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学ばない者に本質を捉えることはできない

5月27日、滋賀県長浜市にて「幻冬舎編集者 箕輪厚介氏に聞く!これからの時代の生き抜き方@滋賀」と題した講演会が開催されました。開始前から沢山の質問が寄せられており、それに答える形で講演は始まりました。

*前回の記事はこちら

アップデートは歴史に学べ

質問者:僕、実家がお寺でこれから新しいことをしていきたいと思ってます。お寺でこれやったら面白い、と思うことをアドバイスいただきたいです。

箕輪:今神社をコンサルしてて、ホリエモンの「多動力お守り」や見城徹の「圧倒的努力お守り」を作ってるんですよ。この間ホリエモンにお守りのことを話したら「俺、お守りの発売日に出店だすわ」って言ってた。お寺みたいな幼い頃からあった場所って愛着があるから、やりようがいくらでもあると思う。

お寺にみんなが集まる葬式とかお墓はいくらでもアップデートできると思う。地方とか関係なく、斬新だったら話題にもなる。そこで大事なのは、バズらせることよりも本当に自分事にできるか。

「これ意味なくね?」と思うことを自問自答して、今っぽく変える。「お墓遠くない?」とか「わざわざ骨砕いて、あそこに置いて意味あるの?」とか。ずっと同じことやってて、それ以外が不謹慎みたいな風潮がある業界は一番イノベーションが起こりやすいので。

そんなのに縛られる必要ないから、自問自答して考えたらいいような気がします。お墓がある場所でお墓参り以外のことをやらなさ過ぎだから、本当に何か楽しいことした方が良いよ。

質問者:お墓で楽しいことですか?

箕輪:わからないけど。飲み会とかしたりさ。

会場:(笑)。

箕輪:そもそもおかしいと思うんだよね。本来好きな人が死んでそこにいるのに怖いとかさ。本当はもっとハッピーな場所な気がする。バチが当たるとか失礼な話だと思う。おじいちゃんが死んでさ、おじいちゃんの魂があるのにバチが当たるってそんなことないじゃん。

質問者:確かにそうですね。

箕輪:そもそも思い込みじゃん。BBQとかやればいい。

司会:沖縄は飲み会してますね。

箕輪:でしょ。そもそもが勝手に作ったイメージだから、そういうの変えるだけで相当違うよね。スカイプでお墓参りできるとか。あと投げ銭ね、SHOWROOMみたいに。そういうの色々ある。

大事なのは、それを「話題にしよう」と思った瞬間薄っぺらくなるから、誰よりも「お墓とは何か」とか「寺とは何か」とか本質をちゃんと勉強したうえでアップデートする。世の中のものって大体本質からズレているから。

質問者:こんな事をやればいいとか、何かアイデアはありますか?

箕輪:なんでもいいと思うよ。周りの人が何をしたいかを考えてやってみる。地域によっても違うと思うし。でも、こういうことした方が良い気がするというのだとだいたい失敗するから、色々な人と話して、ここが足りてないって思うのが大事だと思う。

質問者:先ほどビジネス書を破壊するという話がありましたが、僕は医学書を破壊したいと思っています。今の医学書は難しくて面白くないです。箕輪さんだったらどんな医学書をプロデュースしたいですか?

箕輪:医学の本じゃなくて医学書? 医学書ってなんですか?

質問者:健康や老いに関する本です。いろんな健康本があって埋もれちゃうんですよ。

箕輪:俺、健康本はまじで興味ないですね。本当に嘘っぽいのが売れているよね。俺そんな本出して売れても嬉しくない。とんでも健康本はまじでダサいと思う。お年寄りに対する情弱ビジネスじゃないですか。

でも、予防医学の石川善樹さんとかは本質的だと思う。昔は運動すること自体が不健康だとされていた時代があった、とか言ってて。そもそも健康という概念が変わって常識が変わるみたいなのがあるから。

彼が最近言ってて面白かったのは「音が一番大事でビンテージ音が流行る」って。今、散々録音してるんだって。要は今平安時代の音がどうだったか気になるじゃん。ていうことは逆に、今街の音を録ってたら100年後、200年後にそれが希少になる。

そういう「本質はそもそもこうなんだ」というのは、ばか売れするかはわからないけど、僕は話を聞いて面白いと思う。そういった石川善樹さんの本は作りたいと思いますね。そもそも今の常識や根本を変えるのに音なんて意識したことなかった、みたいな。彼はそういうところを本質的に捉えているから面白いと思いますね。

RPGのように出世ゲームを楽しむ

質問者:箕輪さんのnoteを拝見させていただきました。

箕輪:長浜ってみんな意識すごいね。noteとか知ってるんだね(笑)。

司会者:長浜を馬鹿にしすぎです(笑)。

質問者:以前立てた目標を全て達成した、ということでまた新しい目標を3つ挙げられたんですけど。

箕輪:なんなんだよ。世にも奇妙な物語だ(笑)。怖いわ。

質問者:1つ目が株式会社の設立。2つ目が幻冬舎の次のビジョンを描いて実行する。3つ目が箕輪編集室のアップデート。株式会社の設立が一番気になってるんですが、これはいつ頃やる予定ですか?

箕輪:暇なら明日にでもやりたいです。早く(合同会社波の上商店を)株式会社化したいと言ったら「早くした方が良い、資金調達してもっと規模大きくした方が良い」と言われてるんだけど、目の前の仕事の追われててできてないですね。

質問者:今いる幻冬舎を離れて、というイメージですか?

箕輪:幻冬舎は俺も悩んで考えたんですけど、どうしようかなぁって思って。「会社を利用しているんだ。だから給料0円でも辞めない。そこでブランドを作っているんだから」と言うとよくバズるんだけど。最近ね、そんなことないような気がして(笑)。

正直辞めてもできるけど、ある種自分に辞めないほうがいいと言い聞かせてる。ボーナスとか異常に出してもらっているからいいけど、月収が三十数万ぐらいなんですよ。俺、1時間コンサルするだけで50万以上もらえますからね。だけど、辞めるのは簡単だからRPGみたいな感じで「出世ゲームを楽しもう!」と思っている。辞めたらニ度とサラリーマンやることない。

一生分のヒット作を作って、この後一冊も本を出さなくてもクビにはならないから。ある種余興として出世ゲームを楽しもう、と思っている。今のところ幻冬舎は辞めないつもり。でも、自分の会社をもっと大きくしていきたい。大きくしたいというか、もうちょっと自分の会社にコミットしたい。

質問者:以前、宇野常寛さんとのHANGOUTPLUSで、「今幻冬舎にいるのは『何かやりましょう』となった時会社に聞くという過程を取っ払って決定権を持てるから」って言ってたんですが、そこはどうなんでしょうか?

箕輪:確かにそうなんだけど、正直会社という看板が無いなら、それが無いなりの成長を僕はするはずなんですよ。不都合とか恵まれてなさとか逆境は成長のチャンスだから。俺が言ったことは嘘じゃないんだけど、宇野さんに「幻冬舎辞めるでしょ」って突っ込まれたから返しただけで、そこに対して縛られてはいないんだよね。

「本出しましょう」って出せなくなるなら、もっと違うことを思いつくと思う。出版社に頼らなくていいやみたいな。俺は月給の20倍ぐらい稼いでいるわけよ、副業で。月給なんて見てもない。幻冬舎始まって以来の出世スピードなの。さすがに秩序があるから、すぐ役員とかにはできないんだけど。

仲良い上司に「次課長になったんですけど、給料どれくらい上がるんですか?」って聞いたら、「(3本指立てて)これぐらいだよ」って言われて「え? 30万ですか?」って。そしたら「3万だよ! お前の金銭感覚おかしいんだよ。」って言われて。3万とかいらねぇと思った(笑)。

会場:(笑)。

質問者:箕輪編集室の今後の方向性についてですが、本にはこだわらないんですか?

箕輪:もちろん。

質問者:メディアにもですか?

箕輪:メディアにもこだわらない。だってシェアハウスがメディアかと言ったら違う。新しいことが好きな人1000人いたら面白いこと起きるよね、というぐらい。嫌なのは、変わらないことを良しとすることを良しとしないことぐらい。

常に変化している、常に新しいことをしようという価値観を持つ1000人ぐらいの集団であれば、なんでもいいかなぁ。その都度間違ったりするとは思うけど、動かない方が得だよねという発想にはならないようにはしたいかな。

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テキスト 壁井裕貴

編集 大原瞬 橘田佐樹

バナーデザイン 山口ともみ

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