ時代に合うと売れるとか、合わないと売れないとか言うのがあると思うんだけど、全員魅力的で。

面白いのはねぇ、エピソードが全員面白いんですけど、なんだろうなぁ、最近で言うと…。ヤバいやつはヤバいんだよなぁ。それこそ、見城さんとかは本当に原色まんまだし」

「一緒に仕事する方は全員一流だから、ベスト3を選ぶのは難しい…」と話す箕輪さんですが、最近一番面白かったエピソードを話してくださいました。

「『こいつすげえな』と思ったのは、晩餐会と言うのに誘われたんですよ。なんかねー、(晩餐会って聞いて)社交ダンスでも踊るのかな? と思ったんですけど、日本のトップが集まるみたいな場があって。僕の隣が落合陽一で、前が前田祐二で。

他にも教授とか、日本の錚々たる人を20人ぐらい集めたとんでもない『本当に日本でこんな場所あんだ』って言うようなとこで、ピアノ聴きながらご飯食べるみたいな晩餐会に呼ばれたんです。

で、ホリエモンが『2次会から来る』って言ってて、全然来ないから『おいホリエモン!』って酔っ払って連絡したら『3次会から行くよ』って言って。で、3次会から来て急にネクタイ引っ張られて、『おいてめえ、なんだその服は』ってホリエモン言われて。

『晩餐会行ってましたから』って言ったら、『お前ダセェなぁ…』って言われて。『俺、ドレスコードありってなってた時点で断ったぞ』って言われて、こいつは本物だ…! と思いましたね。

沖縄で僕とんでもないド派手なTシャツ着てサングラスかけて、ホリエモンと対談したときに、一言も格好について突っ込まれなかったんですよ。『なんでスーツ着てたら怒られんだろう?』みたいな。この狂気は才能だなって思って。」

晩餐会にスーツで行くと怒られる…滅多にない経験です。しかし、箕輪さんの周りにそんな方が多いからこそ「俺ってまだまだだな」と思うことがあるんだとか。

「なんかね、そういう人が僕の周りに多いから、毎回、こう話してると、僕ってちょっとぶっ飛んでる、常識を更新してるように見えるかもしれないんですけど、そういう人と日々会ってるから『やっぱ俺って、まだまだだな』って思うことの連続ですね。

ほんとみんな変態ですね、僕が関わってる人は。だから、狂ってると思われたもの勝ちなんだよね。論理が通じないみたいな。美学っていうか。『俺はこうだ!』と、それが正しいとか正しいとか、法律がどうとか関係ないっていうか。

で、みんなそういう人たちとつるんでるから、俺もそうじゃないと舐められるので、『もうなんすか? 飲食禁止すか? ハイボール飲んじゃいますけど』みたいな。まぁそういう感じです。みんな魅力的ですね。僕は魅力的な人としか仕事したくないので」

Q4:箕輪さん自身がどういったバックボーンで育って、今の箕輪さんが出来上がったのか興味があるのでぜひ教えてください。

「これほんとに僕意識してなかったんだけど、最近バックボーン聞かれることが多いから、改めて思い返して、初めて意識したんだけど。赤坂小学校で育って、TBSの近くだから芸能人とかいっぱいいたし、芝中学校・芝高等、で、早稲田なのね。

普通の中の上くらいで育ったんだけど。多分、自己肯定感が半端なかった感じはありますね。要は、僕ほんとランドセルとか背負ってなかったんですよ。手ぶらで学校行ってて。何でかって言うと、別にこの移動意味なくね? と思って、教科書の移動。

家で何もやらないわけだから。そこ置いとけばいいじゃんみたいな。結果、ランドセル意味なくね? みたいな。何のために教科書移動してんの? ってずっと学校に教科書置きっぱなしにしてて。『意味なくないですか?』って言ったら、『箕輪くんすごいね!』ってみどりのおばさんとかが言ってくれて。その頃から、『俺、発想力あるな!』みたいな。そんな感じなんだよねずっと。

みんなに褒められて生きてきた。中学1年の時に、本当に母親がショック死しそうだって言って騒いでたことがあったんだけど、定年間近のおじいちゃんみたいな教師が担任で、その人が『僕の教師人生で、1番最低な生徒です』って言ってきて。教師人生40年ぐらいあるからね。でもまぁそれでも責められなかったし、常に『そのまんまでいいよ』って言われ続けてきた人生で」

小さいころから、周りの人から褒められて育ってきたという箕輪さん。「自己肯定感」か「ものすごい逆境力」を持っている人が強い、そんな風に話が続きます。

「何か、今いろんな本で教育の話とか読んでると『自己肯定感』て1個のキーワードになってて。自己肯定感が強いやつが強いんだよね。か、ものすごい逆境力、どっちかで。中途半端はダメなんだよね。落合陽一とか俺は、自己肯定感強いのよ。ずっと褒められて育ってきたから。

で、前田祐二とかはずっとこのままじゃ嫌だって言うと思って生きてきたみたい。今どっちかが強いのかなと思って。だから俺は、何不自由なく生きてきたタイプ。ずっと不自由ない今も。こんな、ハイボール用意してもらって。イカ食べたいって言ったらイカ用意してもらって。こんな人生ですね、僕は」

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テキスト・編集 世良菜津子
バナーデザイン 山口ともみ


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