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クリエイターを目指す君たちへ

11月28日、10・20代限定で『動画2.0 VISUAL STORYTELLING』 出版記念イベントが開催されました。

「『動画2.0』は、俺ぐらいの年代のおっさんに読ませるために書いた本じゃないんです。もう正直、おっさんたちはどうでもいい。
ここにいる10代、20代のみんなはこれからの時代を作る人になるんだ。これを読んで何か表現をしてほしい、そういう気持ちでこの本を書いた」と語る明石さん。

ライターや映像クリエイター、デザイナーなど何かを表現するクリエイターは、これからを生き抜くためにどうあるべきか。圧倒的結果を出すにはどんな行動が必要か。

何かを生み出し、世の中にインパクトを与えて続けてきた明石ガクトさんと箕輪厚介さんが、クリエイターの生存戦略について真剣に語る。

*前回の記事はこちら


クリエイターにはブランディングが必要

質問者4:高校を中退して上京し、今はWebライターとしてインターンしながら暮らしています。 Web ライターとかってクラウドソーシングで量産されてて独自性がないっていう人がめちゃくちゃ多くて、その中での生存戦略的なことを箕輪さんにお聞きしたいです。

明石さんにお聞きしたいのは、ONE MEDIAのイケてる動画作ろうと思った理由は何ですか? 例えば、ONE MEDIAはYouTubeでもアップできるわけじゃないですか。でも、それをあえてああいう形にしたのはなんでかなと。

箕輪:まず、Webライターっていう機能になってしまったら、それこそ AI で代替される。クラウドソーシングみたいなもので、できるだけ安く、それこそカンボジアやフィリピンの人と競争するような仕事だと思う。

だから、そんなものを目指してもしょうがない。だから、まずは影響力を持つことだよね。影響力を持つ、人を動かせるようになる、最後はビジネスモデルを構築できることかな。この3つができると、強いライターになるんじゃないかな。

例えば、僕だったら適当にこのマイクを紹介するだけでも10万円ぐらいもらえるの。そのためには、箕輪さんがいいって言えば売れるみたいなブランディングをすることだね。

あとは人を動かせるってことだよね。これは、フォロワー数とかそういう単純なものではない。意外とフォロワー10万人以上いる人でもイベントやったら閑散とすることもあるから。

やっぱり自分にお金を払わせる人間になるのが大事。「もうプレスはいらない」みたいな記事が出るように、昔はプレスの人にイベントをいかに取材してもらおうとか考えられてた。でも、今は全然そんな扱いはされない。イベント側、企業側は、インフルエンサーの人にいかに来てもらえるかって考えてる。

人に伝えることだけが仕事の人って、最早いらないんだよね。それこそ明石さんの方が、 Twitterの影響力あったら意味ないじゃん。そんなふうに、やっぱ人間に紐付き始めてるからそういう人間になるってことが大事。だから、自分の独自の目線や意見をどんどん出してくっていうことになるんだよね。

明石:今しか使えないキャラっていうのをちゃんと表に出してくみたいな。

俺への質問は何でYouTubeに載せないのかって話だけど、これは今の話と一緒でポジショニングだよ。

要は、YouTubeってYouTuberの場所なの。個人の単位でみんながチャンネル登録してやってる場所で、ONE MEDIAがやっても単純に伸びないんだよね。

じゃあ、FacebookやTwitter、Instagramとかいろんな場所があるからそっちでやって、ONE MEDIAはそこに強いっていうイメージを作った方がいいよねっていう判断をしたの。

だから、君も何でもできるかもしれないけど、何でもやるのが正しいかどうかは分からないんですよ。

なんか尖らなきゃいけない。この人とはこれだみたいな。今、明石ガクトと動画って紐づいてるけど、もし突然「園芸」って意味の分かんないキーワード入れるとブレるでしょ?

箕輪:ダメじゃん!

明石:え!?

箕輪:僕、いまCD出して紅白狙おうとしてるけど。

会場:(笑)。

明石:はいはい。箕輪さんはねぇ、もうなんか…分かんない。

箕輪:ごった煮してる(笑)。

明石:CDジャケット落合陽一さんが撮るんでしょ?

箕輪:うん、すごいでしょ!

明石:すごいね。だから、まあ…こうなるには天才編集者みたいなブランドを最初に作るといい。

突き抜けるには、間違ってると思われるところへ賭けること

質問者5:僕は映像クリエイターなんですけど、情報革命の時代に個人のクリエイターの価値を作っていくのがすごく難しいなぁと思ってて。それを明確に示すためのアドバイスをいただきたいです。

僕個人としては、個人のクリエイターを際立たせるために、InstagramでブランディングしてYouTubeで教育コンテンツをやって、制作会社も起業してます。次は オンラインサロン、動画コミュニティを作りたいなっと思って、そういう動きをしてある程度方向性を見てるけど、改めてお二人にご意見いただきたいです。

箕輪:優秀だね。

明石:もう答え出てるじゃん!

箕輪:打ち手は間違ってないけど、ドカンって突き抜けるにはどうすればっていうことだよね 。

質問者5:そうです。

明石:俺ね、思うのが、ドカンと突き抜けたい時に間違ってない打ち手をあまりにやりすぎると 枠をはみ出ないんだよ。

箕輪:そうなんだよ! なんなの、これ。逆に分かんない。

明石:「タカオミ動画道場」っていうオンラインサロンをやってるタカオミは、俺のNewsPicksで開催した合宿の内容をベースにやってる。

だから、「俺もオンラインサロンやれば人が集まってけっこう儲かるかな?」って一瞬思った。けど、やらなかった。それはなぜかって言ったら、ONE MEDIAの経営者がそれやってると。

箕輪:利益相反になるんだよね。利益相反っていうか、矛盾してくる。コルクの佐渡島さんとかもそうだと思うよ。

明石:そう。

箕輪:全部コルクラボでいいじゃんって、佐渡島さん思い始めてるもん。

明石:思い始めちゃうでしょ。だから、ONE MEDIAっていうブランドとか動画を、別のサロンという形でやっちゃうと、なんか熱が分散しちゃうと思ったの。

箕輪:分かる。ベクトルが違い過ぎてる。

明石:そう、ベクトルが違い過ぎちゃうの。

だから、個人の生存戦略としては、今言ってたことって全部正しいと思うんだけど、突き抜けるっていう意味でいくとちょっと違う。

例えば、庵野秀明がなんかサロンやってたり細かく映像をYouTubeに上げてたりしたら、なんか庵野秀明じゃないと思うんですよ。庵野秀明の新作は2、3年待って「やっと出てきた! めっちゃ途中で終わった!」みたいなこと含めて彼の作家性なんだよね。

だから、生き残ることと突き抜けることはちょっと違っている。今けっこう回ってるんだったら、あえて生き残ることを優先しすぎない。なんかむしろ「これやったらちょっと傾くかも…」くらいなことをやった方がいい。

今、ONE MEDIAでは映画を作ってる。 映画を作るのってめちゃくちゃ金がかかるし、全然うちのビジネスに乗ってないから大変なんですよ。でも、やる。

なぜかって言ったら、映画を作ってヒットしない限り、既存の映像業界の中で本当には認められないと思ってるから。

要は、僕は動画っていう旗を立てて、テレビの人は「あの人は動画だからね」って思ってる。僕は動画の業界で、自分たちの業界とはどっか違うと思われてる。映画の人もそうだよ。

でも、映画でもし僕が勝ったら、世間はもう別に感じないだろうなって思っている。だから、すごい金もかかるし、リスクもあるけど、映画を撮る。

箕輪:俺もすごく思うのは、全てはギャンブルと同じで、オッズがどんだけ高いところにいくら賭けるかだと思うんだよね。

今やってることは全く間違ってないけど、みんな思い描くこと。だから、競馬で言ったら1.3倍くらいのとこに100円、200円とか賭けてる感じ。多分当たると思うけど、そんな大きなバックもないんだよね。

だから、俺は映像業界じゃないから分かんないけど、500倍、600倍とか「そんな勝負してどうするの?」ってところにそれなりのリスクを背負って張ることだよ。

質問者5:なるほど。ありがとうございます。

明石:最後に、クリエイターになるであろう皆に言いたいのは、簡単に自分の作ってるものを渡してはいけないです。なんか安売りしたり、タダで渡したり。そういうことを、いろんな甘い言葉で誘ってくるんだけど、そこには乗っちゃダメ。

自分たちが作ってるものは、自分が一番大事にしなきゃいけなくて、本当に納得した相手だけに渡せばいい。

(次回に続きます)


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書き起こし:湯田美穂 林加代子 石川勝紘 Suzuki Kenta 新井大貴
編集:橘田佐樹
写真:ONE MEDIA提供 駒月麻顕

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