良い仕事をしたいなら、仕事相手とのレイヤーを下げまくれ!
10月18日、心斎橋スタンダードブックストアにて『死ぬこと以外かすり傷』出版記念トークライブが開催されました。箕輪編集室デザインチームの前リーダーであり、オンラインサロン「前田デザイン室」室長である前田高志さんも共に登壇しました。
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すべてのことは事後報告
箕輪:『死ぬこと以外かすり傷』が全国で本当に売れてるんだよね。この前、見城さんに「おい、箕輪! お前すげぇな! 全然、数字が落ちない」って言われたの。
前田:見城さんも読んだんですか。
箕輪:うん。
前田:感想とかは...。
箕輪:「『東大から刑務所へ』は俺が企画したんだから、それはちゃんと書いて」って。
会場:(笑)。
箕輪:でも、「いや、それはその通りなんですけど、やっぱ本としてこれを見城プロデュースって言うと、なんか本としてつまんないじゃないですか」って言ったら、「まあ、そりゃあそうだな。俺もお前がやったことを、俺がやったって言う時もあるから持ちつ持たれつだな」って。
前田:箕輪さんってそういう切り替えしがすごいですよね(笑)。
箕輪:だって悪気がないもん。自分がやったことにしようみたいに考えてたら、「やべぇ、バレた」ってなるけど悪気がないからね。見城プロデュースって言うと視点がズレるから、わざわざ書く必要ないかなって。
前田:箕輪編集室を立ち上げたことも、見城さんには事後報告でしたっけ?
箕輪:すべて事後報告ですね。
前田:双葉社時代にレスリー・キーへ撮影依頼しようとした時も、本当は社内で反対されてたけど、こっそり連絡したんですよね。
箕輪:こっそりが多い(笑)。
前田:青木真也さんの『空気を読んではいけない』の表紙撮影やゲリラサイン会もでしたよね。
箕輪:うん。なんか僕の人間性として、許可を取るっていう行為が一番嫌いなんだよね。なぜかというと、相手に「この許可していいのかな? 」って悩ませることが申し訳ないの。だから、すべてやっちゃってから報告したいんだよね。
前田:やっちゃっても全然問題ないことですもんね。やってしまってから「結果、良かったでしょ?」って。
箕輪:自分に都合のいいように言ってますけど、レイヤーを友達同士のような関係に落とせればいい。
レイヤーを下げられる編集者は強い
前田:レイヤーってどういうことですか?
箕輪:一番堅苦しいレイヤーは、店員さんや宅配便の人、上司との会話とか。逆のレイヤーとしては、友達や好きな人、妻とかがあると思う。
仕事でもそのレイヤーをできるだけ下げられた時、めちゃくちゃいい仕事ができると僕は思ってる。
前田:なるほど。友達のように話しやすい関係に。
箕輪:すべての仕事がそうかは分からないけど、人間の内面を素材にしてアウトプットする編集者という仕事においては、内面を出したい、こいつには出せるっていう人間であることが一番の強み。
「こいつには話しちゃいけない」って思うんだけど、話してしまうことが編集者の魅力だよね。
それは、見城さんも『週刊文春』編集長の新谷さんもそうなの。
新谷さんは、「文春砲」とか言われてた時を支えてた編集長なんだけど、あの人って日本で一番喋っちゃいけない相手じゃん。でも、会うと全部喋りたくなっちゃうの。別に(新谷さんが)何か聞いてくるわけじゃないんだよ。それなのに、言ってしまう懐の深さっていうのかな。
僕もそこが強みだと思う。落合陽一や前田裕二、堀江貴文、見城徹でも箕輪の前では喋っちゃうっていう。でも、僕ほど口軽い人いないのにね(笑)。「明日サンジャポでそれ言っていい?」って。
前田:でも、箕輪さんも結構話しますもんね。「え? それ言っちゃうの?」みたいなこと何回か聞いてますもん。「これ言っちゃうの?」っていうことを話されると、こっちも気を許しちゃう。
箕輪:それはある。全部出そうぜ、その先のことは後で考えようみたいな。それができるとみんな心を開いてくれるっていうのはあるね。
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テキスト 國友克弥 湯田美穂 菅井泰樹 高橋千恵 山内富美子
編集 國友克弥 橘田佐樹
写真 浜田綾