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圧倒的な量をこなせ!ということの本質 #箕輪anni

編集者としてはもちろん、オンラインサロン、会社経営などさまざまな領域で活躍中の箕輪厚介さんがオールナイトニッポンiに登場。『死ぬこと以外かすり傷』がマガジンハウスから出版された理由や芸人と編集者との共通点などをお届けします。

*前回はこちら 「箕輪厚介  独白  あちら側の人たちと決別した理由 #箕輪anni

マガジンハウスから出版された裏側

大島:『死ぬこと以外かすり傷』は、なぜ幻冬舎ではなくマガジンハウスから出されたのでしょうか? 業界的には当たり前なことだとは思うんですが、僕も少し気になっていました。

箕輪:そう、当たり前。誰かに依頼されたり、編集者と組んだりしないと基本的には本にならないわけであって、出版社の編集者何人かが僕に「本を作りませんか?」と言ってくれたわけですよ。

で、僕が「マガジンハウスがいいな」と思ったからマガジンハウスから出しました。幻冬舎から出なかったのは、単純に幻冬舎の社員が僕にオファーを出さなかったからです。

大島:じゃあ、箕輪さんが出したいと思ったら幻冬舎から出ていたということですか?

箕輪:それは、僕が僕の企画書を出す形になるから、あまりあり得ないですよね。

大島:確かにそうですね。

箕輪:例えば、ニッポン放送でも社内で名物社員みたいなのが出た時。社内の誰かに「お前やれよ」って言われるのならまだしも「僕のオールナイトニッポンやった方がいいと思います」ってなかなか言わなくないですか? 

大島:なるほど。構造が今すっきりと分かりました。テレ東の佐久間(宣行)さんがオールナイトニッポンをやっていた時「何だこれは...」みたいな感じで盛り上がってましたね。

箕輪:それが普通ですね。

大島:テレ東内で佐久間さんのが始まるということではなくて、外からやるから面白いってことですね。

箕輪:外の人がオファーするってことですよ。

大島:そういうことなんですね。出版のオファーは結構ある時期に集中したという感じですか?

箕輪:そうです。面白いなって思うんですけど、テレビ出演や雑誌、Web、インタビュー依頼も重なってくるんですよね。「あれ、何かこんなのが来た」と思ったら立て続けに来る。本の依頼も同じで「本の依頼が来た」と思ったら立て続けに3、4社から来た。

ただ僕って業界から結構嫌われてるんですよ。でも若い編集者は、すごく憧れてくれたり「箕輪さん面白い」って言ってくれたりしますね。だから、「出版企画を会社に提出していいですか?」って言うんだけど、だいたい上の役員とか社長に「なんでこんな生意気な箕輪の本を作るんだ」みたいになって。だいたい3、4社は社長決裁的なやつで切られたんじゃないかな。

大島:なるほど。箕輪さん的にはもう「そちらさえ良ければいいですよ」みたいなスタンスだったんですか?

箕輪:うん。

大島:だけど、しょうがないと思わないですよね?

箕輪:気持ちも分かるので「しょうがないよね」とは思います。

大島:それは箕輪さんが出版業界の方だからこそだと思います。例えば、芸人として僕がちょっと売れて、箕輪さんからオファーをいただいて本を書くことになった時に見城さんが切るみたいな感じですよね。

箕輪:テレビとかでも、担当者がやりたくても社内で通らないというのは、よくあるんです。でも僕は、そういうやり方はしないですけどね。

大島:それ以外のやり方もあるんですか?

箕輪:僕の企画が通らないってことはまずない。あとその編集者が悪いわけじゃないけど、僕は社長がNG出したらやめるという仕事のやり方はしてない。たとえNGが出ても他社に持ってきますよ。それこそ藤井健太郎さんの本なんて、最初は幻冬舎から出そうと思ったんだけどちょっと難しくて、双葉社に持っていって出しました。

箕輪本はもう読まなくていい!?

大島:僕は、前田裕二さんの『人生の勝算』を読んで箕輪さんのことを知ったんです。でも、その後も箕輪さんの本は出過ぎてて、さすがに追えなくなってきました。

箕輪:もう読まなくていいんじゃないんですか? 著者とテーマは違うけど、僕が編集した本で主張していることは全部「とにかく動け!」みたいなことなので。読んでくれるのはありがたいけど、もう行動するフェーズに入ってる気がします。

大島:箕輪さん的にはメッセージを届けるべき層にはもう届けきったという感覚なんですか? これからは行動に移していくことが大事だと。

箕輪:今、熱中してるのはリアルで行動することですね。だから箕輪編集室っていうオンラインサロンで、僕の本に影響受けて意識と行動が変わった人たちと一緒に具体的に行動しています。

本でモチベートすることはもうメインじゃなくて、その一歩先。例えば一緒にゲストハウス作ったり、ビジネスを立ち上げたりなどをしてます。

僕の本で刺激を受け続けることは矛盾してて。「もう本なんて読まないで、やれ!」って書いてるのに、毎月本を買って「よし! 今月も意識変わったぜ」っていうのは、永遠に同じところを周遊しているだけなんですよ。

売れてる時に量をこなす

大島:前田さんや箕輪さん等に共通して言えることは、圧倒的に量や時間みたいなものを大事にされているなと。そこは、芸人と違うところなのかなと思うんですけど。

箕輪:確かに僕もどっちかと言えば、量より質タイプだったんです。でも、自分の器から完全に溢れるくらいまでやらないと、本当の自分の実力は出ないと実感しましたね。それをずっとやる必要はないです。それこそ手段と目的が逆転して、ただ量をやるだけでいいんだみたいな思考停止になっちゃうから。

大島:難しいところですね。

箕輪:うん。でも大体何者かになっている人はどっかの期間、もう絶対にあり得ないぐらいの量をやっているんですよね。それこそ受験勉強なんかもそうだと思うんですよ。

大島:なるほど。芸人も量をこなす時期が絶対あるということですね。

箕輪:そりゃそうでしょ。

大島:売れた瞬間、寝ないくらいバラエティに出まくるっていう時期がそれに当たるんですかね。

箕輪:売れると身分不相応なくらいオファーが来て、もう全く休む期間がなくなるよね。それでも、圧倒的にネタを書いたり、破綻しながらもとにかく走るみたいなことをやったりしてると自力になると思う。それは編集者だろうが、何の仕事であってもそうですよね。

(次回に続きます)


番組の全編は、オールナイトニッポンi公式サイトにてお聴きいただけます。
前編

後編

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テキスト 今野悠太郎 松儀愛侑 柳田一記 壁井裕貴
編集 壁井裕貴
写真 Kotaro Izumi

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