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「死ぬこと以外かすり傷」が海外展開への鍵となる #死ぬカス対談

こちらは、『死ぬこと以外かすり傷』300冊購入者の限定特典である対談記事です。今回対談したのは、オーストラリアで広告代理店を経営されてる畑徳真さんです。

なぜ死ぬカスの賛否が分かれるのか

箕輪:300冊って大変ですよね。

畑:そうなんですよ。弟に半分あげたら、メルカリにめっちゃ出品してました(笑)。

箕輪:おい! だからすごい量出てたのか。『死ぬこと以外かすり傷』がNewsPicksやAmazonのコメント欄で「過剰に書いてあるだけ」とか「飛び道具的な本だ」って言われてるんだけど、そんなこと思わないでしょ?

畑:はい、思わないです。

箕輪:普通だよね。青木真也も「みのちゃん、あの本普通のことしか書いてないじゃん。なんでわざわざ言うの?」って言ってくるんだよね。僕もどっちかって言ったらそっちなの。賛否両論とか言われて、びっくりしちゃった。「え? これで賛否両論だったら、僕が本当のこと言ったらお前ら死ぬぜ」って。

畑:そうなんですよね。あの本をお薦めしようと思った時、若い子に薦めようかなって感じになっちゃうんですよね。

箕輪:おじさんは「今からこんなこと言わないでくれよ」って思うよね。なんかフェーズが変わったなって思う事件があって。NewsPicksが「さよなら、おっさん。」っていう新聞広告を出した時にめちゃくちゃ叩かれたの。僕やNewsPicks側の人間は、まだチャレンジャーで小さい存在のつもりでいたから炎上するなんて想像もしてなかった。

僕も、あくまで出版社や編集者の中でも若手でチャレンジャーだから噛みつくようなことを言っても、なんか逆にかわいいとか勢いがあるって思われてた。こっちの方が弱いから頑張っていくつもりだったんだけど、おじさんたちはもうみんな弱いから完全に逆転したんだよね。いつの間にかこっちが強くなっちゃった。

リアル“死ぬこと以外かすり傷”

箕輪:そもそもいつオーストラリアに行ったんですか?

畑:5年前の21歳の時です。フットサルのサービスを1回立ち上げた経験と起業したかった気持ちもあって、海外に行こうと決めました。今日本で何かやるより海外である程度何かを作って戻ってきた方が、いいんじゃないかなっと思って。

箕輪:なんでオーストラリアだったの?

畑:オーストラリアは人口の3割ぐらいがアジア人で、東南アジアの文化的な背景もある。それに、当時人口は2300万と少ないので、そこだったら勝てるんじゃないかなと。最初は、日本語でオーストラリアのニュースを配信している会社で広告営業をしてました。そこでオーストラリアのいろんなビジネスや風習、日本との違いとかを学ばせていただく機会がありまして。

医療の老人ホームやノロウイルスのニュースとかでスプレーをまいて消毒してるシーンあるじゃないですか。あの液体を次亜塩素酸って言うんですけど、日本ではすごい普及してるんです。でも、オーストラリアでは普及してなかった。日本だとそれで処理をしているから生卵を食べられるんですけど、オーストラリアでは処理をしてないから生で食べるとお腹を下します。

箕輪:へー!

畑:その液体があったら起業できるんじゃないかっていう話があったのと、営業先でよくしていただいたメーカーさんがそれを扱う会社だったんです。「オーストラリアはあんまり競合とか関係ないからやっていいよ」と原液の作り方とかを全部教えていただいた。向こうでは専用の機械はなかったんですけど、なんか塩素を作る機械を少しいじると作れることが分かったんです。

箕輪:怖っ。

畑:いや、でも全然作れるんですよ。

箕輪:ちゃんとしてなさそうじゃないですか。

畑:ちゃんとしてます(笑)。塩素水はアルカリ性なんですけど、実際はそれをただ酸性にするだけなんですよ。もうちょっといろんな作業はあるんですけど。ちょっと改造すれば機械が作れないことはないんです。で、それを現地の研究所を突撃して回って。

箕輪:作ってくれって頼んだの?

畑:はい、「作れますか?」って。でも、英語はほとんど喋れないんで、全部プレゼンシートを作って持っていったんです。で、日本人が社長の食品会社が大きい工場を持ってて、その一角が何も使われてない状態だったんですよ。そしたら「そこに機械置いてやっていいよ」というお話をいただいた。

精製機の全てじゃないんですけど、ラボで作っていただいた原液を薄めて商品化する機械を置かせていただいて、生産を始めたんですよ。

(商品の写真)

それで調子が少しずつ上がっていって、現地のアジアのスーパーとか、鳥の養鶏場で使ってもらうことが決まっていったんです。でも、始めて半年くらいでようやく黒字が見えてきた時に、食品会社の社長が夜逃げしたんです。経営がうまくいってなかったみたいで。

国税局が全部差し押さえに来たんです。僕は何も契約書を交わしていなかったので、国税局から見ると僕の機械もその食品会社の持ち物となってしまって。

箕輪:差し押さえられちゃったんだ。

畑:はい。僕が日本で稼いできたほとんどのお金をその機械に使っちゃってたんですけど、途中で全部販売できなくなってしまったんです。

箕輪:それに賭けてたんだ。

畑:はい。機械も全部取られて、どうしようっていう状況になった。日本に帰ろうと思ったんですけど、あと2、3ヶ月ぐらい過ごせるギリギリの貯金があったんです。もう一度違うことに挑んでみようと決めて、それが今の仕事になっています。

概念は世界で共有できる

箕輪:ジャスティン・ビーバーがさ...「箕輪編集室」って言ったらやばくね?

畑:(笑)。

箕輪:そこ狙ってんだよね。「死ぬこと以外かすり傷だぜ」みたいな。ホリエモンが言ってたけど、もう概念以外世界に普及しない。「それいいね、その言葉に救われるわ」みたいな。

『死ぬこと以外かすり傷』はそうなる可能性はあるんだよね。アジアから翻訳のオファーとか来まくってるから。そして、本の中で「箕輪編集室」っていっぱい書いてあるから、台湾の人とかに入ってもらってグループ作るしかないね。俺らは会話できないけど。

でも、そうやってアジア展開していきたいんだよね。俺の本とともに箕輪編集室が輸出される。すごい売れてるから、中国と韓国から(翻訳のオファー)は絶対来ると思うんだよね。韓国では『嫌われる勇気』とかすごい売れてるから、彼らはオンラインサロンに向いてる気がする。普段抑圧されまくってて、自己啓発の本が一番刺さる国なんだろうね。

だから、韓国の僕みたいなやつにとりあえずリーダーやってもらう。で、たまに焼肉パーティーとかに僕が行って「あ、本物だ!」ってなるみたいな。そうなってくると呪文が必要なんだよ。喋れないからこれだけ唱えてればいいっていう呪文が必要になってくる。

畑:完璧に宗教じゃないですか(笑)。

箕輪:結局、サービスとかの根底には思想がある。だって、俺が作った動画がすげぇクズでも、思想が根底にあれば「これ箕輪さん狙ったんじゃね? 下手でもチャレンジせよってことだ」みたいになるよ。人はそれを求めてんだよ。多分みんなで解釈し合って楽しみたいんだよ。

(第二回はこちら)



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テキスト Michiko Yukimoto Ryuto Sekimoto 鳥井美沙 片岡美紀 久木田和敬 佐々木信行
編集 壁井裕貴
写真 大竹大也

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